サイコさんのブログ

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チャイナラ

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  士業(弁護士、会計士等)  現在 5位


思想地図(vol.1)
これは地図、というタイトルを付しているのだけれど、東等が思考しているのは、日本発の2010年における思想発信ということで、どちらかといえば計画書、のほうが意図的にはあっているのだが、ナショナリズムを近隣アジア諸国のサブカル事情から紐解こうとする試みというのは、ジオグラフィカルな感じもする、まさに地図の発想である。まぁ、そのズラシというのもなんとなく意図的でもあるけれど、ちょっとだけ、ほー、と思ったのが、ここに寄稿している呉詠梅(ごばいえい)さんの論文「中国における日本のサブカルチャーとジェンダー」。クィア的なものはちょっとも出てないから、タイトルのつけ間違いのような気がするのだけれど、中国でいわゆる新中間層というプチブル(小資)の家庭で育った若者の現状を対面アンケートしたものをまとめているのだけれど、この層は極めてエリート指向が高くて、彼/女等もほとんど大学生なのだけれど、中学高校あたりで消費していたサブカルが、シティーハンターとかのマンガ、東京ラブストーリーを始めとするトレンディードラマ(中国では日劇という)、音楽については書いてないが、面接にきた若者がMDウォークマンを聴きながら部屋に入ってきた、という文章から察しても、あるていどJ-POPも聴いているとは思う、例えば、GLAYとか。まぁ、歴史認識的に嫌日であったりするはずなのが、実は文化消費の面では日本がここ10~20年に大衆が消費していたものを輸入して受け入れられている、ということだ。ただ、それでタイムラグはあるのだけれど、日本における韓流のような現象が80後(バーリンホー)世代を中心に起きていると言うことだ。この背景として、中国の一人っ子政策と、急激な経済的変動でインフレではないが、とりまく社会環境、教育環境が日々劇的に進化しているということがあるらしい。そうした中で彼/女等は、日劇を現実のこととは受け止めてはいなけれども、ライフスタイルのインデックスとして実生活に取り入れ、消費しているということらしい。まぁ、日本をアイテムにする、というのは一部分ではあるのだろうが、伝播の仕方として、例えば、日本だと東京発で日本全国に広がるような環境を、中国だと香港発で中国全土の新中間層に広がるというようにイメージしているのだが。これは、ネットの発達とテレビメディアの多様化が中国のほうが日本よりも先鋭化しているからだと思うのだけれど。ここで期待の一端として、彼/女等が実際に上部の地位につけば、と思ってしまうのだが、政治的な意識が低いサンプルなのか、実際そうなのかわからないけれども、中国もある意味新富裕層の子女たちは政治離れしているように見える。まぁ、つっこんで書くのもくたびれるので止めときますが、サブカルはすでにつねに国境を越えるものであり、実際あらゆるかたちで越境伝播していて、ただ、近しいというだけで、アジア諸国それぞれの国においては多様なかたちで消費のされかたをしているということである。故に、ナショナリズムにおいても温度差はあるが、ひとつの共感性としてサブカルが基底的な役割を担っているのでは、ということである。

グゥーーーー


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