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ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングスのニュース
―入国規制緩和で非接触ニーズ再び拡大 外食やホテルの導入加速で成長する銘柄は―
米連邦準備委員会(FRB)の積極的な金融引き締めを背景に米株式市場は揺れているが、東京株式市場は相対的に底堅く推移している。日銀が金融緩和姿勢を堅持するなか外国為替市場では20年ぶりの円安局面にあり、これが日本株の割安感を際立たせている。
こうしたなか、新たな成長市場に光が当たっている。ソフトバンクグループ <9984> [東証P]子会社のソフトバンクロボティクスグループは10日、同社が手掛ける業務用屋内サービスロボットの売り上げが世界ナンバーワンになったと発表。この背景には、ウィズコロナ時代で非接触が求められることに加え、人手不足や人件費の上昇で人材確保の難しさが課題となるなか、配膳・運搬ロボットなど同社製品のニーズが加速度的に増加していることがある。今後も規制緩和による外国人観光客の増加や、都道府県による旅行割引支援「県民割」の利用期限延長が、ホテルや外食産業向け サービスロボットの利用を後押しし、市場拡大に弾みがつきそうだ。
●コロナ禍を経て成長が加速するサービスロボット市場
「サービスロボット」は、工場などで人間の代わりに働く「産業用ロボット」とは区別されており、施設警備や医療・介護、接客、インフラ点検、清掃などで使われるものを指す。経済産業省が2013年7月に公表した「ロボット産業市場動向調査結果」によると、国内のサービスロボットの市場規模は15年は3733億円と推計され、25年には2兆6462億円に拡大する見通し。当時は想定されていなかったコロナ禍による非接触ニーズまで考慮すると、潜在的市場はもっと膨らんでいるといえる。
政府はサービスロボットの普及に積極的な姿勢をみせている。15年に打ち出した「ロボット新戦略」では、日本を世界一のロボット利活用社会にすることを目指すとしており、その後もさまざまな支援補助金やプロジェクトを実施している。とりわけサービスロボットについて、人手不足の解消や労働生産性を高める観点から、医療や介護福祉、飲食などは活用ニーズの高い領域であるとの見解も示している。コロナ禍が落ち着き、経済活動が徐々に正常化する過程において、政府が市場拡大に向けて追加的な支援策を行うとすれば、関連株上昇の“起爆剤”となる可能性もある。
●要注目のサービスロボット5銘柄
今回はサービスロボット分野において戦略的に経営資源を投下している銘柄のなかから、特に注目してみたい有力5銘柄を選抜した。
◎鈴茂器工 <6405> [東証S]
世界初の寿司ロボットを開発した老舗企業で、回転寿司チェーンをはじめ、びっくりドンキー、コストコなど大手スーパーや飲食業ほぼ全てと取り引きしている。22年3月期営業利益は前の期比65.1%増の15億1700万円だったが、続く23年3月期の同利益も前期比18.6%増の18億円と2ケタ増を見込んでいる。年間配当計画は前期比22円増の62円を計画、配当利回りが3%前後と比較的高いのも魅力的だ。株価は2000円前後でのもみ合いを経て、25日・75日移動平均線のゴールデンクロスが目前に迫っている。
◎BIPROGY <8056> [東証P]
情報システム大手で、空運や金融、流通業向けが強みで幅広い分野でソリューションサービスを展開。小売店舗向け業務代行AIロボット「RASFOR」を販売している。RASFORは高性能な自律走行型のロボットで、売価や品切れなど売り場の確認作業を代行する。21年10月には店舗の棚陳列状況を画像解析に基づき数値化し、店舗運営の省力化と売り上げ増を支援する新機能「棚割実態把握機能」を追加した。AIロボットのデータの可視化により、大幅な業務改善が見込めるという。株価は19日に年初来安値2705円をつけた後は反騰態勢にあり、目先押し目買いのスタンスで臨みたい。
◎セック <3741> [東証P]
ロボットや IoTなどリアルタイムソフトウェア技術に強みを持つシステム開発会社。IoT時代に対応した進化が加速しているロボット分野では豊富な開発実績を持ち、無人搬送車や船舶、ドローン、警備向けなど広範囲に受注。23年3月期の単独営業利益は前期比0.7%増の10億7000万円と4期連続で最高益更新を見込み、配当も前期比1円増の62円を計画している。株価は直近動意し、2200円近辺のもみ合いを上放れ年初来高値を更新した。
◎ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングス <4433> [東証P]
家電・通信・食品などの販促支援が主力だが、免税カウンター・免税店や多言語コールセンターの運営や多言語対応の人材派遣のインバウンド関連事業も行う。17日に子会社UsideUが提供するアバター遠隔接客システム「TimeRep(タイムレップ)」において、新宿ワシントンホテルで「アバターコンシェルジュサービス」の提供を開始したと発表。労働人材不足やアフターコロナにおけるインバウンド回復などによる宿泊需要増に対応するソリューションとして採用されたという。業績見通しについては22年8月期営業利益予想を50億円から55億円(前期比14.9%)へ上方修正している。株価は5月中旬を境に戻り歩調を見せているが、依然として上値余地は大きい。
◎USEN-NEXT HOLDINGS <9418> [東証P]
飲食店など向け音楽配信サービスが主力だが、ホテル向け自動精算機・フロント業務管理システムなどの販売を強化している。また、これから開業する店舗、運営中の店舗も含め、最適な自動配膳ロボットやAIを活用したデジタルツールのパッケージ提供を推進するプロジェクト「USENまるっと店舗DX」も展開。2月に発表した25年8月期を最終年度とする中期経営計画では、営業利益最大250億円(21年8月期156億800万円)と高成長を目指す。株価は昨年9月の上場来高値3940円をピークに調整を続け、足もと2000円を挟み一進一退で推移。東証プライム上場の同社は、プライム市場の上場維持基準である流通株式比率35%以上をクリアしておらず「経過措置」の適用を受けている。今後、流動性拡大に向けた取り組みにも期待がかかる。
株探ニュース
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