市場の関心は日銀へ=外為どっとコム総研 神田卓也

著者:神田卓也
投稿:2016/07/28 09:21

市場の関心は日銀へ

昨日の米連邦公開市場委員会(FOMC)は、景気判断を上方修正した上で、リスク警戒姿勢を緩めるなど、比較的明るいトーンの声明を発表した。にもかかわらずドル売りが優勢となったのは、9月利上げへの直接的な示唆がなかった事が最大の原因だろう。ただ、米金融政策イベントを消化した事で、市場の関心が日本の金融政策イベントに移った影響もあったと見られる。

本日から明日にかけて行われる日銀金融政策決定会合では、もし日銀が追加緩和を見送れば円高の反応が避けられない一方、たとえ追加緩和に動いても出尽くし感や手詰まり感から円安は進みにくいとの見方が少なくないようだ。本日のドル/円は、明日の日銀待ちで値幅が限定される公算で106円台への復帰は難しく、上値の重い展開が見込まれる。
神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
配信元: 達人の予想