セイコーＨＤ急反発、グランドセイコーに訪日客特需、含み資産関連としても存在感

　セイコーホールディングス<8050.T>が急反発、前場高値引けとなる４０円高は７２０円まで上値を伸ばした。同社が強みとする「グランドセイコー」や「アストロン」など高価格帯の腕時計が訪日外国人観光客の購買需要に支えられ好調、今後も国策の後押しを背景に訪日客特需は続くとみられ、収益成長への期待が大きい。また、銀座の中心に「和光」を擁し、日銀の追加緩和で中長期的な低金利環境が見込まれるなか、首都圏不動産市況の先高期待と合わせ含み資産関連株としての横顔も投機資金の食指を動かしている。
　１５年３月期の連結純利益は従来予想の１８０億円から２５０億円（前期比３．４倍）へ上方修正しているが、これは保有するセイコーエプソン<6724.T>株の一部売却に伴うもの。これに先立ち９月には創業者の旧邸宅だった東京都白金の土地建物を売却し、上期に特別利益８４億円を計上している。財務強化が目的としているが、こうした一連の動きが含み資産関連としての存在感を高める背景となっているようだ。

セイコーＨＤの株価は１１時３０分現在７２０円（△４０円）


出所：株経通信（株式会社みんかぶ）