日銀会合ではマイナス金利の深堀りとマネタリーベースの拡大が予想
政策変更期待へ
※13時19分
日銀は長短金利操作付量的・質的金融緩和を導入(補完措置)。
10年債金利ゼロ%程度で維持するよう国債買い入れるようイールドカーブコントロールを行うことで銀行の収益改善が期待され、三菱UFJFG
(8306)をはじめとする銀行株が急騰しています。
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いよいよ本日、日銀金融政策決定会合が発表されます。
さらに、翌日深夜3時に米国でFOMC発表もされ非常にあわただしい一日となります。
日銀は前回追加緩和を決定したばかりですので、普通に考えると、本日は前回内容とこれまでの包括的な検証の結果報告のみとなると思うのですが、果たしてどうなるでしょうか。
事前に漏れ伝わっている内容では、実に多くの選択肢がありそうです。
ここで想定できる金融政策の想定メニューを確認してみます。
■想定される発表内容
考えられる内容は以下の6つ。
1.現状維持:包括的な検証の発表のみ。
2.国債買い入れ枠の柔軟化
3.マイナス金利の深堀り★
4.ツイスト・オペの実施(長期売り短期買い)
5.外債の購入と8.40年債の購入
6.インフレ率2%の達成時期を短期から長期的に
1.現状維持
以外にも事前コンセンサスは現状維持は少ないようです。
総括的な検証に関して、きさらぎ会での講演で黒田総裁の見解が出てきており、その内容から日経新聞は、『緩和拡大はマイナス金利軸に総括検証』と報じています。
マイナス金利は弊害もあったがトータルでは正しかったという着地となるのでしょうか。
ただし、マイナス金利の是非に関しては日銀内でかなり揉めているようですので、個人的には現状維持となる確率が高いように思えます。
2.国債買い入れ枠の柔軟化
現状、年間購入枠が80兆円のところを70~90兆円と柔軟にし、マネタリーベースの拡大を匂しつつ、テーパリングもできるように柔軟に変更。
ETFの購入枠でこれをやると、日本株の暴落につながるため難しいでしょう。
テーパリングの示唆は金融引き締めですが、国債利回りが急上昇することにより、銀行・証券株が上昇し
日経平均の上昇に繋がるかもしれません。
これは個人的に期待したい内容です。
3.マイナス金利の深堀り
黒田総裁の講演内容では、可能性がありそうな選択肢です。
引き下げるとなると、現在-0.1%のところを-0.2%~-0.3%とすることが考えられます。
銀行からの強烈な批判があったことと日銀内でも賛否が分かれていることから、決定となるとギリギリの票数となりそうです。
事前調査によるとエコノミスト40名中、14名がマイナス金利の拡大を予想していることから、市場ではまずまず織り込まれているようです。
この場合、瞬間的にドル円は上昇しそうですが、欧州時間の午後には元の水準に戻りそうです。
4.ツイスト・オペの実施
少数の方が予想しているのが長期金利と短期金利差を調節するツイストオペの実施。
マイナス金利によって銀行などの金融機関の収益が圧迫されているので、国債利回りをどうにかしようということで、マイナス金利の導入以降、国債利回りが短期から長期にかけてもフラットだったものを右肩上がりになる様にしようということです。
モルガン・スタンレーMUFG証券の杉崎弘一債券ストラテジスト は、「マイナス金利深掘りとツイストオペをやってくる形で市場コンセンサスができつつある」と指摘しています。
※オペレーション・ツイスト(ツイスト・オペ)=長期国債の売買と短期国債の売買を同時に行うことで、資金供給量を変えることなしに、長・短金利を逆方向に導く市場操作。
ちなみに金融庁の試算では、マイナス金利により大手銀行の減収総額が3000億円となっています。
もし、これが実施されると銀行株は上昇に転じそうです。
5.外債の購入
可能性は相当低いですが、為替相場に強烈なインパクトを与えるのが外債の購入。
日銀の元審議委員である中原伸之氏は、WSJのインタビューで『外債の購入を通して目標額を100兆円に拡大するのが望ましい』と述べています。
内容は年間10兆円をドル建てとユーロ建てを半分ずつとするのが望ましいとのこと。
つまり、日本円を売って米ドルとユーロを買うというのですから、ドル円、ユーロドルが上昇。
結果、ユーロ円が10円ほど爆騰するのではないでしょうか。
ただ、事実上の為替介入となりますので相当ハードルは高いでしょう。
6.物価目標の達成時期の変更
日銀の至上命題である物価の安定。
当初、2015年に2%としていたのですが、原油価格の下落の影響もあり、どんどん後ずれしてしまっています。
さらに、2016年は円高の影響もあり、より達成は困難となりそうです。
これは事前コンセンサスも高まっており、まずまず織り込み済みというところでしょうか。
記者会見これが報じられると、アルゴリズムが円買い、先物売りを一斉に仕掛けてきそうです。
その他では、日経が『財務省、40年債の増発を正式決定』と報じたことから、40年債の購入もあるのではという思惑も出てきそうです。
ただ、これは市場関係者の中では全く出ていない意見ですので、可能性は皆無でしょう。
可能性はほぼ皆無化と思われますが、4000億円増加した国債の一部買い取りや地方債や社債の買い入れを増やすという選択です。
今のところありそうなのは『1:現状維持』か『3.マイナス金利の深堀り』、『6.物価目標の達成時期の変更』でしょうか。
個人的にマイナス金利幅の拡大は、銀行から相当な非難があったことから、もし実行するとすれば何かとセットにして行うのではないでしょうか。
なお、マネタリーベース拡大ペースの増加予想もマイナス金利の深堀りと同じくらいあると予想されています。
本日の日銀金融政策発表は、今年一番の注目といわれた7月以上に注目が集まりそうですね!
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