リスク回避姿勢は長くは続かない…!?

著者:武市佳史
投稿:2016/12/05 10:40

◆週末イベントを受け、ドル円軟化でスタート

※ご注意:予想期間は12月6日と表示されていますが、本日(12月5日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。

注目の米雇用統計は、失業率が2007年8月以来の4.6%へ低下しましたが、時間当たり平均賃金が予想外のマイナス(-0.1%)に落ち込みました(非農業部門雇用者数はほぼ予想通り)。
このため期待していた“来年の利上げペース加速に対する思惑”が台頭することはなく、米10年債利回りの低下につれてドル売りが持ち込まれました。
114円ラインを挟んで膠着していたドル円は113円半ばに値を落として先週の取引を終了し、そしてイタリア国民投票(否決優勢)を背景に週初オープニングは113円割れへと売り込まれました。

◆ただすでに“11/28~12/1の50%押し”は達成済

もっとも“イタリアの政治的混乱”は今に始まったことではなく、“伊金融機関への懸念”はすぐに高まるという類のものではありません。
ましてや“解散総選挙⇒EU離脱”への懸念となると、いくつもの障害をさらに乗り越えていかなければなりません。

先週末からの反落で、“11/28~12/1の50%押し(113.087円)”はすでに達成しています。
またすぐ下には“同61.8%押し(112.678円)”も控えており、ここから下は“おいそれと売り込める水準”ではありません。

◆リスク回避姿勢は長くは続かない…?

“待ちに待った押し目”であるにもかかわらず、いざそうなると“尻ごみ”しがちなになるのは不思議ですが、先行する“リスク回避姿勢は長くは続かない”と見るのが自然…。
“欧州勢の反応”を確認する必要はありますが、“ドル買い基調は継続”“買い拾いも継続”と見たいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:114.401(週足・一目均衡表先行スパン上限)
上値4:114.180(12/2高値)
上値3:114.070(12/1~12/5現時点安値の61.8%戻し、ピボット1stレジスタンス、大台)
上値2:113.836(12/1~12/5現時点安値の50%戻し)
上値1:113.603(12/1~12/5現時点安値の38.2%戻し)
前営業日終値:113.515
下値1:113.331(12/2安値)
下値2:113.171(ピボット1stサポート)
下値3:113.087(11/28~12/1の50%押し、大台)
下値4:112.840(日足・一目均衡表転換線、ピボット2ndサポート)
下値5:112.678(11/28~12/1の61.8%押し)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

10:50 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想