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燃える氷「メタンハイドレート」採掘へ //国産エネルギー

 一見すると氷のように見えますが、火をつけると燃え上がる、次世代の夢の国産エネルギー資源「メタンハイドレート」。世界初の掘削作業がいよいよ始まります。

 大海原に高い鉄塔をそびえたたせて浮かぶ深海掘削船「ちきゅう」。14日、次世代エネルギーとして期待を集める夢の国産エネルギーの採掘作業が愛知県沖で始まろうとしていました。目指すは、「メタンハイドレート」。メタンガスと水が結晶化したものです。

 この結晶が燃えるわけですが、触ると非常に冷たく、これが燃えてガスと水に分解されていきます。プチプチと分解する音が聞こえています。非常に冷たく、臭いはしません。

 燃える氷、「メタンハイドレート」。高圧で低温という永久凍土の地下や、水深500メートル以上の深海の海底で見つかっている天然資源です。

 「メタンハイドレートが日本の海の下に、日本の天然ガス消費量の100年分埋まっていると言われている。まさに夢の資源なんです」(東京大学・増田昌敬准教授)

 メタンハイドレートを20年以上研究する日本の第一人者、東京大学の増田准教授。メタンハイドレートに高い期待を寄せます。

 日本近海で調査が行われた結果、7.4兆立方メートルものメタンハイドレートが埋蔵されていると推定されました。その量は、琵琶湖270杯分。日本近海は、世界でも有数の埋蔵量を誇ります。これを開発できれば、日本は資源大国となるのです。これまでに存在が分かっていながら手を出せなかった天然資源。一体なぜなのでしょうか・・・。

実際に海底2000メートルから掘り出されたメタンハイドレートを含む地層を特別に見せてもらいました。液体窒素で極低温で保存されていたその地層には、小石と混ざっているメタンハイドレートがありました。

 3Dスキャンした赤い部分がメタンハイドレート。固体化しているのです。そのため、石油などと違い掘れば吹き出てくるというものではありません。特殊な掘削方法が必要なのです。

 はじめは熱水により、メタンハイドレートを分解し取り出す方法が考えられました。しかし・・・
 「これはすごい効率が悪い。エネルギーを取り出すのにエネルギーを使うのは効率が悪い」(東京大学・増田昌敬准教授)

 そこで、別の方法が考えられました。メタンハイドレートは、高圧力下で安定しています。まずは、メタンハイドレートの存在する地層まで井戸を掘り、その井戸の底にある水をくみ上げることにより圧力を低下させます。圧力が低下すると、メタンハイドレートは、勝手にメタンガスと水に分解します。そして、発生したメタンガスを回収する「減圧法」が考えられました。

 「海底下にあるメタンハイドレートからメタンだけを取り出して、エネルギーとして有効なものだけを取り出していく」(東京大学・増田昌敬准教授)

 カナダで行われた陸上での実験は、見事に成功。そして今回、「ちきゅう」が堀り進もうとしているのは、愛知県渥美半島沖、水深1000メートルの海底よりさらに200メートルから300メートル下の層。深海掘削船「ちきゅう」の能力なくしては、不可能です。成功すれば世界初のメタンハイレート海洋産出となります。

 「エネルギー資源で困らない国にするってことですよね。メタンハイドレートっていうのは一つの大きな解決になる夢の資源だと思う」(東京大学・増田昌敬准教授)

 170億円が投じられる国家プロジェクトは果たして・・・。石油天然ガス金属鉱物資源機構は、来年1月にメタンガスを回収する試験を行いたいとしています。(14日20:11)

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