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タクマ、受注高は過去最高を達成し受注残高も大幅増加 通期は需要の堅調な推移が見込まれ、増収増益を予想

投稿:2022/06/03 12:00

目次

南條博昭氏:本日はお忙しい中、株式会社タクマ2022年3月期決算説明会にご参加いただき、誠にありがとうございます。代表取締役社長の南條博昭でございます。

こちらの目次に従い、最初に本日の説明会のサマリをご説明したあと、2022年3月期の連結業績についてご説明します。

2022年3月期 決算説明サマリ

2022年3月期の連結業績は、売上高1,340億円、経常利益106億円と前期比で減収減益となりました。一方で、受注高は過去最高の1,922億円を達成し、受注残高も4,453億円と大幅に増加しました。受注残高のうち、10年以上の運転管理・メンテナンスを包括的に受託する長期O&Mが約5割を占めています。

2023年3月期については、ごみ処理プラントやバイオマス発電プラントなどの需要が堅調に推移すると見込んでおり、受注高は1,700億円を予想しています。売上高は1,430億円、経常利益は125億円と増収増益を見込んでいます。

2030年に向けた長期ビジョン「Vision2030」の実現に向けて、EPC事業の維持・拡大と、ストック型ビジネスを中核を担うドライバーとして各事業の着実な成長を目指すとともに、新規事業やM&Aなどを通じて環境・エネルギー分野において事業を拡大していきます。

2022年3月期 業績ハイライト

2022年3月期の業績の詳細についてご説明します。主に、環境・エネルギー(国内)事業におけるEPC案件構成の変化や資機材価格の上昇により、前期比で減収減益となりました。

受注高は、ごみ処理プラントの更新やバイオマス発電プラントの建設などの堅調な需要を背景に高水準で推移しており、過去最高の1,922億円を達成しました。また、EPC案件や長期O&Mを着実に受注できていることで、受注残高は大幅に増加しています。

2022年3月期 セグメント別内訳

セグメント別の業績はスライドのとおりとなっています。

2022年3月期 環境・エネルギー(国内)事業 受注高・受注残高

セグメントごとの業績について簡単にご説明します。環境・エネルギー(国内)事業については、ごみ処理プラントの更新やバイオマス発電プラントの建設需要などが堅調に推移しており、通期では安定的な受注高を確保しています。受注残高4,333億円のうち、10年以上の運転管理やメンテナンスを包括的に受託している長期O&Mが約5割を占めており、ストック型ビジネスの受注残高が順調に増加しています。

2022年3月期 環境・エネルギー(国内)事業 受注高・営業利益

売上高と営業利益については、ストック型ビジネスは着実に伸長していますが、EPC事業における案件構成の変化や資機材価格の上昇によってコストダウンが想定より進まなかったことで、減収減益となりました。

2022年3月期 環境・エネルギー(海外)事業

環境・エネルギー(海外)事業については、コロナ禍で十分な営業活動ができず、またお客さまの計画が延期となる案件が多かった中、台湾の廃棄物発電プラントのストーカ更新工事を第3四半期に受注しました。直近3ヶ年の売上は、大部分がメンテナンスによるもので、今後は、新設・更新案件を継続的に受注できる体制を整備していきます。

2022年3月期 民生熱エネルギー事業

民生熱エネルギー事業についても、コロナ禍で宿泊業を中心に需要の落ち込みが継続しており、受注高はコロナ前の水準を回復するには至りませんでした。売上高も減収となりましたが、営業活動の制約に伴い営業費用などが減少したことから、若干の増益となりました。

2022年3月期 設備・システム事業

設備・システム事業については、半導体産業用設備の受注は好調でしたが、建築設備事業は、コロナ禍で計画の延期などにより需要が落ち込むほか、競争環境の激化により受注が減少し、セグメント合計の受注高は減少しました。

売上高と営業利益については、半導体産業用設備の売上増加により増収となりましたが、建築設備事業の落ち込みにより減益となりました。

第13次中期経営計画 進捗状況

2021年度よりスタートした第13次中期経営計画の進捗についてご説明します。中計目標としている3ヶ年累計経常利益360億円の達成に向け、2021度は計画を若干下回るスタートとなりましたが、着実な受注の積み上げにより、中計目標の達成を目指します。

第13次中期経営計画 主な受注案件(2021年度)

こちらのスライドには2021年度の主な受注案件を記載しています。ごみ処理プラントのDBO3件、長期O&M1件、バイオマス発電プラント6件などを受注しています。

第13次中期経営計画 成長に向けた布石

成長に向けた布石として、EPC事業やストック型ビジネスに携わる施工部門や技術部門、メンテナンス部門を中心に、人材の採用や育成を強化するほか、CO2の分離回収や利用技術をはじめとする研究開発、デジタル技術を活用した付加価値の向上に取り組んでいます。

また、大型の設備投資として、播磨工場の更新工事も順調に進捗しています。投資総額は約130億円で、2022年度の当社グループの設備投資予想額は90億円ですが、その大部分をこの更新工事が占めています。

第13次中期経営計画 人材投資、研究開発、設備投資

人材や研究開発への投資はこちらのスライドのように推移しています。

市場環境 一般廃棄物処理プラント(環境・エネルギー(国内)事業)

当社グループの主要事業における、現在の市場環境についてご説明します。主力事業である環境・エネルギー(国内)事業の一般廃棄物処理プラント事業では、施設の老朽化に伴う建て替えや長寿命化の需要が継続しています。市場規模は、発注される施設のごみ処理能力を合計したもので表されますが、今後5年程度は、日量3,000トンから4,000トン程度の発注が推移するものと見込んでいます。

市場環境 一般廃棄物処理プラント(環境・エネルギー(国内)事業)

施設竣工後の運営事業を施設建設と合わせて委託するDBO方式による発注が増加しており、当社グループが手掛ける運営事業は順調に増加しています。2022年度期初時点では18施設の運営事業を受注し、そのうち12施設が運営中です。引き続き、短期でのアフターサービスに加え、これらDBOの運営事業を含めたO&Mの需要を取り込んでいきます。

市場環境 エネルギープラント(環境・エネルギー(国内)事業)

エネルギープラントの主要製品であるバイオマス発電プラントは、国内のバイオマス燃料を中心とした中小型規模のバイオマス発電プラントの建設と、納入後のメンテナンスの需要が堅調に推移しています。また、エネルギー価格の高騰やCO2削減の取り組みを背景とした燃料転換需要もあるため、これらのニーズを取り込んでいきます。

なお、10メガワット未満のバイオマス発電事業は、FITを利用した計画が継続する見込みです。FIPは発電事業者によるリスクの検討と対応が必要なため、当面は制度利用に慎重な姿勢が継続するものと見込んでいます。

市場環境 環境・エネルギー(海外)事業

環境・エネルギー(海外)事業の市場環境は、新興国では人口増加や都市化の進展に伴い、潜在的に廃棄物発電の旺盛な需要があります。政府による事業実施を後押しする動きも出つつあります。市場の形成には時間がかかっていますが、引き続き受注の獲得に向けて、現地法人を拠点に現地企業とのパートナーシップなどの体制整備を進めていきます。

また、タイでは再生可能エネルギー発電の導入を政策で推進しており、製糖工場向けをはじめとしたバイオマス発電の需要は根強く、引き続き新設や更新、メンテナンス案件の受注に注力していきます。

2023年3月期 業績予想

2023年3月期の業績予想についてご説明します。主に、環境・エネルギー(国内)事業におけるEPC案件の構成改善により、増収増益を見込んでいます。

また、ごみ処理プラントやバイオマス発電プラントの需要は引き続き堅調に推移しています。前期比では減少となりますが、引き続き高水準の受注を目指します。

資機材価格のさらなる上昇や納期の長期化などが懸念されますが、発注の早期化やインフレスライドの申し入れなど、影響低減に向けた対策により、利益目標の達成を目指します。

新型コロナウイルスの影響については、大幅な改善までは見込んでいません。また、ロシア・ウクライナ情勢による直接的な影響はありません。

2023年3月期 セグメント別業績予想

セグメント別では、こちらのスライドに記載の数字を計画しています。これらの目標を達成できるように、しっかりと取り組んでいきます。

株主還元

株主還元については、激化する市場での競争力を確保するため、企業体質の強化を図りながら、安定した配当を維持することを基本に、業績などを総合的に勘案して行う方針です。

今期の配当額は前期と同じ36円となる予定です。自己株式の取得は選択肢の1つとして、株価の状況なども踏まえ、機動的に実施するよう考えています。

最後に

最後になりますが、タクマグループはDBOなどのごみ処理プラントの運営業務の包括的な受託や、新たなバイオマス発電プラントの納入などにより着実にストックを拡大させており、ストック型ビジネスは安定的な収益基盤として成長していく見込みです。

また脱炭素社会や持続可能な社会の実現に向けて、環境とエネルギーの分野を中心とした技術やサービスを有する当社グループが果たす役割は、ますます重要になっていくものと考えています。

引き続き、環境とエネルギーに関する事業を主要な成長分野として注力し、ESG経営でお客さまや社会とともに持続的な成長を目指していきますので、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。ご清聴ありがとうございました。

配信元: ログミーファイナンス
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