“上値の重さ”目立つが、“お膳立ては整った”…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/03/30 10:59

◆『EU離脱(Brexit)の正式通知』で下押しも、すぐに買い戻される

※ご注意:予想期間は3月31日と表示されていますが、本日(3月30日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。

“3/24高値(111.481円)”を突破するほどの勢いはなく、“週足・一目均衡表先行スパン上限(昨日は111.314円)”で跳ね返されました。
一方で『EU離脱(Brexit)の正式通知』を背景にした“ユーロ売り(ユーロ円下落)”に引っ張られる格好で“111円ライン”を割り込んだものの、すぐさま111円台へと買い戻されました。
想定ほど増えなかった“原油在庫”が主な要因ですが、「17年は4回利上げが適切(ローゼングレン・ボストン連銀総裁)」「場合によっては年4回利上げすべき(ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁)」発言も後を押したと見られるところです。

◆昨日同様“3/24高値 VS 111円ラインの攻防”がメイン、ただし…?

こうして“トランプ政権の政策執行力への信認は幾分回復”に続き、“EU離脱(Brexit)も無難に通過”となりました。
リスク回避を想定していた向きのポジションが巻き戻される可能性は高く、目先はもう一段の反発が期待できるところです。

オーダー状況を見ると“111.00-110.80円にドル買いオーダー”“111.30-50円にドル売りオーダー”に挟まれており、“111円前半での揺れ動きが本日のメインシナリオ”と考えるのが自然かもしれません。
しかしポイントとして昨日記した“3/24高値(111.481円)”水準には、“日足・一目均衡表転換線(本日は111.496円)”が下りてきています。
“上値の重さ”が演出されやすい反面、突破できると“上昇に弾み”というお膳立てが整ったともいえます。

“ひとまず底入れ”の可能性が高い中、“悪材料は減少”“巻き戻しも期待できる局面”にもなりつつあります。
昨日同様“3/24高値 VS 111円ラインの攻防”がメインでしょうが、本日に関しては“上抜け”を期待したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:112.000(大台、ピボットハイブレイクアウト)
上値4:111.792(3/22高値)
上値3:111.567(3/23高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値2:111.481(3/24高値、日足・一目均衡表転換線)
上値1:111.308(3/29高値、週足・一目均衡表先行スパン上限、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:111.012
下値1:110.702(3/29安値、3/27~3/29の50%押し水準、ピボット1stサポート)
下値2:110.564(3/27~3/29の61.8%押し)
下値3:110.401(ピボット2ndサポート)
下値4:110.104(3/27-28安値、ピボットローブレイクアウト)
下値5:110.000(大台、200週移動平均線)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:13 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想