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なかなか楽観はできず

週末のNYダウは、金融安定化法案の可決にもかかわらず10325.38(‐157.47)と下落して安値を更新している。日足をみると、転換線にタッチしたが、長い上髭を引いて下落、ほぼ安値引けであり、転換線、基準線とも下降。週足も同様で、下向きの基準線転換線の下にあり、下降基調。月足も基準線、転換線下向きで、雲の上限を突破して下降中である。月足のMACD、RCIも下降で、指標はどれも悪い。月足のボリンジャーバンドをみても、マイナス2σの近辺に位置し、さらにバンドが外側に向かって広がっており、セオリーからいえば、下降がさらに続くことを示唆している。下値のめどを探すのは難しいが、強いて言えば、雲の下限9423、あるいは遅行線が雲の上限とぶつかる9631あたりだろうか。いずれにせよ、基調を転換させるものがなければ、10000ドルを割れるのは時間の問題となっている。
 当面の緊急の課題である金融もまだ極めて不安定で、ロンドン銀行間のドルの取引市場は、相手が信じられないカウンターパーテイーリスクによって、事実上機能停止に陥っているといわれている。現にドイツの第二位の住宅ローン会社に破綻の懸念があるとされ、アメリカの投資銀行を傘下におさめたヨーロッパの金融機関は、いずれも相当に厳しい状況にあるようだ。ヨーロッパ各国政府は、すでに銀行国有化や、アイルランドのように預金全額保護などに乗り出してきているが、欧米ではまだ金融機関の破綻がでてくる可能性が高い。アメリカの金融安定化法案の今の仕組みでは、買い取り価格や損失が明確にならないため、金融機関の不信感はぬぐえないのではないかと思われる。金融機関の破綻が続けば、アメリカも結局公的資金の資本注入といったステップに向かうことになるのではないか。
 一方アメリカの実体経済の各指標をみてみると、鉱工業生産指数は08年初頭で頭を打って下降中。設備稼働率は07年年央でピークをつけて急激に落ち込んで05年来の低水準。失業率は08年初頭からじりじり上昇して05年からは見られない6%に届く状況になり、非農業部門雇用者数は、05年からずっと大きなプラスであったのに、08年年頭からマイナスに転じ、一貫してマイナス、9月には記録的な15万人の減少となったが、これもまだ金融危機の現状を反映したものとはいえないのではないか、といわれている状況。問題の根っこである住宅も、民間新設住宅着工戸数は、05年には200万戸水準であったものが、06年をピークに一貫して右肩下がりで下落しつつあり、100万戸を切り、反発の兆しはない。消費者景気信頼感指数は、07年年央でピークをつけて急速に下降、08年7月にいったんボトムをつけて少し持ち直していたようにも見えていたが、ISM製造業指数は、ずっと50前後を維持してきたのに、直近で大きく下落して先行きが心配される状況になっている。指標からみるかぎり、どうみても、これから厳しい不況局面に突入するのではないか、と思われる。たとえ金融が安定しても、雇用者数や製造業指数、住宅着工が底をつけて反発してくるのを確認しないと、買い方に勢いはでないであろう。
 円ドルは株式市場に比べれば、資金還流の需要からか、比較的安定してきていたが、ようやくじりじりとドル安に向かう気配がでてきている。これまで週足の基準線を維持して転換線107.09との間でレンジ相場を形成してきたが、上値はきり下がってきており、週足の基準線105。55を直近では割り込んできていて、週足のMACDやRCIも円高方向への動きを示唆し始めている。雲の下限104.43を下抜けると円高方向への中期的基調の転換が起こる可能性がある。欧米の金融危機がさらにすすむようならば、ドル安は結局は避けられないであろう。しかし円高になると、日経平均は、ダウの下げをさらに増幅する危険もあるので警戒が必要だ。(周知のようにユーロ円のほうは、先に大きく円高に振れている。8月から一貫してユーロ安に進み、日足、週足、月足とも円高基調が続いている。月足の転換線が基準線をデッドクロスするところであり、まだここからユーロ安がすすむ可能性も高い。)
 日経平均も、日足、週足、月足とも完全な下落基調で、今のところ、下げ止まる気配をみせていない。日足、週足には下値のめどといえるものがなくなっており、今の水準を下抜けると月足の遅行線が雲の下限とぶつかる10402から10463あたりがめどといえばめどだろうか。しかし月足のMACDもマイナス圏を下降中、上昇していた月足RCIですら、頭をうって下降しており、トレンド系の指標はいずれもいいところがない。月足のボリンジャーバンドも、マイナス2σのところに位置していて、バンドを広げており、更なる下降の可能性を示唆している。
 国内では、麻生政権が誕生したが、景気対策といっても何をするのかどうもよくみえてこない。ばら撒きをするにしても、今まで決まっていたようなボリュームでは、焼け石に水ではなかろうか。いつ選挙をやるつもりかしらないが、待っていても、たぶん、景気がよくなるようなことは望みうすだろう。打つ手も限られており、楽観論者の首相もつらいところだろう。
登録日時:2008/10/05(14:56)

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