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日本アジア投資のニュース
*14:12JST アジア投資 Research Memo(2):2024年3月期上期は、株式売却の期ずれにより期初見込値を下回る着地
■決算概要
1. 2024年3月期上期決算の概要
日本アジア投資<8518>の2024年3月期上期の業績(ファンド連結基準)は、営業収益が前年同期比14.1%増の1,269百万円、営業損失が239百万円(前年同期は488百万円の損失)、経常損失が312百万円(同579百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が543百万円(同671百万円の損失)となった。
従来連結基準では、営業収益が前年同期比36.3%減の426百万円、営業損失が535百万円(前年同期は598百万円の損失)、経常損失が558百万円(同640百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が560百万円(同655百万円の損失)と減収ながら損失幅が改善した。また、営業収益、各利益ともに、期初見込値を下回る着地となっている。
営業収益は、プロジェクトの売却※がなかったことで減収となったが、その点は想定内である。期初見込値を下回ったのは、上期中に見込んでいた株式の売却が一部下期にずれ込んだことが主因である。
※前年同期は2件の売却あり
損益面については、引き続き各利益で損失を計上したものの、利益率の高い株式の売却があったことや投資先に対する引当金繰入額が減少したことなどにより損失幅は縮小した。ただ、株式売却の期ずれの影響に加え、見込み外で売却損が発生したことにより、損益面でも期初見込値を大きく下回った。
財政状態(従来連結基準)については、フィナンシャル投資資産の減少(投資回収の進捗)や、現金及び預金の減少(借入金の返済及び投融資の実行)などにより、総資産は前期末比9.4%減の12,147百万円に縮小した。一方、自己資本についても損失計上及び上場株式の含み益の減少※などに伴い同9.5%減の6,800百万円に縮小し、自己資本比率は56.0%(前期末56.1%)と横ばいで推移した。有利子負債残高は約定に基づく借入金の返済により同9.9%減の4,633百万円に減少している。
※その他有価証券評価差額金の減少
投資種類別の業績は以下のとおりである。
(1) PE投資
営業収益は前年同期比11.1%増の401百万円、営業総利益は79百万円(前年同期は159百万円の損失)と増収増益(黒字転換)となった。利益率の高い株式の売却や事業進捗が遅れている投資先への引当金繰入額の減少が寄与した。ただ、上期中に見込んでいた株式の売却が一部下期にずれ込んだことに加え、見込み外で売却損が発生したことにより、営業収益、営業総利益ともに期初見込値を下回った。
(2) プロジェクト投資
営業収益は前年同期比91.9%減の25百万円、売上総利益は73百万円の損失(前年同期は113百万円の利益)と減収減益(損失計上)となった。プロジェクトの売却※がなかったことで大幅な減収減益となったが、その点は想定内である。また、進行中のプロジェクトへの先行費用により損失を計上したものの、黒字化が遅れていた植物工場では着実に収益改善が進んでいるようだ。
※前年同期はメガソーラープロジェクト1件と物流施設1件の売却があった
2. 2024年3月期上期の総括
2024年3月期上期を総括すると、業績面での下振れは見込んでいた株式売却の期ずれに尽きる。あらためて株式市況の影響を受けやすいPE投資の見通しの難しさを感じる結果となった。ただ、その点を除けば、もともと下期偏重の予算となっているなかで、利益率の高い株式の売却や投資先に対する引当金繰入額の減少、植物工場(プロジェクト)の収益改善などにより収益の底上げが図られており、ほぼ想定どおりの進捗と言えるだろう。また、財務面でもフィナンシャル投資の回収や有利子負債残高の削減といった点で着実な成果が見られた。活動面では、事業承継ファンドの増額組成や障がい者グループホームの投資実行(新たな取り組みを含む)、新規事業開発などでも成果をあげることができた(詳細は後述)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<SI>
1. 2024年3月期上期決算の概要
日本アジア投資<8518>の2024年3月期上期の業績(ファンド連結基準)は、営業収益が前年同期比14.1%増の1,269百万円、営業損失が239百万円(前年同期は488百万円の損失)、経常損失が312百万円(同579百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が543百万円(同671百万円の損失)となった。
従来連結基準では、営業収益が前年同期比36.3%減の426百万円、営業損失が535百万円(前年同期は598百万円の損失)、経常損失が558百万円(同640百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が560百万円(同655百万円の損失)と減収ながら損失幅が改善した。また、営業収益、各利益ともに、期初見込値を下回る着地となっている。
営業収益は、プロジェクトの売却※がなかったことで減収となったが、その点は想定内である。期初見込値を下回ったのは、上期中に見込んでいた株式の売却が一部下期にずれ込んだことが主因である。
※前年同期は2件の売却あり
損益面については、引き続き各利益で損失を計上したものの、利益率の高い株式の売却があったことや投資先に対する引当金繰入額が減少したことなどにより損失幅は縮小した。ただ、株式売却の期ずれの影響に加え、見込み外で売却損が発生したことにより、損益面でも期初見込値を大きく下回った。
財政状態(従来連結基準)については、フィナンシャル投資資産の減少(投資回収の進捗)や、現金及び預金の減少(借入金の返済及び投融資の実行)などにより、総資産は前期末比9.4%減の12,147百万円に縮小した。一方、自己資本についても損失計上及び上場株式の含み益の減少※などに伴い同9.5%減の6,800百万円に縮小し、自己資本比率は56.0%(前期末56.1%)と横ばいで推移した。有利子負債残高は約定に基づく借入金の返済により同9.9%減の4,633百万円に減少している。
※その他有価証券評価差額金の減少
投資種類別の業績は以下のとおりである。
(1) PE投資
営業収益は前年同期比11.1%増の401百万円、営業総利益は79百万円(前年同期は159百万円の損失)と増収増益(黒字転換)となった。利益率の高い株式の売却や事業進捗が遅れている投資先への引当金繰入額の減少が寄与した。ただ、上期中に見込んでいた株式の売却が一部下期にずれ込んだことに加え、見込み外で売却損が発生したことにより、営業収益、営業総利益ともに期初見込値を下回った。
(2) プロジェクト投資
営業収益は前年同期比91.9%減の25百万円、売上総利益は73百万円の損失(前年同期は113百万円の利益)と減収減益(損失計上)となった。プロジェクトの売却※がなかったことで大幅な減収減益となったが、その点は想定内である。また、進行中のプロジェクトへの先行費用により損失を計上したものの、黒字化が遅れていた植物工場では着実に収益改善が進んでいるようだ。
※前年同期はメガソーラープロジェクト1件と物流施設1件の売却があった
2. 2024年3月期上期の総括
2024年3月期上期を総括すると、業績面での下振れは見込んでいた株式売却の期ずれに尽きる。あらためて株式市況の影響を受けやすいPE投資の見通しの難しさを感じる結果となった。ただ、その点を除けば、もともと下期偏重の予算となっているなかで、利益率の高い株式の売却や投資先に対する引当金繰入額の減少、植物工場(プロジェクト)の収益改善などにより収益の底上げが図られており、ほぼ想定どおりの進捗と言えるだろう。また、財務面でもフィナンシャル投資の回収や有利子負債残高の削減といった点で着実な成果が見られた。活動面では、事業承継ファンドの増額組成や障がい者グループホームの投資実行(新たな取り組みを含む)、新規事業開発などでも成果をあげることができた(詳細は後述)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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