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藤商事のニュース
■要約
藤商事<6257>は、パチンコ・パチスロ機の中堅メーカーで、「ホラー」系ジャンルや新規性のある演出の企画開発力に定評がある。新規分野としてスマートフォン用ゲームアプリの開発にも注力している。無借金経営で手元キャッシュは200億円を超えており、財務の健全性は高い。
1. 2020年3月期の業績
2020年3月期の連結業績は、売上高で前期比10.0%減の25,172百万円、営業損失で2,054百万円(前期は1,337百万円の利益)となった。パチンコホールにおける新規則機への入れ替え需要が業界全体で低調に推移するなかで、同社においても投入した新規則機の稼働が振るわなかったこと、また、2機種の投入時期が型式試験の適合取得に時間を要し今期の発売に間に合わないことから翌期にずれ込んだことなどで、パチンコ機の販売台数が前期比17.5千台減の50.1千台となり、売上高で同25.9%減の19,568百万円と落ち込んだことが減収要因となった。また、利益面では減収による売上総利益の減益に加えて、新機種開発のための研究開発費が前期比2,127百万円増となったことも悪化要因となった。
2. 2021年3月期見通し
2021年3月期の同社業績見通しは未定となっている。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う政府の緊急事態宣言により、多くのパチンコホールが営業自粛を余儀なくされるなかで、需要動向を合理的に見積もることは困難と判断したためだ。このうち、第1四半期に投入したパチンコ機「Pリング 呪いの7日間2」は、新機能となる「遊タイム」※を同社として初めて搭載した機種となり、その稼働状況が注目される。そのほか、デジタルコンテンツ事業(スマートフォン用ゲームアプリ)については、2020年後半のリリースに向け、新タイトルの開発を進めている。
※「遊タイム」機能とは、通常時(低確率時)、規定回数まで大当たりしなかった場合に時短に突入する新機能で、2020年4月から販売が可能となった。「時短」機能が規則の新解釈により豊かなゲーム性へと進化し、集客力の向上につながる新機能として注目されている。
3. 収益力回復に向けた取り組み
同社は2021年3月期の最重点課題として、「徹底した市場ニーズの調査・遊技者目線の追求による稼働力向上」に取り組んでいく方針だ。ここ数年、稼働力の低迷が続いたことから、2019年より全国のホールで調査を行い、自社製品の問題点をすべて洗い出して、より遊技者目線に立った開発に取り組んでいる。2020年4月以降投入する機種は、こうした取り組みを反映して開発した機種となり、その成果が注目される。また、グループ製造・販売体制の運用整備や、リユース品の利用率向上による部材コスト削減、経費のコントロール強化なども継続して取り組むことで収益力の回復を目指す。商品戦略としては従来、「ホラー、時代劇、萌え」ジャンルを主軸に版権を購入しシリーズ展開してきたが、ジャンルの裾野を拡げ、新たなヒット機種の創出にも取り組んでいく考えだ。
■Key Points
・2020年3月期はパチンコ機の落ち込みと研究開発費の増加により3期ぶりの営業損失に
・2021年3月期は新型コロナウイルスの影響が懸念されるが、「遊タイム」機能を搭載した新機種の販売動向に注目
・遊技者目線の追求による機種開発を行うことで、稼働力向上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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藤商事<6257>は、パチンコ・パチスロ機の中堅メーカーで、「ホラー」系ジャンルや新規性のある演出の企画開発力に定評がある。新規分野としてスマートフォン用ゲームアプリの開発にも注力している。無借金経営で手元キャッシュは200億円を超えており、財務の健全性は高い。
1. 2020年3月期の業績
2020年3月期の連結業績は、売上高で前期比10.0%減の25,172百万円、営業損失で2,054百万円(前期は1,337百万円の利益)となった。パチンコホールにおける新規則機への入れ替え需要が業界全体で低調に推移するなかで、同社においても投入した新規則機の稼働が振るわなかったこと、また、2機種の投入時期が型式試験の適合取得に時間を要し今期の発売に間に合わないことから翌期にずれ込んだことなどで、パチンコ機の販売台数が前期比17.5千台減の50.1千台となり、売上高で同25.9%減の19,568百万円と落ち込んだことが減収要因となった。また、利益面では減収による売上総利益の減益に加えて、新機種開発のための研究開発費が前期比2,127百万円増となったことも悪化要因となった。
2. 2021年3月期見通し
2021年3月期の同社業績見通しは未定となっている。新型コロナウイルス感染症拡大に伴う政府の緊急事態宣言により、多くのパチンコホールが営業自粛を余儀なくされるなかで、需要動向を合理的に見積もることは困難と判断したためだ。このうち、第1四半期に投入したパチンコ機「Pリング 呪いの7日間2」は、新機能となる「遊タイム」※を同社として初めて搭載した機種となり、その稼働状況が注目される。そのほか、デジタルコンテンツ事業(スマートフォン用ゲームアプリ)については、2020年後半のリリースに向け、新タイトルの開発を進めている。
※「遊タイム」機能とは、通常時(低確率時)、規定回数まで大当たりしなかった場合に時短に突入する新機能で、2020年4月から販売が可能となった。「時短」機能が規則の新解釈により豊かなゲーム性へと進化し、集客力の向上につながる新機能として注目されている。
3. 収益力回復に向けた取り組み
同社は2021年3月期の最重点課題として、「徹底した市場ニーズの調査・遊技者目線の追求による稼働力向上」に取り組んでいく方針だ。ここ数年、稼働力の低迷が続いたことから、2019年より全国のホールで調査を行い、自社製品の問題点をすべて洗い出して、より遊技者目線に立った開発に取り組んでいる。2020年4月以降投入する機種は、こうした取り組みを反映して開発した機種となり、その成果が注目される。また、グループ製造・販売体制の運用整備や、リユース品の利用率向上による部材コスト削減、経費のコントロール強化なども継続して取り組むことで収益力の回復を目指す。商品戦略としては従来、「ホラー、時代劇、萌え」ジャンルを主軸に版権を購入しシリーズ展開してきたが、ジャンルの裾野を拡げ、新たなヒット機種の創出にも取り組んでいく考えだ。
■Key Points
・2020年3月期はパチンコ機の落ち込みと研究開発費の増加により3期ぶりの営業損失に
・2021年3月期は新型コロナウイルスの影響が懸念されるが、「遊タイム」機能を搭載した新機種の販売動向に注目
・遊技者目線の追求による機種開発を行うことで、稼働力向上を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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