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沢井製薬

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GTS Research Memo(5):共同開発やライセンスアウトにより効率的に収益化を目指すビジネスモデル

配信元:フィスコ
投稿:2020/08/07 15:15
■会社概要

(3) 事業モデル
ジーンテクノサイエンス<4584>の事業モデルは、高い安定性と早期の収益化が見込めるバイオシミラー事業と、高い成長性を目指すバイオ新薬事業をバーチャル型事業開発体制※で展開しているのが特徴で、新たに第3の成長エンジンとして新規バイオ事業(再生医療/細胞治療等)を育成すべく注力している。

※バーチャル型事業開発とは、ファブレス体制で、人的コスト・投資リスクを抑えつつ、プロジェクトと委託先企業の相性を見極め効果的な開発体制を構築していることを指す。


a) バイオシミラー事業
バイオシミラー事業の収益モデルとしては、研究開発段階及び上市後において、開発した医薬品の主成分である原薬や製品化した製剤を提携先の製薬企業に供給することによって得られる販売収益と、開発したバイオシミラーの原薬について共同事業化契約を締結し、提携先企業からの契約一時金や開発の進捗に応じて得られる開発マイルストン収益で構成される。また、バイオシミラー事業の収益源となる原薬の製造や分析・評価等の試験に関してはすべて外部委託している。

具体例として現在、上市されているフィルグラスチムBSでは、産生細胞株を韓国のDong-A ST(旧東亜製薬)から導入し、同社で原薬開発及び商用生産に向けた製造プロセスの開発を行い、完成した原薬を提携先である富士製薬工業に販売している。富士製薬工業は製剤化して自社販売しているほか、持田製薬にも製剤を供給している。国内のフィルグラスチム市場におけるバイオシミラーの比率は、同社開発品が2013年に販売開始されて以降、約5割を占めるまでになっている。バイオシミラーは富士製薬工業や持田製薬以外にも、日本化薬<4272>や武田テバファーマ(株)、沢井製薬<4555>、サンド(株)など複数の製薬メーカーが販売しているが、日本での第3相臨床試験データを保有する富士製薬工業、持田製薬の製品の占有率が高くなっていると見られる。

b) バイオ新薬事業
バイオ新薬事業では、医薬品シーズの探索を行う基礎研究から行うため、自社研究のみならず、大学や研究機関との共同研究も行っている。探索した候補品についての製造や品質、非臨床試験などを必要に応じて国内外の試験受託企業に委託している。その後の臨床開発は膨大な費用が必要となるため、原則として自社では行わず製薬企業へライセンスアウトすることを基本方針としている。

このため、収益モデルとしては主に研究開発段階で共同研究開発契約やライセンス契約を締結し、提携先からの契約一時金や開発の進捗に応じた開発マイルストン収益、並びに販売後のロイヤリティ収益を獲得することになる。ライセンスアウトの実績としては、2007年に科研製薬に抗α9インテグリン抗体(免疫疾患、がん疾患)の独占的開発、製造販売権を供与しているが、実用化に至るまでには相当の研究機関を要すると判断し、協議の結果、契約を解約し同社の開発パイプラインからも外している。

c) 新規バイオ事業
歯髄幹細胞による再生医療等製品の事業では、歯髄幹細胞をニコンで臨床用MCBとして製造・加工し、それを再生医療等製品として研究機関や共同開発先の製薬企業に販売する流れとなる。また、製薬企業と歯髄幹細胞を用いた再生医療等製品の共同開発を実施することで契約一時金や開発マイルストン収益、販売高に応じたロイヤリティ収入を得るビジネスモデルとなる。希少疾患・難病・小児疾患などを開発対象領域とし、単独で開発を進めて販売していく可能性もある。

また、2020年2月に子会社化した日本再生医療で、心臓内幹細胞を用いて小児心機能の改善を目指した再生医療等製品の臨床試験を進めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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配信元: フィスコ
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