不可解な原油価格の値動きは、ドルにどの様な影響を与えるのか? トレードタイム

著者:平野朋之
投稿:2016/10/27 11:23

目先は押し目を拾う展開


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■昨日は、年内利上げ観測や堅調な米住宅関連指標、そしてGDP予想の引き上げでドル買い優勢となり、104円ミドルまで上昇しました。

本日は、株価や原油の動きを横目に、105円を意識した展開とみています。
特に、先月の耐久財受注が不調だっただけに、結果が良好であればドル買い優勢となるとみています。

■そんなドル買い優勢の状況でも、未だゴールドは1260ドル台で堅調な動きを見せています。先日の1300ドル割れで、テクニカル的には買う理由が見当たらないほどの状況下であるにもかかわらず、1250ドル割れではしっかりとバーゲンハンティングとみられる買いが入っています。その理由とは、次の4つのことがあるからだと考えています。


・英国のEU離脱により、未曾有の不況長期化懸念。ポンドやユーロ通貨暴落懸念。
・先進国のテーパリングによる経済対策の限界。
・来年以降の中国経済失速懸念。
・新米大統領誕生の背景に、保護主義色と世界貿易縮小懸念。

上記の懸念材料が考えられます。

いずれにしても「不透明」というキーワードが多いゆえに、安全資産は手放せない兆候が、この金相場の動向からうかがえます。

その意味ではドルとの逆相関関係にあるゴールドの動きは目が離せないと思っています。

これは、ドル円にも言える話で、テクニカル上では「上を目指しているものの」、一方通行で買われない理由はやはり、根底に「不透明」が拭えないでいるからだと思います。



■話は変わり、原油価格も昨日不可解な動きを見せました。

毎週発表される原油在庫が減少しているにも関わらず、一時的に買われたものの、その後は「往って来い」の展開で、50ドルの大台がキープできなくなっているのです。

OPECの不透明感が買い切れない理由の一つのようですが、個人的には来年以降も暫く在庫量はダブつくことが予想されているので、すでに協調減産期待での相場は終了し、大きな調整局面に入ったのではないかとみています。
という点から見ると、原油安から株安に連鎖する可能性もあるので原油価格にも注目したいです。


■最後に、ドル円は基本的に買いスタンスですが、高値掴みをせず、押目を待つことを忘れずリスク管理していただきたいと思います。

押目ポイント

4時間足ボリンジャーバンド
・センターバンド…104.27円
・昨日安値…104.01円
平野朋之
株式会社トレードタイム代表取締役
配信元: 達人の予想