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日本トリムのニュース
■日本トリム<6788>の今後の見通し
1. 2019年3月期予想
(1) 2019年3月期の業績予想
2019年3月期は、売上高が前期比10.0%増の15,430百万円、営業利益を同51.9%増の2,440百万円、経常利益を同39.4%増の2,345百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同23.5増の1,460百万円に改められた。期初予想比では、売上高がほぼ変わらずの0.6%増であるが、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益がそれぞれ14.6%、15.5%、20.7%上方修正された。増額金額は、売上高で90百万円、営業利益で310百万円であった。第2四半期業績が期初予想を上回った金額は、売上高で80百万円、営業利益で285百万円であったことから、下期の上方修正額は売上高で10百万円、営業利益で25百万円となり、通期の売上原価率の改善を鑑みると、下期の予想は堅めと言えるだろう。
(2) 事業別予想
ウォーターヘルスケア事業は、売上高を前期比9.1%増の14,230百万円、営業利益を同43.0%増の2,330百万円と予想している。直接販売部門に注力して、成長トレンドを確実にする。それとともに、下期に業務部において新規OEM先を2~3件開拓し、2020年3月期の売上高の拡大を目指す。
高機能・高価格の新製品「トリムイオン GRACE」の構成比は、55~60%と大きな変化はない。新製品導入初期の金型や小ロットによるコスト負担の影響が大きかったものの、2019年3月期下期には薄まり、収益性改善に寄与する。
カートリッジの売上高は、前期比3.7%の増加を見込んでいる。
海外事業では、中国が前期の急成長の後、15.8%の伸び率を見込んでいる。一方、増産に当たって品質管理を強化したインドネシアは、増収率が前期の8.5%から22.8%へ拡大する予想になっている。
医療関連事業は、売上高が同22.2%増の1,200百万円、営業利益が110百万円と通期で黒字の維持を見込んでいる。持分法適用の中国の病院事業は、先行投資期間のため営業外費用に180百万円の損失を組み入れている。それを勘案して、予想経常利益は営業利益よりも95百万円少ない額としている。
2020年3月期の飛躍を目指す
2. 2020年3月期以降の成長・収益改善要因
2019年3月期は、前期にあった特殊要因がなくなり大幅な増益となる見込みだが、予想経常利益率が15.2%と過去の水準と比べて満足できるものではない。ネガティブ報道の影響が出る前の2016年3月期までの5期間の同利益率は20%前後で推移していた。同社は、2020年3月期を飛躍の年と位置付け、種々の施策を講じている。
2020年3月期以降の成長及び収益改善要因と目される項目をリストアップしてみた。それらは、1)電解水素水の普及促進への起点となることが予想される大学との共同論文の投稿、2)新製品「GRACE」のコストダウン、3)職域販売における新たな協業先との市場浸透、4)ウォーターヘルスケア事業の海外事業の拡大、5)民間さい帯血バンクの成長期入り、6)電解水透析の市場浸透、7)中国の病院運営事業の発展などになる。
年明けに投稿される大学との共同論文への期待が大きい。2019年1月頃に予定されている東北大学医学部との共同研究論文では、糖尿病患者への電解水素水の飲用臨床試験(ダブルブライド)で得た成果を示す。2019年4月頃の投稿が見込まれる東京大学大学院工学系研究科との共同論文では、電解水素水の高い抗酸化性の機序となるデータが開示される見込みだ。同論文は、最高峰の学術誌への掲載を狙う。電解水素水の抗酸化性の機序解明、糖尿病や電解水透析に関する研究は、1995年に開始された台湾大学との共同研究に遡り、20数年を掛けて解明が進んできた。同社は、エビデンスに基づく科学的なアプローチにより事業運営を推進してきており、2つの論文投稿が電解水素水の普及促進に貢献するとみている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
<MH>
1. 2019年3月期予想
(1) 2019年3月期の業績予想
2019年3月期は、売上高が前期比10.0%増の15,430百万円、営業利益を同51.9%増の2,440百万円、経常利益を同39.4%増の2,345百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同23.5増の1,460百万円に改められた。期初予想比では、売上高がほぼ変わらずの0.6%増であるが、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益がそれぞれ14.6%、15.5%、20.7%上方修正された。増額金額は、売上高で90百万円、営業利益で310百万円であった。第2四半期業績が期初予想を上回った金額は、売上高で80百万円、営業利益で285百万円であったことから、下期の上方修正額は売上高で10百万円、営業利益で25百万円となり、通期の売上原価率の改善を鑑みると、下期の予想は堅めと言えるだろう。
(2) 事業別予想
ウォーターヘルスケア事業は、売上高を前期比9.1%増の14,230百万円、営業利益を同43.0%増の2,330百万円と予想している。直接販売部門に注力して、成長トレンドを確実にする。それとともに、下期に業務部において新規OEM先を2~3件開拓し、2020年3月期の売上高の拡大を目指す。
高機能・高価格の新製品「トリムイオン GRACE」の構成比は、55~60%と大きな変化はない。新製品導入初期の金型や小ロットによるコスト負担の影響が大きかったものの、2019年3月期下期には薄まり、収益性改善に寄与する。
カートリッジの売上高は、前期比3.7%の増加を見込んでいる。
海外事業では、中国が前期の急成長の後、15.8%の伸び率を見込んでいる。一方、増産に当たって品質管理を強化したインドネシアは、増収率が前期の8.5%から22.8%へ拡大する予想になっている。
医療関連事業は、売上高が同22.2%増の1,200百万円、営業利益が110百万円と通期で黒字の維持を見込んでいる。持分法適用の中国の病院事業は、先行投資期間のため営業外費用に180百万円の損失を組み入れている。それを勘案して、予想経常利益は営業利益よりも95百万円少ない額としている。
2020年3月期の飛躍を目指す
2. 2020年3月期以降の成長・収益改善要因
2019年3月期は、前期にあった特殊要因がなくなり大幅な増益となる見込みだが、予想経常利益率が15.2%と過去の水準と比べて満足できるものではない。ネガティブ報道の影響が出る前の2016年3月期までの5期間の同利益率は20%前後で推移していた。同社は、2020年3月期を飛躍の年と位置付け、種々の施策を講じている。
2020年3月期以降の成長及び収益改善要因と目される項目をリストアップしてみた。それらは、1)電解水素水の普及促進への起点となることが予想される大学との共同論文の投稿、2)新製品「GRACE」のコストダウン、3)職域販売における新たな協業先との市場浸透、4)ウォーターヘルスケア事業の海外事業の拡大、5)民間さい帯血バンクの成長期入り、6)電解水透析の市場浸透、7)中国の病院運営事業の発展などになる。
年明けに投稿される大学との共同論文への期待が大きい。2019年1月頃に予定されている東北大学医学部との共同研究論文では、糖尿病患者への電解水素水の飲用臨床試験(ダブルブライド)で得た成果を示す。2019年4月頃の投稿が見込まれる東京大学大学院工学系研究科との共同論文では、電解水素水の高い抗酸化性の機序となるデータが開示される見込みだ。同論文は、最高峰の学術誌への掲載を狙う。電解水素水の抗酸化性の機序解明、糖尿病や電解水透析に関する研究は、1995年に開始された台湾大学との共同研究に遡り、20数年を掛けて解明が進んできた。同社は、エビデンスに基づく科学的なアプローチにより事業運営を推進してきており、2つの論文投稿が電解水素水の普及促進に貢献するとみている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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