下値トライが入りやすい”へ移行したが、方向感は出づらい…!?

著者:武市佳史
投稿:2017/01/12 11:23

◆“期待外れ”そして“乱高下” - トランプ会見

※ご注意:予想期間は1月13日と表示されていますが、本日(1月12日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


懸念された“ドル高けん制”がなされることはありませんでしたが、期待された“経済・財政への具体的な言及”もありませんでした。

これをマーケットは“期待外れ”と受け取り、一時116.86円へと値を戻していたドル円は一気に114.25円へと突き落とされました。
もっともその後は115円後半へ値を戻す場面が見られるなど、ドル売り一辺倒に傾斜しているわけではなさそうです。

◆“下値トライが入りやすい”へと移行したのは事実…?

“12月FOMC直前安値(12/13:114.730円)”を割ったことで、“下値トライが入りやすい”マーケット環境へと移行したのは事実です。
一方で“米金利先高観の増幅”は見られておらず、昨日のNYダウは堅調に推移しました。
これは“リスク回避一辺倒”に傾斜する局面ではないことを意味し、節目を割ったにしては“ドル売りも加速しておりません”。
“失望のドル売り”もすでに峠は越したと見られており、“追随のドル売り”が入るかは未知数です。

◆しかし昨日の会見では、結局何も変わってない…!?

結局、昨日の会見では何も変わっておらず、“不透明感は残るが、期待感も変わらず”もそのままです。
そうした中“ドル買い遅れニーズ”は依然として残っており、押したところではすぐさまドル買いが入ってくることが規定されます。

“115-118円のレンジ”を外れたことで“目先は様子見”が無難ですが、“トランプ期待は終焉”“上げ過ぎたドルは下落”と見るのは、現時点では時期尚早と考えたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:116.763(ピボット1stレジスタンス)
上値4:116.451(12/15~1/11の50%戻し水準)
上値3:116.243(1/11高値後の76.4%戻し)
上値2:116.000(大台)
上値1:115.861(1/11高値後の61.8%戻し、日足・一目均衡表基準線)
前営業日終値:115.407
下値1:114.934(1/11安値後の50%押し、大台)
下値2:114.771(1/11安値後の61.8%押し)
下値3:114.653(100週移動平均線)
下値4:114.245(1/11安値)
下値5:114.142(11/28~12/15の61.8%押し、ピボット1stサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

12:30 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想