日銀、買入れ縮小観測を否定へ=外為どっとコム総研 神田卓也

著者:神田卓也
投稿:2017/04/26 16:35

日銀、買入れ縮小観測を否定へ

【基調】
 足場固め

【目先の注目材料】
・4/26 トランプ米大統領税制改革案
・4/27 日銀金融政策決定会合
・主要国株価、国際商品市況



【本文】
本日から日銀金融政策決定会合が行われており、明日には当面の金融政策と経済・物価情勢の展望(展望リポート)が発表されるほか、黒田総裁の会見も予定されている。展望リポートでは、足元の景気判断を上方修正する公算が大きいとされる。そうした中、一部には日銀が現在の「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の枠組みを修正するのではないかとの見方もあるようだ。日銀は長期国債の保有残高が「年間約80兆円」ペースで増加するように買入れを行うとしているが、足元の買入れ額はこのペースを大きく下回っており、現状を追認する形でペースダウンを宣言する可能性があるとの見立てだ。実際にペースダウンとなれば、市場が金融緩和の縮小と受け止める可能性もあろう。ただ、インフレ目標の達成が見通せない中で円高(デフレ)を招きかねない枠組変更を、黒田総裁が容認する可能性は極めて低いと見る。総裁会見でも買入れペースダウンに質問が集中しそうだが、あくまでも一時的な現象として、緩和縮小を認める事はまずないだろう。

ドル/円は、本日の東京市場で111円台半ばまで上伸しており、17日に付けた年初来安値108.134円から3円以上反発した。このまま、上向きの流れを確実なものにできるか、今夜のトランプ(米大統領)減税案と明日の日銀金融政策決定会合が注目のイベントとなりそうだ。
神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
配信元: 達人の予想