就任式きっかけとしたNY株価の動きに注目

著者:菊川弘之
投稿:2017/01/20 16:43

保合い放れ待ち

 ドル円が、イエレン議長講演、トランプ次期大統領発言記事(WSJ)、ムニューチン次期財務長官公聴会発言などで、アップダウンを繰り広げたのに対して、NYダウは、高値圏での保合いが続いている。
 この保合いが、上昇トレンドでの中段の保合いとなるのか、それとも、団子天井となるのかの決着が、早ければ今晩の米大統領就任式で着くかもしれない。ボリンジャーバンドは収れんが煮詰まった状態で、いつ放れを見せても良いチャート形状となっている。20,000ドルを超えて長大陽線、もしくは、19,500ドルを割り込んで長大陰線なら、短期的に放れに付く方針で良さそうだが、長い上ヒゲや、長い下ヒゲを形成して、引けた場合、株価もドルも上に下にの荒い展開も予想される。
 先日の記者会見のように、対人でのやり取りではなく、大統領選挙勝利演説のように、決まった原稿をベースに演説すると思われ、市場に安心感が戻る可能性があるものの、反対派のデモや、パレードでの混乱、北朝鮮のミサイル実験などには要注意。さらに、就任後100日計画で発表された移民強制送還やTPP離脱、関税や国境勢などへの強い発言があれば、マーケットが反応する可能性も。一方、お祝いムードでNY株価の放れに繋がらないようなら、中国の旧正月入りもあり、2月上旬までに発表予定の予算辺りまで、保合いが長引くシナリオもあり得る。
 足元のドル円の行方を探る上で、保合いが継続しているNY株価の動きに注視したい。
菊川弘之
日産証券調査部 主席アナリスト
配信元: 達人の予想