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ネットマーケティングのニュース
■成長戦略
1. 広告事業
広告事業においては、現在の事業内容に転換して10期目に当たる2016年6月期に約40社であったクライアント数を、今後も着実に増やしていく計画である。2016年6月期の広告事業売上高7,356百万円を40社で単純に割ると、1社当たりの月間売上高は平均約1,500万円と試算される。代理店手数料を15%と仮定すると、ネットマーケティング<6175>は月間1億円程度をアフィリエイト広告にかけられる大手の優良クライアントを抱えているものと見受けられるが、同社によれば、1クライアント当たりの売上高はこれまで増加傾向で推移してきているとのことである。事業開始後10年で約40社ということは、単純平均で年間4社となり、新規クライアントの獲得ペースは速いとは言えないが、既存の大手優良クライアントの平均売上高が今後も増加していけば、2ケタ台の増収率を維持していくことも可能と考えられる。
同社は2017年4月、英国に本社を置くPerformance Horizonの日本法人との間で、Performance Horizonにとって国内で初となる代理店契約に基づくサービスの取り扱いを開始した。Performance Horizonは新しい独自のソリューションにより広告主とメディアを直接つなぐSaaSソリューションを提供しており、国内でも金融機関での利用が始まっている。Performance Horizonの代理店となることで、既存の大手優良クライアントのニーズに幅広く対応し、1クライアント当たりの売上高のアップを図れるほか、成長しているサービスをラインナップに加えることで新規クライアントの獲得ペースを高める効果や、獲得確度をアップする効果が期待される。同社はクライアントのニーズや市場環境に応じて、従来のアフィリエイト・エージェントというスタイルにとどまらず、今後も他の広告サービスにラインナップを広げていく可能性があり、成長を続けるインターネット広告市場において同社が安定成長を持続するための選択肢は少なくないと言える。
広告事業の安定的な成長にとっては、市場や競合といった外部環境もさることながら、高成長・高収益のメディア事業に注力している中で、経営資源配分や業績管理を適切に行っていけるかという社内事情の方が課題となりそうだ。2018年6月期通期での売上高の前年比に注目したい。
2. メディア事業
高収益な成長ドライバーとして注力しているメディア事業の現在の主力サービスであるOmiaiでは、ニーズの高いコアなユーザー層である25~34歳から、18~24歳、35歳以上へとユーザーの年代層を拡大し始めているが、これまでのところ、平均獲得コストを増やすことなく会員の獲得を進めることができている。累計会員数は2017年12月末で前年同期比46.3%増の269万人とされており、順調に増加を続けている。現在のOmiaiユーザーはFacebookユーザーに限定されているが、国内のFacebookユーザーは全インターネットユーザーの3割に満たないことから、同社では2018年6月期中に対象ユーザーをFacebook以外の全インターネットユーザーへ拡大する計画である。
また、デーティング市場への参入を決定し、デーティングアプリ「QooN」の2018年6月期末でのサービス開始を予定している。デーティングは恋活・婚活に限定されないカジュアルなマッチングサービスであり、ユーザーと成り得る対象者が多いことから、国内においても恋活・婚活よりさらに大きな市場になると見込まれる。世界最大のデーティングサービスであるTinderは会員数が5,000万人以上と言われており、2015年3月に有料サービスを開始してから有料会員数を大きく拡大しているものと推定される。その一方で、ユーザーの拡大に伴い、本来のマッチング目的ではない単なる暇つぶし目的で使用されることが多くなっているとも想定される。従来のマッチングサービスでは検索やメッセージ交換の時間・手間を必要としているが、「QooN」ではグルメデートや当日デートを検索やメッセージ交換なしにマッチングさせる独自機能の実装を予定しており、スピードマッチングを実現することを特徴としている。2019年6月期はユーザー獲得のプロモーション投資が先行するため、利益貢献は2020年6月期以降になると予想される。
同社はOmiaiの運営・成長を通じて得たノウハウ・経験を生かして連続的なサービス領域の拡大を計画しており、既存サービスの利益を原資として新たなサービスを立ち上げることにより、メディア事業全体の収益性を損なうことなく継続的に収益の拡大を図っていく方針を採っている。その意味で堅実と言えるが、高成長を続けていると推測されるオンラインマッチングサービス市場において、同社は規模や収益面で、公表会員数700万人の「Pairs」、公表会員数300万人の「タップル誕生」の先行を許しているものと見受けられる。いずれもMatch Group、サイバーエージェントという大手企業グループが運営するサービスであり、同水準での先行投資は難しいと思われるが、市場の成長フェーズにおいてはトップラインの伸長に重きを置くことも重要と考えられる。2018年6月期通期での売上高の成長率に注目したい。
同社は中期経営計画を開示しておらず、中期的な定量目標数値は不明となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 廣田重徳)
<MW>
1. 広告事業
広告事業においては、現在の事業内容に転換して10期目に当たる2016年6月期に約40社であったクライアント数を、今後も着実に増やしていく計画である。2016年6月期の広告事業売上高7,356百万円を40社で単純に割ると、1社当たりの月間売上高は平均約1,500万円と試算される。代理店手数料を15%と仮定すると、ネットマーケティング<6175>は月間1億円程度をアフィリエイト広告にかけられる大手の優良クライアントを抱えているものと見受けられるが、同社によれば、1クライアント当たりの売上高はこれまで増加傾向で推移してきているとのことである。事業開始後10年で約40社ということは、単純平均で年間4社となり、新規クライアントの獲得ペースは速いとは言えないが、既存の大手優良クライアントの平均売上高が今後も増加していけば、2ケタ台の増収率を維持していくことも可能と考えられる。
同社は2017年4月、英国に本社を置くPerformance Horizonの日本法人との間で、Performance Horizonにとって国内で初となる代理店契約に基づくサービスの取り扱いを開始した。Performance Horizonは新しい独自のソリューションにより広告主とメディアを直接つなぐSaaSソリューションを提供しており、国内でも金融機関での利用が始まっている。Performance Horizonの代理店となることで、既存の大手優良クライアントのニーズに幅広く対応し、1クライアント当たりの売上高のアップを図れるほか、成長しているサービスをラインナップに加えることで新規クライアントの獲得ペースを高める効果や、獲得確度をアップする効果が期待される。同社はクライアントのニーズや市場環境に応じて、従来のアフィリエイト・エージェントというスタイルにとどまらず、今後も他の広告サービスにラインナップを広げていく可能性があり、成長を続けるインターネット広告市場において同社が安定成長を持続するための選択肢は少なくないと言える。
広告事業の安定的な成長にとっては、市場や競合といった外部環境もさることながら、高成長・高収益のメディア事業に注力している中で、経営資源配分や業績管理を適切に行っていけるかという社内事情の方が課題となりそうだ。2018年6月期通期での売上高の前年比に注目したい。
2. メディア事業
高収益な成長ドライバーとして注力しているメディア事業の現在の主力サービスであるOmiaiでは、ニーズの高いコアなユーザー層である25~34歳から、18~24歳、35歳以上へとユーザーの年代層を拡大し始めているが、これまでのところ、平均獲得コストを増やすことなく会員の獲得を進めることができている。累計会員数は2017年12月末で前年同期比46.3%増の269万人とされており、順調に増加を続けている。現在のOmiaiユーザーはFacebookユーザーに限定されているが、国内のFacebookユーザーは全インターネットユーザーの3割に満たないことから、同社では2018年6月期中に対象ユーザーをFacebook以外の全インターネットユーザーへ拡大する計画である。
また、デーティング市場への参入を決定し、デーティングアプリ「QooN」の2018年6月期末でのサービス開始を予定している。デーティングは恋活・婚活に限定されないカジュアルなマッチングサービスであり、ユーザーと成り得る対象者が多いことから、国内においても恋活・婚活よりさらに大きな市場になると見込まれる。世界最大のデーティングサービスであるTinderは会員数が5,000万人以上と言われており、2015年3月に有料サービスを開始してから有料会員数を大きく拡大しているものと推定される。その一方で、ユーザーの拡大に伴い、本来のマッチング目的ではない単なる暇つぶし目的で使用されることが多くなっているとも想定される。従来のマッチングサービスでは検索やメッセージ交換の時間・手間を必要としているが、「QooN」ではグルメデートや当日デートを検索やメッセージ交換なしにマッチングさせる独自機能の実装を予定しており、スピードマッチングを実現することを特徴としている。2019年6月期はユーザー獲得のプロモーション投資が先行するため、利益貢献は2020年6月期以降になると予想される。
同社はOmiaiの運営・成長を通じて得たノウハウ・経験を生かして連続的なサービス領域の拡大を計画しており、既存サービスの利益を原資として新たなサービスを立ち上げることにより、メディア事業全体の収益性を損なうことなく継続的に収益の拡大を図っていく方針を採っている。その意味で堅実と言えるが、高成長を続けていると推測されるオンラインマッチングサービス市場において、同社は規模や収益面で、公表会員数700万人の「Pairs」、公表会員数300万人の「タップル誕生」の先行を許しているものと見受けられる。いずれもMatch Group、サイバーエージェントという大手企業グループが運営するサービスであり、同水準での先行投資は難しいと思われるが、市場の成長フェーズにおいてはトップラインの伸長に重きを置くことも重要と考えられる。2018年6月期通期での売上高の成長率に注目したい。
同社は中期経営計画を開示しておらず、中期的な定量目標数値は不明となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 廣田重徳)
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