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冨士ダイスのニュース
*14:03JST 冨士ダイス Research Memo(3):2023年3月期2Qは半導体・EV関連好調も中国コロナ禍等で売上高は横ばい
■業績動向
1. 2023年3月期第2四半期業績概要
冨士ダイス<6167>の2023年3月期第2四半期業績は売上高8,367百万円(期初計画比203百万円未達、前年同期比0.0%増)、営業利益578百万円(同48百万円超過、同14.7%減)、経常利益661百万円(同101百万円超過、同7.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益454百万円(同74百万円超過、同10.1%減)となった。半導体関連及び自動車電動化関連の需要増が上海ロックダウンや粗鋼生産低迷による鉄鋼向け需要減などで相殺され売上高は横ばいとなり、計画を下回った。利益面では原材料、電力・燃料コスト高騰によるコストアップが響き、営業利益で2ケタ減益と低迷したが、生産効率の向上により会社計画を上回って着地した。
2. 2023年3月期第2四半期は半導体・EV関連好調も中国コロナ禍等で売上高は横ばい、営業利益は原材料高等で14.7%減益
製品別売上高動向を見ると、超硬製工具類は半導体関連需要が拡大し関連工具が堅調に伸びたが、鉄鋼向け熱間圧延ロール販売が市況悪化から低迷し、売上高は2,152百万円(前年同期比1.2%減)に留まった。超硬製金型類では、自動車の電動化に伴い車載電池用金型が好調に推移し、光学素子成型用金型、製缶金型も堅調で、売上高は2,076百万円(同4.5%増)となった。その他の超硬製品は半導体関連需要の拡大で関連金型素材の販売が好調に推移した。一方で、海外向け超硬素材販売が中国のコロナ禍で活動制限を受け減収となり、売上高は2,099百万円(同2.2%増)となった。超硬以外の製品では、鋼製自動車部品用金型が堅調に推移するも、引抜鋼管が低調で、売上高2,038百万円(同4.8%減)に留まった。
3. 顧客産業分類別状況
単体ベースの2023年3月期第2四半期累計の主要産業分類別売上高推移では、生産・業務用機械向けが20.8%増と、半導体製造装置向け、光学機器向け製品が伸長した。また電機・電子部品向けも14.5%増と半導体需要の拡大で関連する金型・金型素材の販売が好調、車載電池用金型販拡大も寄与した。鉄鋼向けは9.0%減、熱間圧延ロールなどの低迷が影響、輸送用機器向けも4.3%減と、自動車生産の回復遅れが響いている。
利益面では増収効果がなく、材料比高が185百万円と大きく、一部外注加工を内製化して付加価値を向上させることで133百万円カバーしたものの、諸々の変動費増も109百万円嵩み、全体で約100百万円の営利減となった。なお計画比で48百万円上振れたのは、売上高未達成分を固定費圧縮によりカバーしたことが挙げられる。
4. 財務状況と経営指標は健全性高い
同社は創業以来黒字経営を継続しており、高い自己資本比率を維持している。手元資金も潤沢であり、収益環境が厳しいなかでもネットキャッシュ残高は高位で推移している。
5. 2023年3月期第3四半期の収益状況は前年同期比3.2%増収ながら33.3%経常減益に
2023年3月期第3四半期収益は、売上高4,327百万円(前年同期比3.2%増)、営業利益316百万円(同25.3%減)、経常利益296百万円(同33.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益204百万円(同35.0%減)と増収も利益は低迷した。
主要産業分類別売上高推移では、自動車生産の回復遅れで輸送用機器向けが第2四半期の9.6%減に続いて7.1%減となった。また好調に推移していた電機・電子部品向けが6.7%減と減速、金型・工具向けも中国のロックダウン影響で素材売上が低迷し9.5%減となった。これを鉄鋼、非鉄金属・金属製品の回復で補ったものの全体では微増収に留まった。連結セグメント売上別では、超硬以外の製品のみ同会計期比1.7%減少となっているが、その他製品群はいずれも1ケタの伸びで、単体ベース売上高の0.9%増に対し、連結では為替の円安効果が寄与していると推定され、数量的には伸び悩んだと見られる。利益面では第2四半期に続き自動車生産の伸び悩み、好調だった電機・電子部品向けの減少、これに材料高などが影響し、第2四半期の24.1%経常減益に続き、利益低迷が続いている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
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1. 2023年3月期第2四半期業績概要
冨士ダイス<6167>の2023年3月期第2四半期業績は売上高8,367百万円(期初計画比203百万円未達、前年同期比0.0%増)、営業利益578百万円(同48百万円超過、同14.7%減)、経常利益661百万円(同101百万円超過、同7.7%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益454百万円(同74百万円超過、同10.1%減)となった。半導体関連及び自動車電動化関連の需要増が上海ロックダウンや粗鋼生産低迷による鉄鋼向け需要減などで相殺され売上高は横ばいとなり、計画を下回った。利益面では原材料、電力・燃料コスト高騰によるコストアップが響き、営業利益で2ケタ減益と低迷したが、生産効率の向上により会社計画を上回って着地した。
2. 2023年3月期第2四半期は半導体・EV関連好調も中国コロナ禍等で売上高は横ばい、営業利益は原材料高等で14.7%減益
製品別売上高動向を見ると、超硬製工具類は半導体関連需要が拡大し関連工具が堅調に伸びたが、鉄鋼向け熱間圧延ロール販売が市況悪化から低迷し、売上高は2,152百万円(前年同期比1.2%減)に留まった。超硬製金型類では、自動車の電動化に伴い車載電池用金型が好調に推移し、光学素子成型用金型、製缶金型も堅調で、売上高は2,076百万円(同4.5%増)となった。その他の超硬製品は半導体関連需要の拡大で関連金型素材の販売が好調に推移した。一方で、海外向け超硬素材販売が中国のコロナ禍で活動制限を受け減収となり、売上高は2,099百万円(同2.2%増)となった。超硬以外の製品では、鋼製自動車部品用金型が堅調に推移するも、引抜鋼管が低調で、売上高2,038百万円(同4.8%減)に留まった。
3. 顧客産業分類別状況
単体ベースの2023年3月期第2四半期累計の主要産業分類別売上高推移では、生産・業務用機械向けが20.8%増と、半導体製造装置向け、光学機器向け製品が伸長した。また電機・電子部品向けも14.5%増と半導体需要の拡大で関連する金型・金型素材の販売が好調、車載電池用金型販拡大も寄与した。鉄鋼向けは9.0%減、熱間圧延ロールなどの低迷が影響、輸送用機器向けも4.3%減と、自動車生産の回復遅れが響いている。
利益面では増収効果がなく、材料比高が185百万円と大きく、一部外注加工を内製化して付加価値を向上させることで133百万円カバーしたものの、諸々の変動費増も109百万円嵩み、全体で約100百万円の営利減となった。なお計画比で48百万円上振れたのは、売上高未達成分を固定費圧縮によりカバーしたことが挙げられる。
4. 財務状況と経営指標は健全性高い
同社は創業以来黒字経営を継続しており、高い自己資本比率を維持している。手元資金も潤沢であり、収益環境が厳しいなかでもネットキャッシュ残高は高位で推移している。
5. 2023年3月期第3四半期の収益状況は前年同期比3.2%増収ながら33.3%経常減益に
2023年3月期第3四半期収益は、売上高4,327百万円(前年同期比3.2%増)、営業利益316百万円(同25.3%減)、経常利益296百万円(同33.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益204百万円(同35.0%減)と増収も利益は低迷した。
主要産業分類別売上高推移では、自動車生産の回復遅れで輸送用機器向けが第2四半期の9.6%減に続いて7.1%減となった。また好調に推移していた電機・電子部品向けが6.7%減と減速、金型・工具向けも中国のロックダウン影響で素材売上が低迷し9.5%減となった。これを鉄鋼、非鉄金属・金属製品の回復で補ったものの全体では微増収に留まった。連結セグメント売上別では、超硬以外の製品のみ同会計期比1.7%減少となっているが、その他製品群はいずれも1ケタの伸びで、単体ベース売上高の0.9%増に対し、連結では為替の円安効果が寄与していると推定され、数量的には伸び悩んだと見られる。利益面では第2四半期に続き自動車生産の伸び悩み、好調だった電機・電子部品向けの減少、これに材料高などが影響し、第2四半期の24.1%経常減益に続き、利益低迷が続いている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 岡本 弘)
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