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■需給改善で買い戻し優勢
年末年始の新興市場は買い優勢で週間ベースでの上昇が続いた。週半ばまでは一進一退だったが、年末特有の節税対策目的の損出し売りや新規株式公開(IPO)ラッシュが一巡したことで、需給が改善し、大納会にかけては上昇が続いた。年明け大発会は休みの間の米国市場の下落が響き、大幅反落でのスタートを余儀なくされた。ただ、週末にかけては買い戻しが優勢となり、上昇した。なお、昨年12月23日比での騰落率は、日経平均が−1.00%であったのに対して、マザーズ指数は+1.87%、東証グロース市場指数は+1.83%だった。
時価総額上位銘柄では、ANYCOLOR<5032>が+12.5%、M&A総合研究所<9552>が+10.1%、BuySell Technologies<7685>が+8.0%、サンウェルズ<9229>が+8.0%、ジーエヌアイグループ<2160>が+8.0%などと全般上昇。12月第3週(12/19−23)に日本銀行のサプライズ政策修正で急落していた反動もあり、年末の需給悪化要因も解消される中、買い戻しが優勢となった。年末年始の騰落率ランキングでは直近IPO銘柄のmonoAI technology<5240>(+42.7%)のほか、岸田首相の「異次元の少子化対策」発言が手掛かりに人気化したSERIOホールディングス<6567>(+38.8%)などが入った。
■米CPIで買い戻し加速に期待
来週の新興市場は強含みか。今週末に発表された注目の米12月雇用統計は雇用者数の伸びが予想をやや上回った一方、平均時給の伸びが前年比+4.6%と11月(+5.1%)から減速。モメンタムを表す前月比でも+0.3%と11月(+0.6%)から半分の伸びへと減速した。モノのインフレが沈静化し、残る課題はサービス分野のインフレとされているだけに、当該分野のインフレを左右する賃金上昇圧力に緩和の兆しが見られたことは株式市場にとっては好材料だろう。
加えて、景気減速スピードの深刻さを物語っているという点で手放しでは喜べないが、米12月ISM非製造業(サービス業)景気指数が景況感縮小を意味する50割れとなったサプライズは、上述したサービス分野のインフレ沈静化を示唆する意味でポジティブにも捉えられる。
一方、米12月雇用統計は水準としては総じて依然として高いうえ、米11月JOLTS求人件数や米12月ADP雇用リポートは労働市場の逼迫継続を示唆している。米連邦準備制度理事会(FRB)高官からも年明けから市場の利下げ期待を諌めるようなタカ派発言が相次いでおり、単月データの結果のみでは警戒感を完全には払拭できないだろう。しかし、米セントルイス連銀・ブラード総裁によるタカ派色を弱めるような発言もあり、FRBもタカ派一辺倒ではない様子。米金利が幅広い年限で大きく低下していることも新興株にはポジティブに働こう。12日に発表される米12月消費者物価指数(CPI)もインフレ減速を裏付ける結果となれば、目先は買い戻しが優勢となりそうだ。
新興株への投資主体である個人投資家は、年末年始の相場下落時に積極的に押し目買いをしており、日経レバETF<1570>の純資産総額は6日時点で5234億円と高水準に積み上がっている。米インフレ沈静化への期待に基づく買い戻しが週明け以降も続けば、日経平均の上昇を通じて、個人投資家の含み損益も大幅に改善し、新興株への投資余力の拡大につながろう。
一方、日本銀行の追加政策修正への思惑が残り、国内金利の上昇圧力が上値抑制要因として働く可能性には留意しておきたい。
個別では、米インフレ沈静化期待の高まりを背景に、昨年12月以降の株価が低調だった銘柄ほど買い戻しが入りやすいと推察し、業績も悪くないところでJTOWER<4485>、ANYCOLOR、M&A総合研究所、イーディーピー<7794>、eWeLL<5038>などに注目、直近IPOではトリドリ<9337>はポテンシャルが高いと思われ、見直しに期待したい。
<FA>
年末年始の新興市場は買い優勢で週間ベースでの上昇が続いた。週半ばまでは一進一退だったが、年末特有の節税対策目的の損出し売りや新規株式公開(IPO)ラッシュが一巡したことで、需給が改善し、大納会にかけては上昇が続いた。年明け大発会は休みの間の米国市場の下落が響き、大幅反落でのスタートを余儀なくされた。ただ、週末にかけては買い戻しが優勢となり、上昇した。なお、昨年12月23日比での騰落率は、日経平均が−1.00%であったのに対して、マザーズ指数は+1.87%、東証グロース市場指数は+1.83%だった。
時価総額上位銘柄では、ANYCOLOR<5032>が+12.5%、M&A総合研究所<9552>が+10.1%、BuySell Technologies<7685>が+8.0%、サンウェルズ<9229>が+8.0%、ジーエヌアイグループ<2160>が+8.0%などと全般上昇。12月第3週(12/19−23)に日本銀行のサプライズ政策修正で急落していた反動もあり、年末の需給悪化要因も解消される中、買い戻しが優勢となった。年末年始の騰落率ランキングでは直近IPO銘柄のmonoAI technology<5240>(+42.7%)のほか、岸田首相の「異次元の少子化対策」発言が手掛かりに人気化したSERIOホールディングス<6567>(+38.8%)などが入った。
■米CPIで買い戻し加速に期待
来週の新興市場は強含みか。今週末に発表された注目の米12月雇用統計は雇用者数の伸びが予想をやや上回った一方、平均時給の伸びが前年比+4.6%と11月(+5.1%)から減速。モメンタムを表す前月比でも+0.3%と11月(+0.6%)から半分の伸びへと減速した。モノのインフレが沈静化し、残る課題はサービス分野のインフレとされているだけに、当該分野のインフレを左右する賃金上昇圧力に緩和の兆しが見られたことは株式市場にとっては好材料だろう。
加えて、景気減速スピードの深刻さを物語っているという点で手放しでは喜べないが、米12月ISM非製造業(サービス業)景気指数が景況感縮小を意味する50割れとなったサプライズは、上述したサービス分野のインフレ沈静化を示唆する意味でポジティブにも捉えられる。
一方、米12月雇用統計は水準としては総じて依然として高いうえ、米11月JOLTS求人件数や米12月ADP雇用リポートは労働市場の逼迫継続を示唆している。米連邦準備制度理事会(FRB)高官からも年明けから市場の利下げ期待を諌めるようなタカ派発言が相次いでおり、単月データの結果のみでは警戒感を完全には払拭できないだろう。しかし、米セントルイス連銀・ブラード総裁によるタカ派色を弱めるような発言もあり、FRBもタカ派一辺倒ではない様子。米金利が幅広い年限で大きく低下していることも新興株にはポジティブに働こう。12日に発表される米12月消費者物価指数(CPI)もインフレ減速を裏付ける結果となれば、目先は買い戻しが優勢となりそうだ。
新興株への投資主体である個人投資家は、年末年始の相場下落時に積極的に押し目買いをしており、日経レバETF<1570>の純資産総額は6日時点で5234億円と高水準に積み上がっている。米インフレ沈静化への期待に基づく買い戻しが週明け以降も続けば、日経平均の上昇を通じて、個人投資家の含み損益も大幅に改善し、新興株への投資余力の拡大につながろう。
一方、日本銀行の追加政策修正への思惑が残り、国内金利の上昇圧力が上値抑制要因として働く可能性には留意しておきたい。
個別では、米インフレ沈静化期待の高まりを背景に、昨年12月以降の株価が低調だった銘柄ほど買い戻しが入りやすいと推察し、業績も悪くないところでJTOWER<4485>、ANYCOLOR、M&A総合研究所、イーディーピー<7794>、eWeLL<5038>などに注目、直近IPOではトリドリ<9337>はポテンシャルが高いと思われ、見直しに期待したい。
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