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GMOメディア Research Memo(9):教育・美容医療領域でDX事業を展開。シナジーによる成長加速を狙う

配信元:フィスコ
投稿:2023/03/17 15:09
*15:09JST GMOメディア Research Memo(9):教育・美容医療領域でDX事業を展開。シナジーによる成長加速を狙う ■GMOメディア<6180>の今後の見通し

3. 投資育成2事業の成長戦略
(1) プログラミング教育関連事業
「IT人財不足」という社会課題の解決をサポートするための事業としてスタートしたプログラミング教育関連事業については、子ども向けプログラミング教育ポータルサイト「コエテコ」から社会人向けの「コエテコcampus」に対象領域を広げ、2022年12月期は広告関連事業で初めて黒字化を達成した。

子ども向けのプログラミング教育市場については、情報・プログラミング教育への保護者の認知拡大や女性の参加に加えて、2025年から大学入試の受験で「情報」科目が追加されたこともあり、市場規模として2022年の199億円から2025年に500億円、2030年に1,000億円に急拡大するとの予測もある(同社及び(株)船井総合研究所「2022年子供向けプログラミング教育市場調査」)。このため、同市場において業界トップのポータルサイトの地位を確立した「コエテコ」の成長余地は大きいと言える。2022年はコロナ禍の影響で伸び悩んだが、2023年は掲載教室への体験申込を手軽に行えるよう電話番号の記載を増やしているほか、教室情報の登録作業を簡単に行えるようサイトの改善も進めている。2023年1月の売上高は前年同月比で15%増と2ケタ増ペースに戻るなど順調な滑り出しを見せている。一方、社会人向けの「コエテコcampus」については、国内における慢性的なエンジニア不足と同時にリスキリング需要の高まりを背景に、年明け以降も前年同月比で大幅増ペースが続いているようだ。「コエテコcampus」ではプログラミングやWebデザインスクール以外の周辺領域にもジャンルを広げることで、さらなる成長を目指す。

また、新たにDX事業の育成に向けた取り組みも強化していく。プログラミング教室の業務効率化を支援するプラットフォームサービス「コエテコPlus」は、決済管理や生徒管理、コミュニケーション機能、受講者ページ機能などを実装している。運営事業者の業務効率向上を支援するだけでなく受講者向けのサービスも充実させており、受講継続率の向上効果も期待できる。料金プランはフリープラン※(月額料金、初期費用ともに無料)とベーシックプラン(月額1万円、初期費用2万円)を用意しており、現在はキャンペーン期間中でベーシックプランも月額・初期費用無料で募集している。まだ先行投資段階であり業績への影響は軽微だが、導入件数が積み上がってくればストック収益として同事業の収益基盤の強化につながるものと期待される。掲載教室数は1.2万教室を超えており、同サービスの成長余地は大きい。

※フリープランは生徒管理、コミュニケーション機能、受講者ページ機能が利用可。ベーシックプランはクレジットカード決済及び決済完了メール通知機能が付く。


そのほか、誰でも簡単にオンライン講座の販売・管理ができる「コエテコカレッジ」(2022年2月リリース)については、現在講師の募集をFacebookなども活用しながら進める状況にある。自身のスキルを生かしてオンラインで講座を販売したいというニーズはコロナ禍以降拡大しており、こうした需要を取り込んでいく。機能面では、動画・ライブ双方の講座販売に対応しているほか、無料講座・連続講座にも対応している。料金プランはフリープランと有料プラン(ベーシック、プロ)の3プランを用意しており、月額料金に加えて販売手数料(数%)を獲得するビジネスモデルである。2022年4月より学校法人NHK学園※がオンライン講座(俳句、短歌講座等)で採用したほか、気象予報士スクールなどで導入が進んでいる。まだ業績への影響は軽微だが、米国では先行して「Teachable」というサービスが普及していることから、国内でも普及していく可能性はあると弊社では見ている。

※日本放送協会(NHK)によって1962年に設立された学校法人。NHK EテレやNHKラジオ第2放送を利用して教育を行う通信制高校のNHK学園高等学校を設置しているほか、生涯学習通信講座などの教育事業を展開している。


(2) 美容医療関連事業
「キレイパス」については、チケット販売額を拡大していくためのKPIとして来訪者数の増加、CVRの向上、リピート数の増加の3点に取り組んでおり、サイトへの集客戦略としては引き続きSNSを活用したプロモーションを行う予定だ。CVRの向上施策としては、既存クリニックへのフォローアップや新規掲載クリニックの獲得によるチケット掲載数の拡大、アプリ機能の強化等に取り組み、リピート数の増加施策としてはCRMの設計と改善(ユーザーセグメントに応じたCRMを提供)等に取り組んでいく。

また、DX事業として美容クリニックの院内業務を一元管理できる「キレイパスコネクト」を2021年11月にリリースし、美容クリニック向けSaaS事業に参入している。予約受付から問診、電子カルテ、会計、CRM、経営分析機能までを一括して提供できるサービスは同業界で少なく参入余地も大きいと見ている。初期導入費用は無料で、月額料金プランは利用可能機能に合わせて4プラン※を用意している。導入実績としてはまだ少ないが、今後も機能強化を図ると同時に、オンラインセミナーを定期的に開催しながら導入件数を増やす考えだ。

※月額料金(税抜)は9千円、4万円、6万円、9万円のプランを用意。


新機能としては、2022年12月に「LINE」連携機能、2023年2月に「ポイント機能」を追加した。「LINE連携機能」では、クリニックのLINE公式アカウントと連携させることでシームレスな予約フローの構築や「キレイパスコネクト」の台帳機能への予約情報の自動登録を実現し、集客率のアップや管理工数の削減効果が見込まれる。「ポイント機能」はクリニック独自のポイント制度を自由に設定できる機能で、効果的なマーケティング施策を打つことで集客力やリピート率の向上につなげるだけでなく、ポイント制度を従来から導入しているクリニックにおいては、ポイント制度の管理負担軽減にも寄与する機能である。

美容医療業界の国内市場は安定成長が続いているものの顧客獲得競争は激しく、新規顧客の獲得は経営の重要課題となっている。同社は「キレイパス」を費用対効果の高い集客ツールとして、また「キレイパスコネクト」を業務効率の向上並びに顧客のリピート率向上のためのツールとして提案していくことで、美容医療関連事業の拡大を目指す戦略だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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配信元: フィスコ
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