114円台は“主だった抵抗ラインが不在”…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/02/15 10:33

◆“タカ派に寄った”イエレンFRB議長証言 - ドル急伸

※ご注意:予想期間は2月16日と表示されていますが、本日(2月15日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“東芝の決算発表見送り”“フリン米大統領補佐官の辞任”という2つのイレギュラーが足を引っ張ったものの、その後の展開は“概ね想定通り”でした。

 「引き締め(利上げ)を待ち過ぎるのは賢明ではない」
 「雇用・物価が維持すれば、今後2~3回のFOMCにて利上げが適切」

イエレンFRB議長証言は、マーケットの思惑よりも“タカ派に寄った”ものでした。
“時期の明言”はなされなかったものの、“3月利上げの可能性”も排除されておらず、リスク選好姿勢が席巻した格好といえます。
米10年国債利回りは2.50%台へと急上昇、NYダウは4日連続の史上最高値更新を見せる中で、ドル円は114.50円水準へと駆け上っていきました。

◆“にわか上値期待”には要注意も、114円台は“主だった抵抗ラインが不在”…!?

財政政策を巡る思惑は“利上げのベースではない”ことが明らかにされたことで、“もう一段の上値追い”が期待できる局面へと移行した印象があります。
“6月”はもとより、“3月もしくは5月”の利上げを想定したドル買いも入りやすいと見られる中、テクニカル的には“50日移動平均線(本日は115.065円)”まで主だった抵抗ラインは存在しておりません。

本日に集中する“米国債クーポン利払い/満期償還”から派生する“リパトリエーション(円転による国内回帰)への思惑”と“やれやれの利益確定売り”、そして“にわか上値期待”には気をつけておく必要がありますが、“114円台では上昇ペースを速める”への期待は募るばかりです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:115.377(1/20高値、1/27高値)
上値4:115.242(ピボット2ndレジスタンス)
上値3:115.000(大台、1/30高値、50日移動平均線)
上値2:114.757(ピボット1stレジスタンス)
上値1:114.492(2/14高値)
前営業日終値:114.272
下値1:114.020(2/14安値後の38.2%押し、大台)
下値2:113.875(2/14安値後の50%押し)
下値3:113.729(2/14安値後の61.8%押し)
下値4:113.522(ピボット1stサポート)
下値5:113.382(2/7~2/14の38.2%押し、20日移動平均線)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

10:53 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想