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■今週の相場ポイント
1.日経平均は3週連続で上昇、週間では1000円近く水準切り上げる動きに
2.週明けに大幅高し、その後高値圏で売り物をこなし週末は一段高に買われる
3.米国や中国の重要経済指標発表が相次ぐなかも、ショートカバーが株高誘発
4.FRBによる金融引き締め強化に対する思惑が日替わりで入れ替わる展開に
5.原油価格高騰で米長期金利上昇も、円安の進行が輸出株などにプラスに作用
■週間 市場概況
今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比979円(3.66%)高の2万7761円と急伸、3週連続で上昇した。
今週は米国や中国の重要経済指標が相次ぐなか、東京市場も積極的な買いは入りにくいと思われたが、週明けにショートカバーを絡め日経平均は大幅高をみせ、フシ目の2万7000円大台を突破した。その後は目先筋の売り物をこなしながら高値圏でもみ合い、週末に一段高に買われるなど大きく強気に傾いた週となった。
週明け30日(月)は前週末の米国株市場でNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに大幅高に買われたことを受け、空売りの買い戻しを誘発。日経平均は先物を絡め一時600円を超える急騰をみせる場面があった。大引け時点で全体の84%の銘柄が上昇する買い気の強い展開だった。その反動から31日(火)は利益確定の売りが優勢となったが、日経平均の下げ幅は限定的だった。発表された中国の経済指標を好感し前場はプラス圏で着地したが、後場に売り直され結局安く引けた。名実ともに6月相場入りとなった1日(水)は、再びリスクを取る動きが優勢に。EUがロシア産原油の禁輸で合意し、これにより原油価格が高騰したが、米長期金利上昇を背景に為替市場ではドル高・円安が進み、自動車やハイテクなど輸出株にプラスに働いた。2日(木)は小幅ながら反落。前日発表された米ISM製造業景況感指数が市場予測を上回り、FRBによる金融引き締め強化の思惑が買いを手控えさせる要因となった。ただ1ドル=130円台まで円安が進んだことは、相場の下支え材料となった。なお、全体売買代金は2兆5000億円台で4月25日以来の低水準に。そして週末4日(金)は日経平均が急反発。値がさハイテク株などに買いが入り、2ヵ月ぶりに2万7700円台まで上値を伸ばした。前日発表された米ADP雇用リポートがコンセンサスを下回り、今度は金融引き締め懸念が後退したことで市場センチメントの改善につながった。
■来週のポイント
来週は、内需関連株の底堅さを確認しつつ2万8000円大台の回復も期待できそうだ。ただ、日替わりで取り沙汰される米国のインフレ懸念とメジャーSQによる波乱も想定される。
重要イベントとしては、国内では7日に発表される4月景気動向指数、8日朝に発表される1-3月期GDP改定値、10日のメジャーSQが注目される。海外では7日に発表される米国4月貿易収支、9日に発表される中国5月貿易収支とECB(欧州中央銀行)の政策金利、10日発表の中国5月の消費者物価指数と生産者物価指数、米国5月消費者物価指数に注視が必要だろう。
■日々の動き(5月30日~6月3日)
【↑】 5月30日(月)―― 大幅続伸、米株高を受けリスク選好の買い継続
日経平均 27369.43( +587.75) 売買高16億8174万株 売買代金 4兆3018億円
【↓】 5月31日(火)―― 3日ぶり反落、前日急伸の反動で利益確定売りが優勢
日経平均 27279.80( -89.63) 売買高22億8880万株 売買代金 5兆5088億円
【↑】 6月 1日(水)―― 反発、欧米株安もドル高・円安を好感し買い優勢
日経平均 27457.89( +178.09) 売買高12億2885万株 売買代金 2兆8971億円
【↓】 6月 2日(木)―― 反落、欧米株安で利益確定売りも下値は限定的
日経平均 27413.88( -44.01) 売買高10億9537万株 売買代金 2兆5463億円
【↑】 6月 3日(金)―― 急反発、米株高を受け値がさ株を中心に買い優勢
日経平均 27761.57( +347.69) 売買高11億0828万株 売買代金 2兆6793億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、29業種が値上がり
(2)輸出株は値上がり率トップのダイキン <6367> など機械をはじめSUBARU <7270> など自動車、ソニーG <6758> など電機も大幅高
(3)ファストリ <9983> など小売り、リクルート <6098> などサービス、アサヒ <2502> など食料品といった内需株が高い
(4)原油価格の上昇でENEOS <5020> など石油、DOWA <5714> など非鉄金属、INPEX <1605> など鉱業といった資源関連株が物色された
(5)金融株はT&D <8795> など保険、りそなHD <8308> など銀行、日本取引所 <8697> などその他金融、SBI <8473> など証券は堅調
(6)JAL <9201> など空運が値下がり率トップに売られ、郵船 <9101> など海運も安い
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(1) インバウンド
2(2) 防衛
3(3) メタバース
4(4) 半導体
5(14) 旅行 ── 日本人宿泊者数の19年比が2カ月連続で改善
※カッコは前週の順位
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