あおぞら郵船さんのブログ

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5/19 新型インフルエンザに見る製薬会社の社会的重要性

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最近、新型インフルエンザの話題で持ちきりですね。
この科学万能の21世紀にあっても、人類は未だに感染症の脅威を克服することが出来ていないということが良く解りました。
今回の新型インフルエンザの毒性は低いということですが、鳥インフルエンザは猛毒性であり、もし、今回のインフルエンザと鳥インフルエンザの性質を併せ持つインフルエンザが発生した場合、感染者6億人・死者5千万人ともいわれる「スペイン風邪」にも匹敵するほどの未曾有の事態になるという話もあります。
 
ここで登場するのが特効薬の「タミフル」と「リレンザ」。
もしこの2つの製品が存在しなければ、インフルエンザが原因でより多くの死者が出ていたであろうことを考えれば、タミフルを開発したスイスのロシュ社(日本での販売は中外製薬)、リレンザを開発したビオタ社(販売はグラクソ・スミスクライン)の2社に対して、世界中の人々が感謝しないといけない所でしょう。
 
改めて調べた所、通常のインフルエンザによる死亡者は全世界で年間25-50万人にも上り、国内だけで年間の感染者が1000万人、死亡者数は年間1万人にも達するとも言われています。
昨年の交通事故による死亡者数がおよそ6千人でしたから、インフルエンザで死ぬ人は交通事故の2倍近いということになります。
確かに、死因上位から、癌(33万人)、心筋梗塞(17万人)、脳梗塞(12万人)、肺炎(11万人)と比べれば死亡者数は少ないですが、罹患者数では段違いでしょう。 
私自身、一昨年の年末年始に生まれて初めてインフルエンザに罹り、当時は風邪かと思って医者に行かなかった所、連日連夜の咳と悪寒に悩まされ、まともに夜も眠れない有り様でした。あの辛さは二度と体験したくはないですね。
 
ちなみに、インフルエンザ関連銘柄としては、筆頭は「タミフル」を販売している中外製薬。
次に、抗インフルエンザの新薬「T-705」を開発している富山化学工業ですが、富士フィルムによるTOBで上場廃止とのこと。
同じく新薬の「ペラミビル」が臨床試験中の塩野義製薬。
また、マスクを販売しているダイワボウ、シキボウなどがあり、いずれも高騰しています。
 
なお、あのバブル崩壊から半年ほど経ちましたが、半年前に期待していた各社の計画はことごとく破綻を喫していますね。
第一三共のプラスグレルがようやく承認に漕ぎ着けた他は、ことごとく承認延期のオンパレードで、二進も三進も行かないといった状況ですね。
言われ続けてきた「2010年問題」にすでに突入していますが、結局、特効薬を生み出すことはできなかったようです。
各社の決算を見るに、大型買収の甲斐もなく、長期計画の頓挫が明確になった格好で、失望するほかはないですね。
 
今回の新型インフルエンザ問題のおかげで、医療と製薬会社の社会的重要性が再認識され、政府による医療費削減の傾向に歯止めがかかる切っ掛けとなってくれれば、災い転じてとなるかもしれませんね。
 
ちなみに、久しぶりに証券口座を確認したら、今更ながら昨年の配当金が口座に振り込まれていました。
 
・武田薬品 100株 8,184円
・アステラス薬 100株 5,580円
合計13,764円
  
素直にすこぶる嬉しいですね。
「相場で1万円を稼ぐことの難しさ」を経験した今、この配当金の大切さが非常に身に染みます。
今更ですが、配当金こそが株式投資の最後の砦と言っても良いのかもしれませんね。
それを理解してか、アステラスが増配を見込んでいることは流石と言った所でしょうか。 
 
◇製薬各社の新薬申請状況
 
○第一三共
抗血小板剤「プラスグレル」→承認
○アステラス製薬
グラム陽性菌抗生物質「テラバンシン」→米で承認延期、欧州で申請取下げ
抗不整脈薬「バナカラント」→承認延期
免疫抑制剤「FK506」(プログラフ後継薬)→承認延期
※米国での承認審査はすでに3年が経過している。
○武田薬品
高脂血症薬「TAK-475」→開発中止
癌性貧血薬「ヘマタイド」→一部開発中止
 
◇製薬大手による大型買収
 
武田薬品:08年2月、アムジェン日本法人(約900億円)・癌などの抗体医薬
         同4月、ミレニアムファーマ(約8,800億円)・癌などの標的薬
エーザイ:07年12月、MGIファーマ(約3,900億円)・癌領域
アステラス:07年11月、アジェンシス(約390億円)・癌などの抗体医薬
第一三共:08年6月、ランバクシー(約4,950億円)・ジェネリック事業
  
◇製薬各社の2010年問題
 
○アステラス製薬
・プログラフ:2008年4月、米国特許切れ。2009年、欧州特許切れ。2010年、日本特許切れ。
・ハルナール:2009年10月、米国特許切れ。2010年3月、日本特許切れ。
○武田薬品工業
・タケプロン:2009年11月、米国特許切れ。
・アクトス:2011年1月、米国特許切れ。→アクトス合剤が09年5月に承認
○第一三共
・クラビット:2010年12月、米国特許切れ。
○エーザイ
・アリセプト:2010年11月、米国特許切れ。
・パリエット:2013年5月、米国特許切れ。
○ファイザー
・リピトール:2011年11月、米国特許切れ。
 
(参考)日本証券新聞の記事『製薬業界の2010年問題』
  
  
「騒ぎすぎのような気もするね~」




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