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イー・ガーディアン

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イー・ガーディアンのニュース

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EG Research Memo(1):2022年9月期通期は売上高100億円超、経常利益20億円超の着地を予想

配信元:フィスコ
投稿:2022/07/15 15:21
■要約

イー・ガーディアン<6050>は、eコマース(EC)やSNS、ソーシャルゲームの運営者向けに、監視や顧客サポートなどを中心に、サイバーセキュリティからデバッグ、運用までをワンストップで提供する総合ネットセキュリティ企業である。1998年にコンテンツプロバイダとして誕生し、インターネット業界の創成期に様々な新事業を手掛けるなか2005年に掲示板投稿監視事業に一本化し、イー・ガーディアン株式会社に商号変更した。2010年に東証マザーズに上場してからは、人材派遣業、デバッグ事業、ネットセキュリティコンサルティング事業、クラウド型サイバーセキュリティ事業等をM&Aで獲得し、“総合ネットセキュリティ企業”としての基盤を確立した。海外展開においては、E-Guardian Philippines Inc.(2017年設立)が拡大中。最近ではクラウド型セキュリティサービスの(株)グレスアベイルを子会社化(2019年)、(株)サイバー・コミュニケーションズ(現 CARTA HOLDINGS<3688>)とネット広告関連業務BPOを行う合弁会社を設立(2020年)、ソフトウェア型WAF※のNo.1企業である(株)ジェイピー・セキュアを子会社化(2020年)など、新分野を強化している。現在はグループ会社5社、国内外11都市に20拠点を持ち、2,303(2022年3月末時点)名の従業員を抱える企業グループとなっている。2022年4月の東証再編においてはプライム市場に移行した。

※WAF:Web Application Firewall


1. 事業概要
売上高の主力はソーシャルサポート業務とゲームサポート業務であり、2業務で全社売上高の7割以上(74.9%)を構成する。同社の強みは、「人」が運用ノウハウやデータを蓄積し、それを活用して独自開発した「AI・システム」により運用を効率化することで、低コストで高品質なサービスを提供するところにある。結果として高い収益性(2022年9月期第2四半期の売上高営業利益率は20.6%)が実現している。

2. 業績動向
2022年9月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比20.6%増の5,739百万円、営業利益が同36.2%増の1,182百万円、経常利益が同36.1%増の1,234百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同100.0%増の965百万円と大幅な増収増益となった。増収の主な要因はソーシャルサポート業務とアド・プロセス業務、サイバーセキュリティ業務にある。ソーシャルサポート業務では、キャッシュレス決済、EC(インターネット通販)及びワクチン接種案件の拡大が継続した。アド・プロセス業務も、CARTA HOLDINGSとの合弁会社であるビズテーラー・パートナーズと連携した案件が拡大した。サイバーセキュリティ業務においては、セキュリティ需要が増加する中で、WAF(100万サイト以上の導入実績)と専門性の高い脆弱性診断等により業績を伸ばした。営業利益に関しては、2022年9月期上期に東京センター移転及び大阪センター増床を行ったため、費用が先行するタイミングではあったが、増収が予想を上回ったことや生産性が向上したことにより30%を超える増益となった。

2022年9月期通期の連結業績は、売上高が前期比10.9%増の11,012百万円、営業利益が同10.2%増の2,170百万円、経常利益が同8.2%増の2,207百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同25.1%増の1,360百万円と、売上高で100億円、営業利益で20億円の大台を超え、過去最高業績を更新する予想である。上期業績は上方修正したものの、通期予想は期初予想を据え置いている。同社の事業を取り巻く市場環境は全体として良好だ。ソーシャルサポート業務では、需要の拡大が続く動画監視業務やキャッシュレス決済加盟店審査業務などを始め、全方位営業で成長市場を狙いにいく。ゲームサポート業務では、2022年3月に、デジタルコミュニケーションのプロフェッショナル集団であるURAWAZA(株)と提携し、ゲームタイトルのグローバル展開をプロモーションから、その後の運営まで一気通貫でサポートする体制を確立し、主に海外案件の拡販を目指す。アド・プロセス分野においては、消費者庁や気象庁など公的機関において広告の審査・監視業務の実績を積み重ねており、民間企業へのPR効果が期待できる。通期予想に対する第2四半期進捗率は、売上高で52.1%(前期は49.5%)、営業利益で54.5%(前期は50.0%)と前期を上回るペースだ。同社は例年、下期業績が上期を上回る傾向にある。また、2022年9月期は上期に拠点の増床を行っており、下期には稼働率がさらに高まることが予想できる。足元では、好調を維持する3業務(ソーシャル、アド・プロセス、サイバーセキュリティ)に加え、底打ちを確認したゲームサポートも反転が期待できる。以上のことから、弊社では大きな波乱がなければ、売上高・各利益ともに上方修正の可能性が高いと考えている。

3. 成長戦略
主力のソーシャルサポート業務では、監視とカスタマーサポートを強みとしつつ、様々な領域を新たに開拓して成長してきた。2018年からの仮想通貨(本人確認審査など)、2020年からのキャッシュレス決済(加盟店審査など)、2021年からの動画監視やワクチン接種サポートなどいずれも成長市場を的確に捉えて、事業化に成功してきた。2022年の注力分野としては、メタバース・NFT・ギガスクール、自動運転などが挙げられる。同社の参入ステップは、まず新サービスを想定したプロトタイプとしてのサービスモデルを開発し、顧客の反応を確認しながら精度を上げ、拡販していくというものである。自社に足りない経営資源は積極的な提携を行って補うのも同社の特長である。具体例を挙げると、同社は2022年4月に、開発中のゲームが著作権違反等の指摘を受ける可能性を評価、検証する「コピーコンテンツテスト」をメタバースやNFTプラットフォーム上で取引されるNFT作品における著作物にも対応させることになった。2022年5月にはメタバースプロダクトの研究開発及び導入支援を手掛けるメタフロンティア(株)との連携を開始した。市場成長の初期に参入し、監視やカスタマーサポートのニーズを的確に把握して基盤を築くのが同社の成功パターンとなっている。

4. 株主還元策
同社は当面、成長への投資を優先するために利益の内部留保を基本とし、想定以上の利益を得た場合に配当を行う方針である。実績としては、好調な業績を背景に2013年9月期から2021年9月期まで9期連続で増配を行っている。2021年9月期は配当金が年14円(4円増配)、配当性向は13.0%となった。2022年9月期の配当予想は公表していないが、利益予想が実現されれば増配の可能性は高いと考えられる。1株当たり当期純利益の予想は135.54円であり、前期と同等の配当性向(13.0%)を仮定すると、17.62円が試算でき、3円以上の増配を見通すことができる。

■Key Points
・2022年9月期第2四半期は、市場拡大の追い風と捉え、上期計画から上方修正。キャッシュレス決済、EC、ワクチン接種案件が拡大するソーシャルサポートが牽引
・2022年9月期通期は売上高100億円超、経常利益20億円超、8年連続の2桁成長を目指す。2022年9月期第2四半期進捗率は例年以上であり上振れも期待できる
・2021年9月期まで9期連続増配中。2022年9月期は配当未定だが、利益予想が実現されれば増配の可能性は高い

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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配信元: フィスコ
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