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ヒトコムHD Research Memo(8):2020年8月期第2四半期は、実質13.2%の増収、17.4%の営業増益

配信元:フィスコ
投稿:2020/06/12 15:18
ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングス<4433>の業績動向

1. 2020年8月期第2四半期の業績概要
2020年8月期第2四半期(累計)の連結業績は、売上高が36,198百万円、営業利益が1,894百万円、経常利益が1,912百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が1,032百万円となった。持株会社としての設立が2019年3月であるため、前年同期の実績値はない。ただし、ヒト・コミュニケーションズと連結の範囲で実質的な変更がないため、それと比較すると売上高が前年同期比13.2%増、営業利益が同17.4%増、経常利益が同18.2%増、親会社株主に帰属する四半期純利益が同14.7%増となる。計画比では、売上高が0.6%(198百万円)増、営業利益が13.4%(224百万円)増、経常利益が13.8%(232百万円)増、親会社株主に帰属する四半期純利益が9.3%(87百万円)増となった。収益性の高いアウトソーシング事業の売上高構成比が大きくなったことで、売上総利益率は前年同期比1.4ポイント上昇。販管費率が上がったものの、売上高営業利益率は、同0.2ポイント増の5.2%になった。

2020年8月期に新たに連結対象となったのは、2019年6月に子会社化したトライアングル(訪日客のランドオペレーション事業)と2018年12月にBBFの子会社となった(株)LOWCAL(システム開発及びインフラ構築事業)の2社である。

事業ごとの動向では、アウトソーシング事業の売上高が11,665百万円、前年同期比23.5%増加し、売上高構成比は2.7ポイント増の32.2%となった。営業利益は1,142百万円と、同26.4%増加した。大手通信キャリアの全国を対象とした新規案件など、通信・モバイル分野を中心に業務運営事務局の受注が大きく増加した。新規連結したグループ会社によるインサイドセールスや、インバウンド需要に対応したランドオペレーティングに加え、スポーツ・ツーリズムなど新たな成長分野の貢献が見られた。

人材派遣事業は、売上高が4,324百万円(同4.3%減)、営業利益が276百万円(同7.3%増)の減収増益となった。大手GMS・食品スーパーを中心に、クライアントが生鮮技師やレジスタッフなどを直雇用に切り替えた影響を受けた。一方、販売系営業支援(クライアントの業績向上を支援する販売業務)の新規案件受注獲得に取り組んだことにより、家電商材において常勤案件を中心に国内主要メーカーからの受注が回復したほか、訪日外国人旅行者向けの人材サービスの受注が増加した。また、継続的な単価交渉による利益率の改善が、営業利益の増加に寄与した。

EC・TC支援事業は、売上高が14,293百万円(同0.5%増)、営業利益は409百万円(同4.8%増)であった。ファッション・スポーツ領域を中心に行っているECサイト運営受託は、一部の既存サイトが売上減となったものの、利益率の高い新規ECサイトの立ち上げが好調に推移した。

ホールセール事業は、売上高が3,707百万円(同2.9%増)、営業利益は162百万円(同84.8%増)と急伸した。国内大手小売店向けの衣料品の商品企画や卸売の営業活動に加え、新規取引先の開拓に注力した。ブランドやコンテンツホルダー、タレントやSNSと協業した商品企画・製造を強化した。企画力を生かした高利益率商品の提案営業の強化及び物流倉庫の集約などのコスト効率化に取り組み、収益性を改善した。

その他は、売上高が2,208百万円(同1,002.1%増)、営業損失は86百万円(前年同期は16百万円の営業損失)を計上した。新規連結したトライアングル及びLOWCALの業績が売上の増加に寄与した。スポーツイベント向けECサイトによる商品の販売が好調に推移し、社会福祉サービスも堅調だった。営業損失の増大は、新規に連結したグループ会社に伴うのれん償却額等の増加によるところが大きい。

2. 財務状況とキャッシュ・フロー計算書
(1) 財務状況
2020年8月期第2四半期末の資産合計は25,449百万円と前期末比919百万円増加した。流動資産は、現金及び預金が742百万円増加したこともあり、963百万円増えた。固定資産は、投資その他資産が746百万円減少したため、44百万円縮小した。負債は、有利子負債が301百万円減少したこともあり、124百万円の増加にとどまった。

財務の安全性の比率では、短期的な支払い能力を見る流動比率が前期末比1.4ポイント増の193.4%、よりシビアな当座比率でも179.7%と高い。同社グループのファッション関連事業はOEM・ODMであり、在庫リスクを負っていない。より長期の財務の安全性を見る自己資本比率は1.2ポイント増の45.1%と良化した。

2019年8月期の経営の総合指標となるROE(自己資本純利益率)は17.1%と前期比1.3ポイント改善した。収益性、回転性、財務レバレッジに分解すると、総資産回転率が低下したものの、収益性と財務レバレッジの上昇がROEを引き上げた。

(2) キャッシュ・フロー計算書
2020年8月期第2四半期末の現金及び現金同等物残高は、前期末比701百万円増の7,497百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローが1,705百万円の収入であった。投資活動によるキャッシュ・フローの支出(△362百万円)と借入金返済によりマイナスとなった財務活動によるキャッシュ・フローを十分にカバーした。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

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配信元: フィスコ
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