アステナホールディングスのニュース
~ROIC経営で事業を再構築、収益力の改善が大きく前進~
【ポイント】
・今2018年11月期の1Qは大幅減益からスタートしたが、後半にかけて取り戻して来よう。薬価改定の影響が出ているが、新しい分野の貢献が見込めるからである。
・中期計画をローリングした。最初の3ヵ年計画は2年目を経て達成の目途が立ったので、2018年11月期から次の3ヵ年にシフトした。前2017年11月期は6年ぶりにピーク利益を更新し、創業来の営業利益を上げた。ジェネリック医薬品及び原料は順調な伸びが見込めよう。収益性の良い表面処理薬品の自社製品への切り替えも効果を上げつつある。
・10年間の中長期ビジョンのもと、岩城社長をリーダーに果敢に「策揃え」(独自の差別化戦略)を実行中で、2025年11月期に売上高1000億円、ROIC(投下資本利益率)10%を目標とする。今回の中期3カ年計画では、2020年11月期に売上高650億円、営業利益21億円、ROIC 7.0%以上を目指す。
・イワキは医薬・FC(ファインケミカル)、HBC(ヘルス&ビューティケア)、化学品(表面処理薬品)、食品の4つの事業分野を主力とするが、今後の業績拡大では、1)抗がん剤などの高活性原薬や中間体など、医薬品原料でのAPI(有効成分)の強化、2)医薬品の合成技術の応用も含めた電子材料や、パワー半導体分野での新しい表面処理薬品、3)シルバー世代に強みを持つ通販化粧品分野などがリード役となろう。
・とりわけ、付加価値の高い分野を目指し、商社機能から製造機能へのシフトを進める。現在の製造比率30%を40%に高めていく方針である。そのための設備投資や事業投資も活発化させる。今2018年11月期は、薬価改定の影響と先行投資負担で減益となろうが、その効果は来期あたりから顕在化してこよう。
・ROIC経営の実践を通して、3年後には経常利益で25億円が見えてこよう。ROEも8%台に乗せてくる。その方向に進んでいるので、PBRも早晩1.0倍に戻そう。そこからが次のスタートである。企業価値の創造に向けて、強みを活かす新製品の開発、不採算事業の改革など、一段の戦略的実行に期待したい。
目 次
1.特色 医薬品、医薬品原料、化学品で製造機能を強化
2.強み ジェネリック医薬品原料が最大の収益源
3.中期経営計画 10年ビジョンVision“i-111”でROICベースの収益力向上を目指す
4.当面の業績 今期は減益ながら、新規分野の貢献で来期は再びピーク利益更新へ
5.企業評価 収益力向上の道筋が見えてきた
企業レーティング | B |
---|---|
株価 (18年5月9日) |
406円 |
時価総額 | 140億円 (34.36百万株) |
PBR | 0.74倍 |
ROE | 5.3% |
PER | 13.8倍 |
配当利回り | 1.5% |
総資本 | 37572百万円 |
純資産 | 17784百万円 |
自己資本比率 | 47.2% |
BPS | 551.1円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2007.11 | 50505 | 277 | 553 | 146 | 6.1 | 6.0 |
2008.11 | 50012 | 21 | 72 | -167 | -7.0 | 6.0 |
2009.11 | 47947 | 300 | 87 | -118 | -4.9 | 6.0 |
2010.11 | 50412 | 494 | 635 | 371 | 15.5 | 6.0 |
2011.11 | 53797 | 1215 | 1316 | 1619 | 53.9 | 7.0 |
2012.11 | 51953 | 1126 | 1292 | 728 | 21.6 | 6.0 |
2013.11 | 52465 | 1007 | 1144 | 744 | 22.0 | 6.0 |
2014.11 | 54145 | 890 | 962 | 496 | 14.7 | 7.5 |
2015.11 | 55422 | 559 | 694 | -143 | -4.3 | 6.0 |
2016.11 | 55121 | 977 | 1071 | 8 | 0.3 | 6.0 |
2017.11 | 57387 | 1571 | 1778 | 1241 | 37.9 | 7.5 |
2018.11(予) | 59000 | 1400 | 1450 | 950 | 29.5 | 6.0 |
2019.11(予) | 61000 | 1840 | 1900 | 1240 | 38.5 | 6.0 |
(18.2ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2011.11期はメルテックス合併記念配1円、2014.11期は創業100周年記念配1.5円を含む。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/iwaki201805.pdf
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