中国関連の報道多い中で前日のドル安に調整入る ユーロドル1.13台前半=ロンドン為替概況

著者:MINKABU PRESS
投稿:2021/12/09 21:25
中国関連の報道多い中で前日のドル安に調整入る ユーロドル1.13台前半=ロンドン為替概況

 ロンドン市場は、ドル買いが優勢。前日の海外市場でのドル安の動きに調整が入る形となっている。ユーロドルは1.13台前半でじり安の動きで、1.1310近辺へと軟化。ポンドドルは1.32台挟みから1.3170近辺へと下落。原油安とともに豪ドル/ドルは0.7180台から0.7135付近へと下落している。この日は欧州株や米株先物が軟調に推移しており、円買い圧力も広がっている。ドル円は113.35レベルまで一時下落。ユーロ円は128.30台、ポンド円は149.50台、豪ドル円は81円近辺へと軟化。オミクロン株をめぐる悲観ムードは後退しているが、人権問題をめぐる米中の対立が深刻化している。今日明日と開催される民主主義サミットでは、米国を中心に中国への非難が繰り広げられることが予想されている。また、フィッチは中国恒大と子会社を一部債務不履行に格下げした。ウイグル問題巡り米政府がセンスタイムを投資禁止リスト対象にと報じられた。中国人民銀行が外貨預金準備率の引き上げを発表しており、オフショア人民元が急落した。人民元高を阻止する狙いとみられている。中国関連の報道の多い1日となっている。

 ドル円は113円台半ばでの取引。東京朝方につけた113.81レベルを高値に、その後は売りに押されている。ロンドン序盤には113.35レベルまで安値を広げた。前日NY市場での上昇を戻す動きとなっている。買いが先行した欧州株が下落に転じたほか、米株先物も売りが優勢、NY原油先物は73ドル台を維持できずに72ドル割れへと反落するなどリスク回避的な値動きとなっている。オミクロン株関連の警戒感が一服したものの、米中や米ロなど地政学的なリスク材料が多くなっている。

 ユーロドルは1.13台前半での取引。前日NY市場終盤に1.1350台まで買われたあとは、反落の動きに転じている。ロンドン市場でも上値が重く、1.1310付近へと軟化している。ユーロ円も軟調。129円近辺が重くなり、128.30台へと下落している。対ポンドでは方向性がはっきりとしない。10月のドイツ貿易黒字、経常黒字はいずれも予想を下回った。一部報道によるとECB関係者は、12月会合で一時的かつ限定的なAPP資産購入の増額を議論するという。一方で、4月以降のAPP資産購入規模は、現在のAPPとPEPPの総額からは大幅に減少するとしていた。

 ポンドドルは1.31台後半での取引。東京市場では1.32付近で揉み合っていたが、ロンドン時間に入ると売りに押されている。足元では安値を1.3170近辺へと広げている。ポンド円は150円台割れから149.50近辺へと下落。ユーロポンドは0.8570-90レベルでの振幅。この日は英国関連の経済指標は発表されていない。原油安などが重石となっていた。

minkabu PRESS編集部 松木秀明

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