映画ずきのしんちゃんさんのブログ

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救済策 時間との競争

 IMFは世界の金融システムがメルトダウンの瀬戸際にあると警告したが、各国は、休日明けの市場に備えて、金融安定化策の具体化にとりくんでいるようだ。現時点(13日朝6時)の時点では、BBCによると、EUの議長であるサルコジ仏大統領は、「何もしない選択肢はない」と宣言、ヨーロッパ15カ国が、EUゾーンの協議に加わったイギリスのブラウン首相が提唱していた流動性の供給、銀行間取引に国家保証をつけて短期金融市場の目詰まりを取り除くこと、公的資金で銀行の優先株を買い上げることで銀行の資本増強を図ることなどで合意したと発表。イギリスは370億ポンドの公的資金を四大銀行に注入し、ロイヤルバンクオブスコットランドとHBOSは、事実上政府が支配権を握る展開になる模様だとのこと。またオーストラリアとニュージーランドは銀行預金の全額保護を発表。ドイツ・フランス・イタリアも具体的な公的資金注入などの計画を月曜までに公表する予定で、アメリカでも具体的な検討がすすんでいるとのことだ。
 主要な金融機関は破綻させないというG7の決意が、具体的な金額に裏打ちされた計画になってきていることは心強い。まだ震源地アメリカがどれくらいの額をどの金融機関に注入するか、銀行間取引の保証などにのりだすかどうかはまったくわからないが、ヨーロッパが結束して金融システムを守るための公的資金注入にのりだしたことで、システムの崩壊はかろうじて避けられる期待がでてきた。銀行間の短期金融市場が国家保証を得て動き始めれば、損失の大きい金融機関や企業の淘汰や国有化などはこれからも進んでゆくとしても、アイスランドのように全システムが崩壊するような現象は起こりにくくなるであろう。
 アメリカがヨーロッパの例に追随すれば、市場は好感するだろうが、市場信奉が強い共和党政府が、公的資金注入の具体策にきちんと踏み込めるかどうかは、まだ不透明だ。さらに株式市場は、金融不安だけではなく、実体経済の急速なリセッション入りをにらんでおり、GMやフォードの行方、メルリリンチやシテイの株価や決算しだいでは、金融不安が弱まってきて、株価がある程度戻すとしても、上値は重くなるかもしれない。為替はいま100円台になっており、為替がドル高に戻してゆけば、東京も底入れ期待がもてるが、積極的に買うだけの勢いがでてくるかどうかは、わからない。
 
 ところで、三菱UFJが出資することになっているモルガンスタンレーが破綻寸前に追い込まれているとのことだ。本当にモルガンスタンレーに出資することが三菱UFJにとって賢明な経営判断だったのだろうか。三菱UFJの株主であれば、徹底的に質問したくなる展開だ。これから不良債権処理の費用ということで、いろいろな形で奉加帳が日本にもまわってくるに違いない。だが資金をだすというのであれば、くれぐれも厳格な資産評価を行って、最悪の事態も想定した見通しをもったうえで、やってほしいと思うが、杞憂だろうか。
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