目先売られ過ぎを示している中でも、「更なる売り」を助長する可能性も トレードタイム

著者:平野朋之
投稿:2017/01/18 11:39

■ドルインデックスは、50日線を完全に下抜け


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■昨日は、株安をはじめトランプ次期大統領による「ドル高けん制」、そしてダドリー連銀総裁による発言をきっかけに約1ヵ月半ぶりの112円台となりました。また、メイ首相によるEU離脱姿勢が強まったこともリスク回避の流れを加速させました。


■注目のトランプ次期大統領の就任式まであと2日となりました。期待したトランプノミクスを待たずに、調整が進んでいます。
トランプ次期大統領のインタビューで輸出に不利なドル高進行に不満をぶつけた事も、円買い要素になっている様に、ここにきても「トランプ節」が炸裂し、これまでのハイブリッシュ相場を完全にシャットアウトさせたようにみえます。


さらに、習主席による米国保護主義けん制発言も驚きでした・・・。

既に米中貿易摩擦のホイッスルがなり始め、完全に通商戦争化し始めたようにみえます。この先、この通商戦争が激化することで、これまでのリスク選好の火が消され、昨年同様の負の連鎖、つまりリスク回避相場が再び相場を駆け巡ることになります。


■更に、大統領就任式では米民主党議員約50人が欠席するという異例の事態が出始め、この先の議会運営の難しさが予想されます。
当選直後は分裂した国民をひとつにするというキャッチフレーズが脳裏に焼きついていましたが、このニュースをみる限り、米国は分裂どころか亀裂が入り、成長する世界経済も混迷するのが避けられなくなりそうです。


■この先、トランプ次期大統領によるさまざまな政策が出るかと思います。しかし、市場ではトランプ次期大統領発言を「リスク」と捉え始めているように思えます。つまり、「トランプリスク」が台頭し始めているのです。今後の次期大統領発言には警戒です。


■外部要因では、ブル相場を牽引してきたドルインデックスも移動平均50日線を完全に下抜けています。
本日は、75日線(100.18)がポイントになりそうです。これを下回るようであれば、目先のドル円相場の120円や125円も一旦、お預けとなりそうです。


■最後にドル円です。

日足チャートをみれば、7本連続の陰線となりました(FX会社によっては6本)。オシレータは目先売られ過ぎを示していますが、昨日は大陰線となっていることから、数日後再度「売り」も出てくる可能性もありますも。

シカゴまた、IMM日本円の売り越しも未だ、8万枚弱あるので、警戒は必要です。
本日も2本立てで「売り」をベースに考えたいです。

戻り売り
4時間足ベース ボリンジャーバンド-1σ
113.28円

ブレイクダウン
112.50円


■ドル円チャートは昨日の下げで「小石崩れ」となり、目先は売り優勢です。トレンドが変わりつつあるので、注意が必要で、いつまでも金利差やFRBの追加利上げだけを頼りに、ドル買い一辺倒の見方も、ここは一旦考えをフラットにするタイミングに差し掛かっています。
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想