12月の米国雇用統計アノマリー

著者:川島寛貴
投稿:2016/12/02 18:57

上昇率は驚きの90%!!

昨晩のNY市場で、ドル円が再び114円割れとなりました。
これはダブルラインキャピタルの新債券王、ガンドラック氏が『米国債を買っており、米ドルはこれ以上の上昇はないと考えてる。』と発言したことがキッカケとなったようです。
さて、本日は雇用統計ですが、非農業部門雇用者数の事前予想は18.0万人(前回:16.1万人)。ここ最近発表される米国の経済指標が軒並み良いことから、本日の雇用統計も良い結果が出そうというのが市場コンセンサスの模様。JPモルガン、モルガン・スタンレーは、非農業部門雇用者数で20万人を予想しています。

ここで過去の12月の雇用統計を振り返ってみましょう。
上昇を勝ち、下落を負けとすると、過去10年の12月の米国雇用統計は、8勝1敗1分と非常に高い確率で上昇することとなっています。

クリスマス商戦が年を追うごとに活性化し、そのぶん雇用が生まれ上ブレるのでしょうか。
詳細は定かではありませんが、あまりにも勝率が高いこのアノマリーは、乗っておいて損がないのでは?と思えるほどです。

しかし、週末にはイタリアの憲法改正の是非を問う国民投票があります。
マーケットのポジションは売りに傾いており、仮に雇用統計の結果が良くて跳ねたとすれば、114円台で捕まっているポジションの投げが入り、上値が重くなりそうです。

国民投票の事前予想は、今のところ無難に通過するようですが、ブレグジットにトランプ氏の勝利をみているマーケットは、きちんとポジション調整を行う動きが予想されます。動くとすれば、下方向の方がインパクトがありそうですね。
下値の目途は112円後半ですが、一気にポジションが手じまわれる動きとなると、112円台前半まで急落した後、大きく反発するというシナリオも想定しています。

近くて遠い115円。
今夜も到達するのは難しそうです。


良い週末をお過ごしください。
川島寛貴
株式会社IEYASU 代表取締役
配信元: 達人の予想