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藤商事のニュース
■業績動向
1. 2020年3月期の業績概要
藤商事<6257>の2020年3月期の連結業績は、売上高で前期比10.0%減の25,172百万円、営業損失で2,054百万円(前期は1,337百万円の営業利益)、経常損失で2,279百万円(同1,499百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失で4,719百万円(同796百万円の当期純利益)となった。売上高は2期連続減収、各利益は3期ぶりの損失計上となった。
売上高の内訳を見ると、パチンコ機が前期比16.3%減の19,568百万円、パチスロ機が同23.6%増の5,603百万円となり、パチンコ機の落ち込みが減収要因となった。投入した4機種のうち下期に投入した2機種の販売が低調だったことに加え、発売を予定していた2機種に関して型式試験※の適合取得に時間を要し、発売が翌期以降にずれ込んだことが減収要因となった。売上総利益率が前期比0.4ポイント上昇の52.4%となったが、これはプロダクトミックスの変化によるものとなっている。
※遊技機の製造・販売については、風営法等に定める「技術上の規格」への適合について、指定試験機関による型式試験および各都道府県公安委員会による検定を受ける必要がある。
一方、販管費率は前期の47.2%から60.6%に上昇し、金額ベースでも同15.4%増となった。項目別で見ると、変動費となる販売手数料が前期比3.2%減の757百万円、広告宣伝費が同43.2%減の296百万円となったものの、新機種開発に向けて研究開発費が同32.4%増の8,682百万円と大きく増加したほか、その他経費も同3.0%増の5,517百万円となり、収益悪化要因となった。なお、当期純損失が経常損失よりも大きくなっているが、これは業績動向を勘案して繰延税金資産1,996百万円を取り崩し、法人税等調整額として計上したことによる。
会社計画(2019年10月発表値)との比較で見ると、売上高は下期に投入したパチンコ機の新機種が低調だったこと、ならびに第4四半期に投入予定だった2機種の発売が翌期以降にずれ込んだことが下振れ要因となっている。パチスロ機については、パチンコ機の落ち込みを一部カバーするため、1機種を前倒しで投入した結果、台数ベースで会社計画を4.1千台上回った。利益面では、販管費の抑制に取り組んだものの、売上減に伴う売上総利益の減少が下振れ要因となった。
パチンコ機の販売台数はここ数年で最低水準に落ち込む
2. パチンコ・パチスロ機の販売動向
パチンコ機は新機種として「P緋弾のアリアIII 設定付」(2019年4月発売)、「Pリング バースデイ 呪いの始まり 設定付」(2019年7月発売)、「P貞子vs伽椰子 頂上決戦」(2019年11月発売)、「P地獄少女四」(2020年1月発売)の4機種を投入した。このうち、「P緋弾のアリア」の販売台数についてはおおむね計画どおりとなったが、ミドルスペック機の主力タイトルである「Pリング」以降の3機種は計画を下回る結果となり、合計の販売台数は前期比25.9%減の50.1千台と2期連続の減少となった。平均単価が前期比12.9%上昇したが、これは前期に多く投入した販売価格が低い「エコ割」※機種の販売比率が低下したことが要因となっている。また、2019年10月時点の会社計画に対しては、投入機種の販売低迷に加えて予定していた2機種が翌期以降にずれ込んだこともあり、40.0%下回る結果となった。
※パチンコホールに新台として販売した遊技機を回収し、リユース部品などを活用して、異なるスペック機種として再生し、低価格で再販売するシステム。
一方、パチスロ機は同社初の新規則機となる「S呪怨 再誕 AT」(2019年9月発売)を投入したほか、「S喰霊-零- 運命乱 ~うんめいのみだれ~」(2019年11月発売)、「Sリング 恐襲ノ連鎖」(2019年12月発売)、「S地獄少女 あとはあなたが決めることよ」(2020年2月発売)の4機種を投入した。ヒット機種は生まれなかったものの、パチンコ機と比べれば、まずまずの販売実績となり4機種合計の販売台数は前期比7.1%増の13.6千台となった。また、平均単価も販売価格が低いユニット販売の比率が低下したことから前期比15.5%上昇した。2019年10月時点の会社計画に対しては、1機種を追加投入したことにより、43.2%上回る結果となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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1. 2020年3月期の業績概要
藤商事<6257>の2020年3月期の連結業績は、売上高で前期比10.0%減の25,172百万円、営業損失で2,054百万円(前期は1,337百万円の営業利益)、経常損失で2,279百万円(同1,499百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失で4,719百万円(同796百万円の当期純利益)となった。売上高は2期連続減収、各利益は3期ぶりの損失計上となった。
売上高の内訳を見ると、パチンコ機が前期比16.3%減の19,568百万円、パチスロ機が同23.6%増の5,603百万円となり、パチンコ機の落ち込みが減収要因となった。投入した4機種のうち下期に投入した2機種の販売が低調だったことに加え、発売を予定していた2機種に関して型式試験※の適合取得に時間を要し、発売が翌期以降にずれ込んだことが減収要因となった。売上総利益率が前期比0.4ポイント上昇の52.4%となったが、これはプロダクトミックスの変化によるものとなっている。
※遊技機の製造・販売については、風営法等に定める「技術上の規格」への適合について、指定試験機関による型式試験および各都道府県公安委員会による検定を受ける必要がある。
一方、販管費率は前期の47.2%から60.6%に上昇し、金額ベースでも同15.4%増となった。項目別で見ると、変動費となる販売手数料が前期比3.2%減の757百万円、広告宣伝費が同43.2%減の296百万円となったものの、新機種開発に向けて研究開発費が同32.4%増の8,682百万円と大きく増加したほか、その他経費も同3.0%増の5,517百万円となり、収益悪化要因となった。なお、当期純損失が経常損失よりも大きくなっているが、これは業績動向を勘案して繰延税金資産1,996百万円を取り崩し、法人税等調整額として計上したことによる。
会社計画(2019年10月発表値)との比較で見ると、売上高は下期に投入したパチンコ機の新機種が低調だったこと、ならびに第4四半期に投入予定だった2機種の発売が翌期以降にずれ込んだことが下振れ要因となっている。パチスロ機については、パチンコ機の落ち込みを一部カバーするため、1機種を前倒しで投入した結果、台数ベースで会社計画を4.1千台上回った。利益面では、販管費の抑制に取り組んだものの、売上減に伴う売上総利益の減少が下振れ要因となった。
パチンコ機の販売台数はここ数年で最低水準に落ち込む
2. パチンコ・パチスロ機の販売動向
パチンコ機は新機種として「P緋弾のアリアIII 設定付」(2019年4月発売)、「Pリング バースデイ 呪いの始まり 設定付」(2019年7月発売)、「P貞子vs伽椰子 頂上決戦」(2019年11月発売)、「P地獄少女四」(2020年1月発売)の4機種を投入した。このうち、「P緋弾のアリア」の販売台数についてはおおむね計画どおりとなったが、ミドルスペック機の主力タイトルである「Pリング」以降の3機種は計画を下回る結果となり、合計の販売台数は前期比25.9%減の50.1千台と2期連続の減少となった。平均単価が前期比12.9%上昇したが、これは前期に多く投入した販売価格が低い「エコ割」※機種の販売比率が低下したことが要因となっている。また、2019年10月時点の会社計画に対しては、投入機種の販売低迷に加えて予定していた2機種が翌期以降にずれ込んだこともあり、40.0%下回る結果となった。
※パチンコホールに新台として販売した遊技機を回収し、リユース部品などを活用して、異なるスペック機種として再生し、低価格で再販売するシステム。
一方、パチスロ機は同社初の新規則機となる「S呪怨 再誕 AT」(2019年9月発売)を投入したほか、「S喰霊-零- 運命乱 ~うんめいのみだれ~」(2019年11月発売)、「Sリング 恐襲ノ連鎖」(2019年12月発売)、「S地獄少女 あとはあなたが決めることよ」(2020年2月発売)の4機種を投入した。ヒット機種は生まれなかったものの、パチンコ機と比べれば、まずまずの販売実績となり4機種合計の販売台数は前期比7.1%増の13.6千台となった。また、平均単価も販売価格が低いユニット販売の比率が低下したことから前期比15.5%上昇した。2019年10月時点の会社計画に対しては、1機種を追加投入したことにより、43.2%上回る結果となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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