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週末まとめ -7/26/2008-

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1週間のまとめを書いてみます。

★アメリカ
週間では、ダウは-1.09%、ナスダック指数は+1.22%、S&P500は-0.23%でした。水曜日までは先週の上昇の勢いを引き継いでじわじわ上がりましたが、木曜に住宅・雇用関連の経済指標が悪かったことから大幅安。金曜はその日発表された経済指標が良かったためある程度戻して一週間が終わりました。今週前半までにSECの空売り規制に伴う買い戻しが一巡した感じで、その後は経済指標が市場予想を上回るかどうかでドカンドカンとボラの高い動きになっています。金融株も個別では特に材料が無くても、一日で5%、10%動く銘柄が多く、落ち着かない展開が続いています。金融機関の決算は、サブプライムローン以外でもオルトAやプライムローンの延滞率が上がってきて、クレジットカードローンもおかしくなってきているみたいで、米経済の先行きの暗さを示しているようです。金曜に発表されていた2Qのforeclosure数も増えています。住宅市場は、新築住宅販売が予想より上といっても、中古住宅のマーケットの方がはるかに大きいので、中古住宅市場がどうにかならないとダメだと思います。
株式市場は、原油価格が引き続き下がっているのでそれを好感して上げていく可能性もありますが、しばらくの間は経済指標を見ながらの一喜一憂相場だと思います。今週は、雇用統計、2QGDP速報、ISM製造業景況指数と重要指標の発表が相次ぐので、週の前半は様子見で揉み合い、週の後半に乱高下、という展開が予想されます。

住宅関連の法案は、下院、上院で可決され、週明けにもブッシュ大統領が署名し成立するようです。法案の内容は、ファニーメイ、フレディマックの財務がまずくなった時に、財務省が株式取得を行い出資をすることが可能(公的資金の注入)、ファニーメイ、フレディマック向けの融資枠を拡大、返済が行き詰った住宅ローンを対象に米連邦住宅管理局が最大3000億ドルの借り換え支援、初めて住宅を購入する人に対し最大7500ドルの税控除、などです。住宅市場を反転させるカンフル剤というよりも、急激に悪化することを防ぐためのショックアブソーバーといった内容のようです。


★日本
週間では、日経平均は+4.15%、TOPIXは+3.67%の上昇でした。先物主導で一気に上がりました。それまで先物主導で下げていたので、それが巻き戻されただけ、と見ることも出来ます。円売り圧力が強いので日経平均は上がりやすいです。個別では、原油安に伴い商社や石油・鉱業などの資源関連のパフォーマンスの悪さが目につきました。今週は日本の企業も4-6月期の決算発表が本格化します。保有株の決算発表日は要チェックですね。

先週はマンション分譲、不動産流動化を手掛けるゼファーが倒産、今週はマンション建設を主体とする三平建設が倒産と、不動産、建設業界(特にマンション関連)は相当厳しいようです。

6月CPIが発表されたので、インフレについて少し書きます。先進国の物価動向についての私の認識は、「discretionaryなモノはデフレ、stapleなモノはインフレ。」です。賃金が増えない中でstapleなモノがインフレになって可処分所得が減るから、discretionaryなモノが買えなくなってそれらはデフレになる、って面もありますね。先進国が停滞する中で新興国が台頭する、それに伴い先進国のミドルクラスは徐々に貧しくなっていく、この流れの中で顕在化している現象の一つであると思います。国家間の格差が縮まっていくこと-グローバリゼーションが2003年以降のゴルディロックス経済のドライバーだったのですが、この格差が縮まってくればそこから発生するパワーも小さくなっていきますし、両者の環境も近いものになっていきます。今後の世界経済の発展の仕方はどういう形になるのか?それを模索しているのが現在であると思います。


★為替
円が相変わらず弱いです。株安で一時的に円高に行ってもすぐに円安に戻ります。ユーロドルはややドル高進行。思ったよりもドルが売られない印象です。


★商品
原油価格はジリジリと下がってきています。高値から下がったとは言え、水準自体は高いです。まあでも、投資家の心理としては、コモディティも買えないな・・・という雰囲気になってきている感じはします。
原油や各種エネルギー、環境関連などについて、以下のレポートが素晴らしい内容なので、興味のある方は読んでみると面白いと思います。
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2008/index.htm


★今週の予定

28日(月)
 ロウズ、ベライゾンなど決算発表
29日(火)
 6月失業率(日)
 7月消費者信頼感指数(米)
 5月S&Pケース・シラー住宅価格指数(米)
 GM、USスチールなど決算発表
30日(水)
 6月鉱工業生産・速報(日)
 7月ADP全国雇用者数(米)
 スタバ、ディズニーなど決算発表
31日(木)
 第2四半期GDP・速報値(米)
 第2四半期個人消費・速報値(米)
 週間新規失業保険申請件数(米)
 7月シカゴ購買部協会景気指数(米)
 マスターカード、エクソンモービルなど決算発表
1日(金)
 雇用統計(米)
 7月ISM製造業景況指数(米)
 6月建設支出(米)
 サンマイクロ、シェブロンなど決算発表
 
2件のコメントがあります
  • イメージ
    socialcolorさん
    2008/7/27 10:16
    NGTNさん

    こんにちは。
    簡潔で解りやすい日記、ありがとうございます。
    いつも参考にさせて頂いてます。

    >住宅関連の法案は、下院、上院で可決され、週明けにもブッシュ大統領が署名し成立するようです。

    この関係で週明けの米国市場は、堅調に推移するのかもしれませんが、良くも悪くも自由の国、アメリカがこのようなある意味、特定の個人支援策を、次々打ち出さなければならない状況をみるにつけ、逆に今後の先行きは相当暗いのではと。

    >今週は日本の企業も4-6月期の決算発表が本格化します。保有株の決算発表日は要チェックですね。

    私は、現在の自分の会社の業績から推測して、市場の予想より相当悪いものになると考えています。よって、週初めに上記のニュースで日経平均が上昇するようであれば、持ち株を一旦手じまいして、ショートポジションを取りたいと思うのですが、NGTNさんは、どのようにお考えでしょうか?
    (もちろん投資は自己責任で行いますのでNGTNさんにご迷惑はおかけしませんので、ご心配なさらず。)
  • イメージ
    NGTNさん
    2008/7/27 16:18
    socialcolorさん、

    住宅関連の法案は、民間の問題を国家の財政の問題に移すという行為であって、どこからかお金が沸いてくるわけでもないので、アメリカは苦しい時期が続くでしょうね。

    企業業績は、その会社の業態によって原材料高の影響がどれだけ響いてくるか、外需か内需かによって変わってくると思います。外需だったら、アメリカ向けがメインのところは厳しいでしょうし、欧州向けもちょっとまずくなってきているようですし、好調なのは新興国のミドルクラスの消費者向けくらい、といったところだと思います。内需も、高級耐久財はダメ、不動産・建設関連はダメ、ディスカウント品・バリュー品などデフレに強い業種はOK、といった感じでまだら模様なので、保有株がどこの市場で勝負をしてインプットコストはどの程度影響しそうか、といった観点で見ると業績予想の精度が上がると思います。

    短期的な相場の動きは、私は横かやや上と思っています。それとは別にして、トレーディングの方法としては、いきなりドテン売りは難しいので、よくわからなかったら全部手仕舞いしてノーポジ、もしくは半分売却、とかの方が良いと思います。マーケットに継続的に関わってトレーディングしていきたいなら、つなぎ売りを1:1で入れるか半分入れるかするってのも良いやり方だと思います。もちろん裸で空売りを入れた方が、成功した時の利益は大きいので、狙ってみるのもアリだとは思います。
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