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原油先物相場の下落を受けてインフレ懸念和らぎ、買い戻しの動きが強まる【クロージング】

配信元:フィスコ
投稿:2022/03/10 16:00
10日の日経平均は5営業日ぶりに大幅反発。972.87円高の25690.40円(出来高概算15億株)で取引を終えた。ロシアとウクライナの停戦に対する期待感からリスク回避の動きが巻き戻されたほか、騰勢を強めていた原油市況も急落したため、インフレ高進への懸念も和らぎ、買い戻しの動きが強まった。後場中盤には一時25720.31円まで上げ幅を広げる場面もあった。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり銘柄が2100を超え、ほぼ全面高の様相となった。セクター別では、33業種すべてが上昇し、海運、空運、その他金融、ガラス土石、化学、輸送用機器、精密機器などの上昇が際立っていた。指数インパクトの大きいところでは、東エレク<8035>信越化<4063>、ファーストリテ<9983>、リクルートHD<6098>、ソニーG<6758>が堅調だった半面、7&iHD<3382>大平金<5541>、東電力HD<9501>が小甘い展開だった。

「ウクライナのゼレンスキー大統領が一定の譲歩をする用意はある」と述べたことから、停戦への期待感が高まった。また、アラブ首長国連邦(UAE)が石油輸出国機構(OPEC)加盟国の増産を促し、このところ騰勢を強めていた原油先物相場が急落。インフレ高進に対する過度な警戒感が和らいだことも投資マインドの好転につながり、主力株中心に幅広い銘柄に買い戻しの動きや、株価指数先物にも短期筋の買いが加わり、上げ幅は一時1000円を超えた。

ただ、ウクライナ情勢を巡っては、ロシア・ウクライナ・トルコの外相が10日、3者会談を行う予定だ。本日は停戦協議の進展期待が先行した形となったが、ウクライナ大統領補佐官は「自国領土は1センチも明け渡すつもりはない」とも述べており、引き続き対ロシアとの交渉の行方は注目されることになるだろう。また、米国では2月の消費者物価指数(CPI)が発表される。ウクライナ情勢悪化の影響が完全に反映されているわけではないものの、米国の金融政策の行方を占う上では、CPIの結果にも関心が集まることになりそうだ。


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配信元: フィスコ
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