個人投資家は空売りが上手いのか

Abe_Reiji-2013さん


私はその文章を直接読んでいないのだが、「日本の個人投資家は空売りが上手いから、この間の暴落で稼いだ」という説を唱える人がいるらしい。

 

本当なら痛快な話だと思って調べてみたら、少々眉唾な話のようだ。

 

東証が発表している3市場信用取引残高 (一般信用と制度信用の合計)というデータがあるのだか、これは毎週その前の週末時点での信用売りと信用買いの残高を集計したものとなっている。

 

それを見る限り、日本人の個人投資家の信用売りは5月10日の時点から毎週減少し続けているのだから、暴落の起きる前に急上昇に耐えられずに空売りを解消したいわゆる踏み上げ状態に追い込まれた売り方の個人投資家が多かったと見るほうが正しいだろう。

 

また、黒田バズーカ砲が発射されて株価が急上昇し始めた週の週末である4月5日には前週末より信用売りは131億円の増加、その上昇が続いていた翌週末の4月12日も511億円の増加となった後、急上昇に耐えられなかったのか、4月19日は516.5億円の減少となっている。

 

その後も上昇しているのに下げることを想定して4月26日はまた275.3億円の増加となった、上昇が続いた為か5月2日には130億円の減少となっていてここでも買い戻して決済するいわゆる踏み上げをしたと思われる増加と減少が起こっている。

 

それでも懲りなかったのか5月10日にはなんと718.9億円も増加しているのだが5月17日には294.4億円の減少とこの辺りまでは間違いなく踏み上げによる空売りの減少と見て良いだろう。

 

そして5月24日には837.4億円の減少となっているのだが、この週の木曜日の5月23日の前場まで相場の上昇が続いていたことや、5月23日の暴落があってもよほど近い時期の高値だった時に仕込んだもの以外は利益が出るほど暴落していなかったことを考えるとこの週の減少はほとんどが23日前場前の上昇に耐えられなかった踏み上げと見るのが自然だろう。

 

その後の5月31日の175.6億円の増加はその後の続落振りを考えると翌週に決済しても利益が出ると思われるが、6月7日の338.7億円の減少は本当に全てが利益を出しての買戻しだったのだろうか。

 

3月29日の時点で5,394億円の信用売り残があったことを考えると、この間の上昇で損し続けていた空売りの売り方が下げてようやく損をせずに買戻しが出来るようになってようやく買い戻したケースもあると思えてならない。

 

また、アベバブルが始まった12月後半の最初の週末の2012年12月21日に6,064億円だったから売りが12月28日に430.3億円減少したのは早めに損切りした人がいたのではないかと思われる。

 

ところが2013年1月に入ると1月11日に326.9億円の増加、1月18日に176.6の増加となって6,137億円となり再び6000億円を突破し、その後も増減を繰り返しつつも3月8日に6,351億円で一旦ピークを付けているのだ。

 

この間の相場の上昇を考えるとどう考えてもこの間の空売りが全体としては儲かっていたとは考え難いのである。

 

さすがに3月29日に5,394億円まで減少したのだか、その後も黒田バズーカ砲の急上昇が起きたところで空売りしてしまっており、その後の上昇相場の持続を考えると儲かっていないのは先に述べたとおりである。

 

 

この様に考えていくと、今年のアベバブルの時期にはやはり個人投資家で空売りを行った人は大半が損していると見て良いだろう。

 

最近の暴落で最も下がったところでも日経平均が12,000円を割り込まなかったのだから、現時点でも含み損を抱えた信用売り残も大いに違いない。

 

こういう風にデータを見ていく限り、日本の個人投資家の空売りは決して上手くないのが平均であり、少なくとも今年前半は大損となったと考えるのが適切だろう。

 

残念ながら、日本人の個人投資家がこの間の暴落を利用して空売りで稼いだ・・・というのはごく一部の例外に留まると見たほうが良さそうである。

 

 

念のため、下記に昨年12月以降のデータを記載しておきます。

 

3市場信用取引残高 (一般信用と制度信用の合計)

株数単位/百万株 金額単位/億円 

  申込日  株数  前週比  金額  前週比

2013/06/14  611  -23.23  4,243  -184.60

2013/06/07  634  -91.90  4,427  -775.56

2013/05/31  725  -2.90  5,202  -50.50

2013/05/24  728  -125.30  5,253  -837.40

2013/05/17  854  -45.40  6,090  -294.40

2013/05/10  899  +17.30  6,385  +718.90

2013/05/02  882  -22.40  5,666  -130.00

2013/04/26  904  -3.90  5,796  +275.30

2013/04/19  908  -55.40  5,521  -516.50

2013/04/12  964  +48.50  6,037  +511.60

2013/04/05  915  -16.10  5,526  +131.00

2013/03/29  931  -29.20  5,394  -280.90

2013/03/22  960  -55.70  5,675  -472.90

2013/03/15  1,016  -27.30  6,148  -202.80

2013/03/08  1,044  -20.90  6,351  +259.50

2013/03/01  1,064  +6.10  6,092  +59.80

2013/02/22  1,058  +33.50  6,032  +323.90

2013/02/15  1,025  -48.90  5,708  -253.00

2013/02/08  1,074  -53.80  5,961  -140.20

2013/02/01  1,128  -25.40  6,101  +10.70

2013/01/25  1,153  -21.70  6,090  -46.80

2013/01/18  1,175  +48.60  6,137  +176.60

2013/01/11  1,126  +57.10  5,961  +326.90

2012/12/28  1,069  -83.30  5,634  -430.30

2012/12/21  1,152  -2.00  6,064  +55.70

2012/12/14  1,154  -17.70  6,008  +58.30

2012/12/07  1,172  +56.80  5,950  +176.10

13件のコメントがあります
1~13件 / 全13件

やまぶき~さん、ikechandesuさん、おはようございます。

 

お2人ともなかなか上手にリスクコントロールしながら、空売りしておられるのですね!

 

私も見習って、下げの時にもきちんと利益を上げていって、底値からの戻りの時にもっと沢山買えるように資金を府や佐奈といけないな~と思いました。

 

下がったら徹底的に売り尽くす・・・というのは、下げに転じた後に、しばらく下げモードが続く傾向があるから、やはりそれを利用されているのですね。

 

下げ傾向に転じたら、それを利用しつくすことも収益を上げていく上で大事なのだと改めて感じました。

 

やっぱり、実践している人の話は勉強になりますね・・・有難うございます!

おはようございます。^^

 

ikechandesu さんは利大損小ですね。

 

私は予想ができないので、倒産しない会社を選んで、

逆張り取引をしています。

また張り付かないで、前場が始まる前の予約注文をして、

時々後場が始まる前にも指値注文をしています。

自分の生活ペースに合わせたやり方です。^^

おはようございます

 

ある時点だけで考えずに・・・と思います。

 

負けた分は、利子をつけて取り返す。

空売り、しかけて、はずれたら、損切りし、

また、空売りする。

 

下がらない株は無い(上がり続ける株は無い)ので、

下がったら、徹底的に売りつくす、

 

そんな人たちが、空売りしてると思います。

レベルの低い私ですら、

負けは、2週間くらいで取り戻してますから。

 

 

 

こんばんは!

 

なるほどね…手数料節約は投資の収益や投資の元手となる資金の維持に役立つから色々と工夫した方が良いですね。

 

リスクを減らしながら、売り買いをする辺りはプロはだしですね!

 

これからもどんどん手口を教えて下さいね…

あの~ その~

私が実際に行ったことを記します。

 

ある銘柄を昨年の11月に買い終えました。

信用取引で買いました。手数料が安くなるからです。

レバレッジ1倍で、支払利息は1日分だけ、

その日のうちに現引取引をしました。

 

4月下旬から売り始めました。利益確定です。

リスクはまったく無しです。

 

ごめんなさ~い

やまぶき~さん、こんばんは!

 

なるほどね…無理せず、現物株並みの1倍で、かつ毎日小まめに買い上がっていったのですね。

 

それなら、予想を外して上昇し続けてもその日の日中値幅分の上昇が損失の最大値になるから、過大なリスクになりませんね。

 

勉強になります!

こんにちは。^^

 

私の空売りは現物売りと同じです。

レバレッジ1倍で、信用取引貸株料は1日分だけです。

経費(手数料)を安くするために実行しています。

 

逆張りで売っていって、(もちろん売り上がり)

最後は天井株価より1円安い値で売りの約定がありました。

そのすぐ後、5月23日の後場で急落が起こりました。

やまぶき~さん、おはようございます。

 

なるほどね…急上昇したところから逆に空売りでしたか。

 

それで成功したなら、それもありなのかな…空売りはその間は売り上がっていったのですか?

 

それとも単に空売りした分をホールドし続けただけで成功したのでしょうか?

 

興味深いですね…

株はがまん☂☃が出来ないさん、Abe_Reiji-2013 さん、おはようございます。

 

>日経平均のピークで空売りするのは今年の急上昇を考えると、個人投資家が

 急落直前の高値水準を判断して行うのはほぼ不可能だったと見るしか無い

 

 今年の急上昇について、ある銘柄は1・2・3月とゆっくり上昇して

 4月下旬に急上昇がありました。

 その日から逆張りで売っていくと、

 日経平均のピークで空売りすることができます。

 それを実際に行いました。少単元ですが。

 空売りしてその日のうちに現渡取引をしました。

おはようございます。

 

日本人の個人投資家は元々圧倒的に信用取引を買いを大きくする道具として利用しているので、そちらは確認するまでもありません。

 

今年は暴落直前まで個人投資家の評価損益がプラスだったのは例外で、最近のマイナス状態は普段の平均的な姿だそうです。

 

そう考えるとこちらは重荷に成るものの、研究対象としては面白みに欠ける筈です。

 

調べるまでもないのでは?

(退会済み)
アベノミクスが、売り方の踏み上げにつながったようですが、もともと日本人は、狩猟民族ではないので売りだけでという人は、少ないと思います。買いは、家だけ、売りは命までとも言われています。最近の売買高を考えると、買い方もかなりの評価益から今は状況が変わってきているのでは、松井証券調べでは、売り方-13.1%、買い方-8.7%
相場の下げで買い方の残状況は、重しになるのでは、参考に買い残状況も研究も載せてみてください

おはようございます。

 

日経平均のピークで空売りするのは今年の急上昇を考えると、個人投資家が急落直前の高値水準を判断して行うのはほぼ不可能だったと見るしか無いでしょう。

 

強いて可能だとすれば5月23日の暴落を受けて、その翌日の5月24日以降で更なる下落を想定して一気に空売りに転じるくらいしか尾も付きません。

 

暴落が続く可能性は過去を見てもありうる話なので、暴落へ流れが変わったと判断してそこから空売りすれば、十分に暴落の利益を取れたのですから、それ位で十分ではないでしょうか?

 

暴落分の全てをとろうとして先回りして空売りし続けた人々が踏み上げで大きな損失を出したのだから、せいぜいこれくらいが限界と思います。

2013/05/24  728  -125.30  5,253  -837.40

2013/05/17  854  -45.40  6,090  -294.40


ここでするにはどうしたらいいの

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