センチメント改善で出来た流れは“そう簡単に覆らない”…!?

著者:武市佳史
投稿:2016/05/31 10:52

◆米英休場でもドル円一段高

※ご注意:予想期間は6月1日と表示されていますが、本日(5月31日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


先週末のイエレンFRB議長発言(米早期利上げ観測)と消費増税延期を巡る思惑(株高⇒リスク選好の円売り)が重なったことで、昨日もドル円上昇が目立ちました。
東京タイム序盤に111円台に乗せたドル円は、一時は日足・一目均衡表先行スパンの雲上限(昨日は111.251円)を上回る水準へと急伸しています。
その後は米(メモリアル・デー)・英(スプリング・バンク・ホリデー)休場の影響もあって動意は盛り上がりませんでしたが、ドルのセンチメントは着実に改善していることが窺えました。

◆センチメント改善で出来た流れは“そう簡単には覆らない”…!?

米利上げ時期を占う上で注目される米経済指標が本日から目白押しですので、それまでは様子見が意識される可能性はゼロではありません。
また本日は月末最終営業日ですので、ポジション調整が入りやすいタイミングでもあります。
ただセンチメント改善にて出来上がった流れは“そう簡単には覆らない”と考えるのが自然であり、ストップロスを狙った朝方の仕掛け的な円買いも110.80円水準で一服しています。
仮にもう一段の下攻めがあったとしても、先週まで上値を押さえた110円半ばが今度はサポートラインとして機能する可能性が指摘されるだけに、本日も堅調推移が期待されるところです。

◆株高基調継続ならば“112円トライ”も…!?

3連休明けの米英市場の動向が注目されますが、株高基調が継続すれば“1/29~5/3の38.2%戻し(111.711円)”“4/28高値(111.872円)”を経て、“112円台”を試してもおかしくありません。
まずは比較的厚いドル売りオーダーと損失確定のドル買いオーダーが背中合わせで展開している“111.35-50円を巡る攻防戦”が注目と考えますが、“突破⇒さらなる上値追い”への期待は募るところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:111.872(4/28高値)
上値4:111.711(1/29~5/3の38.2%戻し)
上値3:111.575(ピボット1stレジスタンス)
上値2:111.435(5/30高値)
上値1:111.251(日足・一目均衡表先行スパン上限)
前営業日終値:111.117
下値1:110.907(5/30の50%押し)
下値2:110.782(5/30の61.8%押し)
下値3:110.668(5/26~5/30の38.2%押し)
下値4:110.519(ピボット1stサポート)
下値5:110.379(5/30安値、5/26~5/30の50%押し)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔マーケット・チェック15分Webセミナー〕にて公開。

11:00 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想