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漫画家・弘兼憲史さん

時間管理術――締め切り、小刻みに設定、つべこべ言わずやってみる(キャリアアップ)2014/06/24  日本経済新聞 朝刊  31ページ  1868文字  書誌情報段取り力、軽い仕事から着手 ビジネスの第一線で活躍する成功者たちは皆、仕事が速い。普通の人の2倍も3倍も多い仕事量を、限られた時間の中でいかに片づけているのか。「島耕作」シリーズの生みの親、弘兼憲史さんにタイムマネジメントの秘訣を聞いた。 僕自身が漫画家になる夢を果たし、ここまで走り続けることができたのは、日々「目の前のことを一生懸命やる」ことに集中してきた、これに尽きると思っています。 漫画家としてのプライドをかけて死守してきたのは締め切りです。締め切りを落とすのは契約違反、社会人として失格。僕が編集者なら才能があっても締め切りを落とす人間は使いません。 だから僕はひたすら「締め切りを守るために必死で頑張る」ことを繰り返してきました。毎週、必死に自転車をこぎ、気づいたら今に至っていたというのが実感です。 背景以外の「ストーリー作り、構成、コマ割り、ペン入れ、人物描き」などはほぼ全て自分で行います。カラー原稿だとモノクロより締め切りが前倒しになりますから、違う漫画を2本同時進行することもあります。当然、締め切りは守らなくてはならない。そこで僕は「小さな締め切り」を自分で決めるんです。 そのページがどのぐらいで終えられそうか目安を立てて、原稿の右上にやり終える目標時間を小さく書き込みます。例えば今3時で、取りかかっているページが1時間で終わりそうなら「4時」、次のページは「4時45分」、その次は「6時」、というように。自分で設けた締め切りを守るという目標に集中するのです。自分で締め切りを設定することで、ゲーム感覚が生まれ、やる気を高めることができる。 そうやって夜中の2時まで予定を組んでおき、例えば5時15分の締め切りが5時に終わったら、15分間、そこで息抜きをすることにしています。 こんな生活を続けるうちに何かしら経験が積み重なっていく。目の前のことを一生懸命やり続けることで経験値が積み上がり、仕事の質も高めていけるのではないかと思っています。 「つべこべ言わずやってみる」ことも大切です。まとまった量の仕事を引き受けた時、全ページの構成が練り切れてない段階でも、まず「手を着ける」ことが大切だと思っています。最初の4ページの構成しか固まっていなくてもとにかく始める。手を動かすうちに「残りのページはこうしよう」とアイデアが湧いてくることがあるんです。 日本人は「じっくり考え、きっちり決めてから行動したい」「全てが整ってからスタートしたい」という傾向が強いのかもしれません。しかし、整うまで待っていては後れを取るばかり。仕事に手をつける時、条件が完璧に整うことなんてまず、あり得ません。 世の中「やってみないと分からない」ことばかりです。成功している経営者も「じっくり考えてから行動する人」より「走りながら考える人」「とりあえず動いてから考える人」が多いと思いませんか? あれこれ考える前にまず一歩踏み出す。失敗もするでしょうが、結果として大きな成功に近づくことができる。うまくいかなかったらすぐにやめればいい。あるいは修正すればいいと思います。 「段取り力」も重要です。その日やるべきことが10ある場合、どこから手を着けるか悩むところです。そんな時、それぞれの仕事の負荷を考えます。例えば、重たい仕事が3つ、軽い仕事が7つある場合、重い3つから着手すると時間を食い、軽い7つをやる時間がなくなるかもしれません。僕の場合、請求書を書いたりメールに返信するなどの軽い仕事から始め、作業を進めつつ頭の片隅で重たい仕事のことを考えるようにしています。 実社会でも仕事ができる人には優先順位を判断する「段取り力」があります。物事を効率的に的確に進めるには、次に起こり得ることを常に想定し、計画的に物事を進めることが要求されます。 人に何か調べてもらいたいなら、「その人が調べる時間を十分確保する」という発想が生まれます。すぐ着手してもらいたいなら「メールではなく電話で伝える」という工夫が必要になるかもしれません。段取りがうまい人は、気配りも上手。だから自然と周囲に信頼され、結果として出世していくものです。(談) この記事は日経ビジネスアソシエ編集部の寄稿です。アソシエは7月号で紙面を大幅に刷新、3本の特集記事のほか、15本の新連載もスタートしています。巻頭特集「仕事が速い人×仕事が遅い人はどこが違うのか」では、仕事が速い人の習慣や時間管理のコツ、整理術など成果を上げている人の仕事術を詳しく紹介しています。
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