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安田倉庫のニュース
■要約
安田倉庫<9324>は、2019年12月に創立100周年を迎えた、旧安田財閥系の総合物流企業である。国内外で保管、流通加工、輸配送などの総合物流サービスを展開していることに加え、オフィスビルの賃貸サービスなど不動産事業も行っている。物流拠点や所有不動産が東京や横浜を中心とする好立地にあることが強みで、首都圏を中心に北海道や関西、九州、北陸、そして中国・ASEANまでのネットワークを有する。また、メディカルやITキッティングなど顧客や商品特性に合わせカスタマイズしたソリューションサービスについても非常に特徴的で、強みとなっている。物流事業と不動産事業の2021年3月期第2四半期における事業別営業収益構成比は、物流事業86.3%、不動産事業13.7%であり、物流事業は成長事業、不動産事業は安定収益事業という位置付けになっている。
1. 2022年3月期に営業利益40億円の達成を目指す
同社は次の100年へ向けて、コーポレートスローガン「Logistics, Progress, Borderless.」を制定、新たな技術や事業領域に対して果敢な挑戦を開始した。そのための事業体制の構築と更なる飛躍を目指す「長期ビジョン2030」を策定した。また、長期ビジョンを実現するための中間目標として、中期経営計画「YASDA Next 100」を策定し、2022年3月期には営業収益550億円、営業利益40億円の達成を目指している。物流事業においては物流施設の新設、M&Aやアライアンスなどによる国内外物流拠点の強化、メディカル物流サービスなど高付加価値サービスの拡充により事業基盤を強化、不動産事業では既存施設の稼働率の維持・向上による収益基盤の更なる安定化を推進している。また、ESG経営などのグループ基盤においてはグローバルにわたり合えるグループ経営インフラを確立する方針である。
2. 「YASDA Next 100」基本戦略に基づいたプロジェクト
同社は、2020年6月に東京都江東区東雲に「東雲営業所(東京メディカルロジスティクスセンター)」を開設、同年12月末に同拠点からほど近い東京都江東区辰巳に「東雲営業所 辰巳倉庫(東京メディカルロジスティクスセンターII)」を開設予定であり、メディカル物流のキャパシティ向上を進めている。また、物流事業者として初めて医療機器修理業全区分(特管第一区分~第八区分)の許可を取得し、医療機器の修理業務に参入する。倉庫・物流機能に加えて医療機器の検査・点検・検品・薬事ラベル添付業務、洗浄・廃棄、修理、コールセンター業務、オンライン遠隔監視サービス、AI予兆診断による故障予測適時保守などの高度なサポートサービスを提供し、メディカル物流サービスを拡充する。これらのサービスは医療従事者の業務負荷の軽減にも寄与し、災害やパンデミックなどの緊急時にも医療業務に集中できる環境整備を支援する。一方で、2019年11月には大西運輸(株)を、2020年1月にはオオニシ機工(株)を完全子会社化して北陸3県をカバーすることで、関東や関西、中京地区につながるネットワークを広げている。なお、これらの中期経営計画達成に向けての基盤作りの一環として無担保社債を発行するなど、財務基盤の強化も図っている。
3. 2021年3月期第2四半期は営業利益が期初計画を上回って着地
2021年3月期第2四半期の業績は、営業収益22,868百万円(前年同期比1.8%減)、営業利益1,611百万円(同12.4%減)となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)にもかかわらず業況が想定以上に順調に進捗し、営業利益は期初計画比61.2%増の超過達成となった。これは、新規施設の稼働率向上やグループ全体で取り組むコスト構造改革が寄与した。2021年3月期業績見通しについては、営業収益50,000百万円(前期比7.2%増)、営業利益2,500百万円(同28.0%減)と見込んでいる。コロナ禍再拡大の可能性や辰巳倉庫開設に関わる先行費用の発生などから通期見通しを据え置いているが、第2四半期での営業利益が期初計画を超過したことや、2021年3月期を通じて取引の拡大が図られていることなどを考えると、やや保守的な予想という印象である。
■Key Points
・社歴100年を超える財閥系総合物流企業で、国内から中国・ASEANまでのネットワークを有する
・好立地に加え、メディカル・ITキッティングなどのソリューションサービスに強み
・2021年3月期第2四半期業績は営業利益が期初計画を上回って着地。2022年3月期に営業利益40億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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安田倉庫<9324>は、2019年12月に創立100周年を迎えた、旧安田財閥系の総合物流企業である。国内外で保管、流通加工、輸配送などの総合物流サービスを展開していることに加え、オフィスビルの賃貸サービスなど不動産事業も行っている。物流拠点や所有不動産が東京や横浜を中心とする好立地にあることが強みで、首都圏を中心に北海道や関西、九州、北陸、そして中国・ASEANまでのネットワークを有する。また、メディカルやITキッティングなど顧客や商品特性に合わせカスタマイズしたソリューションサービスについても非常に特徴的で、強みとなっている。物流事業と不動産事業の2021年3月期第2四半期における事業別営業収益構成比は、物流事業86.3%、不動産事業13.7%であり、物流事業は成長事業、不動産事業は安定収益事業という位置付けになっている。
1. 2022年3月期に営業利益40億円の達成を目指す
同社は次の100年へ向けて、コーポレートスローガン「Logistics, Progress, Borderless.」を制定、新たな技術や事業領域に対して果敢な挑戦を開始した。そのための事業体制の構築と更なる飛躍を目指す「長期ビジョン2030」を策定した。また、長期ビジョンを実現するための中間目標として、中期経営計画「YASDA Next 100」を策定し、2022年3月期には営業収益550億円、営業利益40億円の達成を目指している。物流事業においては物流施設の新設、M&Aやアライアンスなどによる国内外物流拠点の強化、メディカル物流サービスなど高付加価値サービスの拡充により事業基盤を強化、不動産事業では既存施設の稼働率の維持・向上による収益基盤の更なる安定化を推進している。また、ESG経営などのグループ基盤においてはグローバルにわたり合えるグループ経営インフラを確立する方針である。
2. 「YASDA Next 100」基本戦略に基づいたプロジェクト
同社は、2020年6月に東京都江東区東雲に「東雲営業所(東京メディカルロジスティクスセンター)」を開設、同年12月末に同拠点からほど近い東京都江東区辰巳に「東雲営業所 辰巳倉庫(東京メディカルロジスティクスセンターII)」を開設予定であり、メディカル物流のキャパシティ向上を進めている。また、物流事業者として初めて医療機器修理業全区分(特管第一区分~第八区分)の許可を取得し、医療機器の修理業務に参入する。倉庫・物流機能に加えて医療機器の検査・点検・検品・薬事ラベル添付業務、洗浄・廃棄、修理、コールセンター業務、オンライン遠隔監視サービス、AI予兆診断による故障予測適時保守などの高度なサポートサービスを提供し、メディカル物流サービスを拡充する。これらのサービスは医療従事者の業務負荷の軽減にも寄与し、災害やパンデミックなどの緊急時にも医療業務に集中できる環境整備を支援する。一方で、2019年11月には大西運輸(株)を、2020年1月にはオオニシ機工(株)を完全子会社化して北陸3県をカバーすることで、関東や関西、中京地区につながるネットワークを広げている。なお、これらの中期経営計画達成に向けての基盤作りの一環として無担保社債を発行するなど、財務基盤の強化も図っている。
3. 2021年3月期第2四半期は営業利益が期初計画を上回って着地
2021年3月期第2四半期の業績は、営業収益22,868百万円(前年同期比1.8%減)、営業利益1,611百万円(同12.4%減)となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)にもかかわらず業況が想定以上に順調に進捗し、営業利益は期初計画比61.2%増の超過達成となった。これは、新規施設の稼働率向上やグループ全体で取り組むコスト構造改革が寄与した。2021年3月期業績見通しについては、営業収益50,000百万円(前期比7.2%増)、営業利益2,500百万円(同28.0%減)と見込んでいる。コロナ禍再拡大の可能性や辰巳倉庫開設に関わる先行費用の発生などから通期見通しを据え置いているが、第2四半期での営業利益が期初計画を超過したことや、2021年3月期を通じて取引の拡大が図られていることなどを考えると、やや保守的な予想という印象である。
■Key Points
・社歴100年を超える財閥系総合物流企業で、国内から中国・ASEANまでのネットワークを有する
・好立地に加え、メディカル・ITキッティングなどのソリューションサービスに強み
・2021年3月期第2四半期業績は営業利益が期初計画を上回って着地。2022年3月期に営業利益40億円を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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