映画ずきのしんちゃんさんのブログ

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戻りの岐路?

週末の日経平均は19691.47(+45.23)。29日に北朝鮮のミサイル発射を受けて19280まで下げ、200日線を割り込んだが、それを底に反発、5日線を抜けて25日線を一時上抜けたが押し返されてわずかに割り込んだ形。一目均衡表でも、転換線を上抜けたが、雲の下、基準線19728のところでぴたりと止まっている。MACDはプラスに転じ、パラボリックも上昇に転じ、モメンタムもゼロラインに近づいている。日足は25日線、基準線の攻防で、目先上昇に転じられるかどうか、の岐路にある。


一方週足は、見事に下を基準線19271に支えられ上を転換線19740に抑えられた形。パラボリックは下向き、MACDはマイナスで底這い、シグナルもマイナスに沈みそうになっている。DMIはマイナスが優勢だが、ADXは低下しつつある。モメンタムはマイナスだが底打ち、ボリンジャーはバンドが狭まって方向の転換を示唆している。下降方向にひっぱられているが、上下にひげを出して決めあぐねている様相である。


月足も雲の上、基準線の上だが転換線まで落ちてそこで支えられた形。パラボリックは上向きモメンタムも上向きであるが、MACDは2016年6月以来の上昇がピークアウトしつつありADXは低下を続けているので、長期上昇局面が終わるそうになっていることを示唆しているようにみえる。


ドル円は110.26(+0.28)。日足は、やはり28日のミサイルショックで108.27まで落ちたが、その後転換線、基準線を回復。パラボリックも陽転。モメンタムはゼロラインへと上昇。ただし基準線は下向きで、雲の下にあり、MACDは底這いから頭をもたげているが、まだマイナス。DMIはマイナスとプラスが拮抗している。どんどんドルが上昇するという兆候ではないようだ。


ドル円週足は一時雲の下限を割ったが、切り返した。とはいえ依然雲の中、基準線、転換線の下で、MACDはマイナス。モメンタムは上昇してゼロに近づいているがDMIIはマイナスが優勢でパラボリックも下降でSARは113.89とはるか上にある。週足の形状は、反発したがなお下に引っ張る力が強く、雲の下限をめぐる攻防が続いているという印象だ。


ドル足月足は雲の中、基準線、転換線の下にあり、パラボリックはなお上昇している、MACDはわずかにマイナスに沈みつつある。モメンタムもプラスだがピークアウト。DMIもマイナスが優勢に転換。下降局面にはいりつつあり、遅行線が基準線とからむところで攻防しているというところと思われる。



アメリカの経済指標は、良いものもあってまだら模様であるが、肝心の雇用統計は予想を下回り、インフレもさえない。金余りを背景にしてダウは依然強気で飛ばしているが、アメリカの10年国債の利回りは2.119まで低下してきており、少なくとも債券市場は、景気の先行きを楽観しているとは思えない。直近ではドル円とアメリカ10年債の利回りとの相関がやや緩くなっており、アメリカの10年債の金利低下にドル円は十分反応していないようにみえるが、両者の相関は強いので、早晩修正がはいるのではないかと懸念される。


一方政治に目を移すと北朝鮮の地政学的リスクは、決してなくなっていない。北朝鮮は間もなく、アメリカを核攻撃できる能力をもつと思われ、アメリカはそれを受け入れるかどうかの決断を迫られる。今の状況では、経済制裁だけで北朝鮮が姿勢を変える可能性は低い。核実験や太平洋へのミサイル発射が続けばアメリカはなんらかの軍事的な示威行動を余儀なくされ、緊張はいやがうえにも高まるであろう。しかし一方アメリカが北朝鮮の核を受け入れることになれば、日本や韓国は核武装への道を歩み始めようとするかもしれず、地域の軍事的緊張は結局さらに高まることになる危険もある。


アメリカの内政も、債務上限問題や予算をめぐって見通しが立ちにくい。トランプ大統領はなんとか減税をものにしたいところだが、財源のめどがなく、インフラ投資やメキシコとの壁に至っては、手がかりも乏しい状況だ。債務上限はなんとか共和党主流との折り合いはをつけると思われるがハリケーンの被害の救済も重荷になりそうでトランプの経済政策のほとんどは宙に浮きそうな気配である。


北朝鮮の地政学的リスクが高まると、海外投資の手じまいから円の買戻しが起こるという論理が本当なのかどうかは不明だが、おそらく全面戦争にならない限り、リスクオフの円高傾向は変わらないだろう。他方トランプ政権の経済政策が停滞することで、アメリカ経済の先行きにも影がさし、記録的な長期に続く景気拡大にもかげりがでてくる可能性があり、これもアメリカの10年債の金利の底這いを媒介として、ドル円レートを押し下げ、円高に向かう圧力をもたらす。日銀のETF買いが下支えになっていると思われるが、それがいつまで続くか、気なるところである。


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