景気は政権支持率に直結する。
ところが、日銀の緩和不足(もしくは従来型緩和政策の効果不全)により景気はなかなか上がっていかない。 そのうえ、安保法制へのデマ批判で政権支持率は落ちている
(ワンフレーズで分かりやすく安保を語れていない。ワンフレーズならば説明機会が無くても
幾らでも言えるのに、、(--; 「同盟無くして軍事大国からの防衛困難」「集団安保無
くば同盟空洞化」等々、国民にすぐ響くワンフレーズを繰り返すこと)
安保ネタは早晩、法案可決で終息するが、そこから支持率を上げ、選挙に確実に勝つには景気の速やかな上昇が不可欠。
ところが、そのための金融緩和がこれまで同様、後出し、過小では景気の早急な浮揚は無理。
財政支出拡大で景気を早急に上げていく必要がある。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この財政支出拡大は、従来型の公共事業ではいけない。
それではリーマン後の中国同様、巨額不良債権と財政悪化(中国の地方政府と同様)を生ず。
それでは1990年代の日本の経済失政の焼き直しでもある。
そうなるのは、財政支出に、役所経由の公共事業、市場原理が効かない公共事業を使うからである。
市場原理が働く消費者経由で財政支出拡大を行うべきである。
具体的には、消費期限付き金券(換金不可)の配布。
これは、リーマンショック直後に米国が取った方策と同じで前例がある。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この方策では財政支出が直ぐに消費増大、景気浮揚、税収増大になるので、財政が痛まない。
市場原理が働く消費者経由なので、潜在成長率の低下、財政破たん(デフォルト)確率の増大にもつながらない。
財源を国債発行で賄えば(これ重要!)、通貨供給も直に確実に増やせるので、円安=国内生産競争力の向上=経済空洞化の反転=地方経済・中小企業の復活、も速やかに進む
(円安では物価上昇以上に海外シフトの反転効果が大きく、景気浮揚、所得上昇になる。円安が効く
のは輸出産業でなく、国内産業全般である。 マスコミ、官僚のデマに騙されてはいけないし、マ
スコミがいくらデマっても、景気浮揚、所得上昇になってしまえば支持率は上がる)
今の金融緩和政策は銀行経由、国債市場経由なので、いくら日銀が通貨発行しても、銀行がダムになって市中に通貨が流れてこない、景気がなかなか上昇しないが、政府のクーポン発行ならばそれがない。
比較的、少額で多大な金融緩和効果を持つので効率が良く、この点からも事後のデフォルトリスクを減らせる。
また、国債発行で累積国債発行額を増やせば、事後の(通常の)銀行経由の金融緩和政策も楽になる。
中国の巨額緩和に対抗する為の(国内経済空洞化を防ぐための)金融緩和規模は巨大になるので、累積国債発行額の増大は非常に重要である。
なので、クーポン配布で膨らんだ税収は当面、借金返済に回さず、政府資産としてストックしておくほうが良い。
こうしておけば、累積国債発行額が大きくても、政府資産も大きくなり、財政の信認は実質的に痛まない。
マスコミの借金増大批判には、純債務(=借金ー資産)は小さく問題ない、と答えればいい。 これも景気が誰の目にも明らかに浮揚してしまえば、忘れ去られる批判である(経済好調ならば財政信認は高まるので)
結局、この政策は、日銀がサボっている金融政策を政府が肩代わりする政策(もしくは、不況長期化のため銀行経由で効かなくなった金融政策の効果を回復する政策)であり、財政政策でなく、金融政策の一環(バージョンアップ)である。
日銀がいくらサボろうと、政府主導で出来るので、政治的ハードルは限りなく低く導入容易。
こういう政策を取っても、日銀が金融緩和(国債購入)を控えめしてる間は、追加緩和をしない間は、財政ファイナンスとして批判されないし、あっても反論容易である。
日銀が追加緩和に積極的になったならば、クーポン配布を控えればよく、金融緩和をサボりがちな日銀官僚(実質、財務官僚)の尻叩きにも利用できる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
クーポン配布は、公共事業と違い、マスコミ批判にさらされにくい。
金融緩和不足の痛みが激しい地方、弱者に多めに配布すれば、マスコミ、野党の批判をさらに封じられる。 彼らは弱者が痛む改革とアベノミクスを批判してきたわけだから、批判しようがない。 批判すれば自己矛盾、馬鹿をさらすだけになる。
また、クーポンを多めに配布する地域は地方なので、自民内造反組の懐柔にも使える。
クーポン配布は選挙に直に有利になるので、自民党内の多数派工作、造反組冷遇も完璧に行える。
マスコミがそれを突いても、経済効果、弱者救済を考えてそうしたと言い続ければいい。
景気浮揚が誰の目にも明白化してしまえば、そういうミクロな政権批判は忘れ去られる。
クーポン配布の目的は、弱者救済であり経済対策であると「だけ」言い続けること、、、これもこの政策を行ううえで重要なポイント
ばらまき政策批判にはそういう風にだけ答え続けること。
この手の批判も景気が目に見えて上がれば忘れ去られる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この政策のデメリットはやりすぎるとバブルになること。
だから、政府はインフレ率と資産価格(株価)への監視を強める必要がある。
バブル化しないようにコアコアインフレ率2%、日経平均PER20倍を目安にすること。
(コアコアインフレ率=消費・景気と無関係に変動しやすい石油価格、エネルギー価格や食料品
の価格を除いたインフレ率=景気水準を精度よく反映するインフレ率)
一方、日本の不動産市場は株式市場との連動性が高いので、あまり監視する必要はない(1990バブル時もそう)
日本は金融市場の多様性がないので、資産バブルは概ね日経平均で監視できる。
派生金融商品の市場が未発達なので、米国のサブプライムのようなことは現状では起きにくい。
それらのウオッチは、景気上昇が5年、10年と長期化してからの課題である。
インフレ率2%、日経PER20倍に調整されてるならば、リスク選好度も過度には上がりにくいので、派生金融商品市場の発達、拡大はかなり先になるだろう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
安保ネタ終息後は、マスコミも汚職批判、失言批判での政権叩き、政権潰しにカジを切るだろう。
政権内から失言、汚職リスクのある議員を徹底排除すべきで、代わりの議員は無能でも官僚丸投げでも構わない。
失点の種を除き、景気浮揚にだけ政権の全勢力を集中すべきである。
失点(自爆テロ)の芽を効果的に摘むためには、自爆テロリストを孤立化させるためには、多数派工作や造反組の懐柔が不可欠。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
以上の政策は、実は単なる国内政局向けでなく、世界経済のパラダイムシフトに対応したものでもある。
その詳細はここに書きました→ ★間接投資経路の金融政策は機能不全(財政ファイナンス)
米国の経済学者には財政支出拡大を唱える向きもあるが(クルーグマン、サマーズだったと思う、たしか)、それが金融政策のバージョンアップとして行われるならば合理的でしょう。