映画ずきのしんちゃんさんのブログ

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ドル円、週足基準線をついに割り込む

久しぶりにマーケットにコメントすることにした。4月13日の日経平均は18426.84(-125.77)と下げたが、さらに注目したいのはドル円で108.95(-0.08)と109円台の節目を切ってきた。日経平均は先週に直近安値をわりこんで下落局面に入ったが、ドル円はすでに3月末に安値を割り込み、雲の上限も割り込んでいたが、ついに基準線を切ってきた。基準線を割ったため、ドル円は最悪の場合、26週前の出発点であった103-4円まで落ちてくる可能性すらでてきた。こうなると、輸出企業の想定為替レート(108円)も保てなくなるので、企業の採算も怪しくなってくる。


トランプ氏が、ウオールストリートジャーナルでドル高を懸念、低金利を求める発言をしたことがきっかけになっているが、これは一連の保護主義的発言ーアメリカファーストの方針が、やはり為替や金利政策に明確に及んでくることを示した。これに加え、シリアへのミサイル攻撃、北朝鮮への空母派遣などで、トランプの好戦的な姿勢が鮮明になり、恐怖指数も上昇、リスク回避の動きが起き、ドル売り円の買戻しの動きが起きているのではないか、と思われる。


トランプラリーというのをどうも信じられず、遠くから眺めてきたがやはり、そもそも過大な期待に基づいていたのではないか、政治リスクを十分織り込んできていなかったのではないか、と思えて仕方がない。まず保護主義を掲げているのに、トランプがドル高を放置するはずはない。必ず力づくでドル高是正をするはずだろう。一方大規模なインフラ投資とか、減税とか言っているものの、オバマケアの対処で暴露されたようにトランプは議会をコントロールできているわけではないから、財政緊縮路線の共和党を動かす現実味は乏しい。一方内政では失策続きであるため、素人っぽい大統領が外交軍事で点を稼ぐ方向に意欲を向けるのはありうる話である。だが素人が凶器を振り回すと、たとえ人気がでたとしても、思いもかけない危険が伴うことになりかねない。


どこがポイントになるか。経済指標では、ドル高是正がどの水準までいくのか、ドル円が月足の転換線、雲の上の109円を維持できるかどうか、が最大の見どころだろう。ただ、モメンタムは月足でも明確に落ちてきており、油断できない状況だ。外交軍事的には、シリア情勢が落ち着くかどうか、アメリカの空母が北朝鮮の近くから離れられるかどうかが問われる。解決の出口が見えなければ、リスク回避が高まってゆく可能性は否定できまい。
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