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システムインテグレータのニュース
■システムインテグレータ<3826>の今後の見通し
2. 事業セグメント別見通し
(1) Object Browser事業
Object Browser事業は売上高で前期比8.1%増の710百万円、営業利益で同19.4%減の180百万円と増収減益を見込む。コロナ禍の影響で「Object Browser」については横ばい水準で見込んでいる一方で、「OBPM」が売上をけん引する。2021年3月より完全Web版のクラウドサービスとなる「OBPM Neo」としてリブランディングし、販売を開始しているが、これはクライアント環境に依存せずに、いつでもどこでもプロジェクトメンバーの利用が可能となっている。IT業界では海外拠点と連携したDXプロジェクトが増加傾向にあることに加え、テレワーク体制にも対応可能となっており、リモート環境下での統合型プロジェクト管理ツールとして拡販を進めていく方針となっている。なお、新規顧客向けに関してはすべてサブスクリプションモデルでのサービス提供となり、既存顧客についても順次切り替えを進めていく方針となっている。
増収にもかかわらず減益見込みとなっているのは、2年間かけて開発してきた「OBPM Neo」に係る償却費が増加することが主因だ。また、サブスクリプションモデル移行に伴う一時的な利益の伸び悩みは2023年2月期まで続くが、2024年2月期から利益増と収益性向上に貢献するものと予想される。直近2年間は「OBPM Neo」の開発に注力してきたため、機能の拡充まで手が回らなかったが、今後は機能の拡充も図りながら顧客の開拓を進めていく方針だ。なお、「OBPM Neo」の顧客からの評価は高いようで、今後のさらなる成長が期待される。
「OBDZ」については、ユーザーからのフィードバックにより、随時、機能改善に取り組んでおり、製品力をさらに強化することで導入社数の拡大に取り組んでいく。設計工程の標準化による生産性並びに品質の向上、保守・メンテナンスコストの削減に寄与するツールとして潜在需要は大きいと見られることから、今後の成長が期待される。
(2) E-Commerce事業
E-Commerce事業は売上高で前期比20.3%増の1,000百万円、営業利益で同17.9%増の250百万円と2ケタ成長を見込む。EC市場の拡大を背景に、大規模ECサイト構築案件の引き合いが増加しており、現在は能力面から選別受注を行うほどの繁忙状況となっている。このため、今後開発案件の遅れなどが発生しなければ会社計画の達成は可能と見られる。利益率が若干低下するのは、前期に採算の良い案件などが含まれていたこともあるが、保守的な想定となっていると弊社では見ている。
旺盛な需要に応えるための開発リソースの拡大が今後の課題となるが、外注先の開拓に加え、2022年以降はベトナムに開発拠点を新設するなど海外のリソースも活用していく計画となっている。
(3) ERP・AI事業
ERP・AI事業は売上高で前期比12.7%増の3,080百万円、営業利益で同819.5%増の292百万円と増収増益に転じる見通し。このうち、ERP事業は売上高で前期比10.1%増の3,000百万円、営業利益で同179.2%増の365百万円を見込む。前期に計上した受注損失引当金231百万円を除けば、1%増益となる計算だ。企業のDX投資拡大とともにERPの開発需要も旺盛で、足元はすべての引き合いに応えきれないほど受注環境は良好となっている。開発リソースの拡充とともにプロジェクト管理体制の強化も図っており、前期のように不採算プロジェクトが発生しなければ、計画の達成は十分可能と弊社では見ている。
一方、AI事業については売上高で前期比816.7%増の80百万円、営業損失で73百万円(前期は98百万円の損失)を見込む。「AISI∀-AD」の製造現場での実用化案件が下期に見込まれており、売上高も上期の11百万円から下期は69百万円に拡大する計画となっている。前期まで複数社と実証試験に取り組んできたが、このうち2社の製造現場に導入される予定だ。そのうちの1社となるフィルムメーカー向けでは、高速ライン上でのフィルムの傷や汚れ等をカメラとAI、エッジコンピュータなどを使って高精度に自動検査するシステムとなる。同案件を成功事例として、フィルム業界での横展開を進めていくほか、その他の製造業界向けでの実証実験なども並行して進め、開発実績を積み重ねていく方針だ。このため、当面は先行投資段階と位置付けている。
(4) その他
「TOPSIC」の売上高は前期比63.0%増の60百万円、営業損失は92百万円(前期は50百万円の損失)を見込む。損失が拡大するのは、新製品の開発費用34百万円を織り込んでいるためだ。現在、CRM支援ツールなど2つの製品を開発中で、まずは社内で活用したうえで2022年2月期中の完成を目指している。
「TOPSIC」については、サービスメニューの拡充により顧客の開拓を進めていく計画となっている。2021年2月に、業務系でよく使われているデータベース関連の言語であるSQLを対象とした「TOPSIC-SQL」をリリースしており、IT企業向けでの顧客開拓を進めていく。従来はプログラミングの基礎となるアルゴリズム能力をチェックする「TOPSIC-PG」だけだったが、サービスメニューを拡充したことで契約件数の増加を見込んでいる。なお、プログラミングコンテスト「PG Battle」は2021年も開催する予定で、同イベントを通じた認知度のさらなる向上も図っていく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 事業セグメント別見通し
(1) Object Browser事業
Object Browser事業は売上高で前期比8.1%増の710百万円、営業利益で同19.4%減の180百万円と増収減益を見込む。コロナ禍の影響で「Object Browser」については横ばい水準で見込んでいる一方で、「OBPM」が売上をけん引する。2021年3月より完全Web版のクラウドサービスとなる「OBPM Neo」としてリブランディングし、販売を開始しているが、これはクライアント環境に依存せずに、いつでもどこでもプロジェクトメンバーの利用が可能となっている。IT業界では海外拠点と連携したDXプロジェクトが増加傾向にあることに加え、テレワーク体制にも対応可能となっており、リモート環境下での統合型プロジェクト管理ツールとして拡販を進めていく方針となっている。なお、新規顧客向けに関してはすべてサブスクリプションモデルでのサービス提供となり、既存顧客についても順次切り替えを進めていく方針となっている。
増収にもかかわらず減益見込みとなっているのは、2年間かけて開発してきた「OBPM Neo」に係る償却費が増加することが主因だ。また、サブスクリプションモデル移行に伴う一時的な利益の伸び悩みは2023年2月期まで続くが、2024年2月期から利益増と収益性向上に貢献するものと予想される。直近2年間は「OBPM Neo」の開発に注力してきたため、機能の拡充まで手が回らなかったが、今後は機能の拡充も図りながら顧客の開拓を進めていく方針だ。なお、「OBPM Neo」の顧客からの評価は高いようで、今後のさらなる成長が期待される。
「OBDZ」については、ユーザーからのフィードバックにより、随時、機能改善に取り組んでおり、製品力をさらに強化することで導入社数の拡大に取り組んでいく。設計工程の標準化による生産性並びに品質の向上、保守・メンテナンスコストの削減に寄与するツールとして潜在需要は大きいと見られることから、今後の成長が期待される。
(2) E-Commerce事業
E-Commerce事業は売上高で前期比20.3%増の1,000百万円、営業利益で同17.9%増の250百万円と2ケタ成長を見込む。EC市場の拡大を背景に、大規模ECサイト構築案件の引き合いが増加しており、現在は能力面から選別受注を行うほどの繁忙状況となっている。このため、今後開発案件の遅れなどが発生しなければ会社計画の達成は可能と見られる。利益率が若干低下するのは、前期に採算の良い案件などが含まれていたこともあるが、保守的な想定となっていると弊社では見ている。
旺盛な需要に応えるための開発リソースの拡大が今後の課題となるが、外注先の開拓に加え、2022年以降はベトナムに開発拠点を新設するなど海外のリソースも活用していく計画となっている。
(3) ERP・AI事業
ERP・AI事業は売上高で前期比12.7%増の3,080百万円、営業利益で同819.5%増の292百万円と増収増益に転じる見通し。このうち、ERP事業は売上高で前期比10.1%増の3,000百万円、営業利益で同179.2%増の365百万円を見込む。前期に計上した受注損失引当金231百万円を除けば、1%増益となる計算だ。企業のDX投資拡大とともにERPの開発需要も旺盛で、足元はすべての引き合いに応えきれないほど受注環境は良好となっている。開発リソースの拡充とともにプロジェクト管理体制の強化も図っており、前期のように不採算プロジェクトが発生しなければ、計画の達成は十分可能と弊社では見ている。
一方、AI事業については売上高で前期比816.7%増の80百万円、営業損失で73百万円(前期は98百万円の損失)を見込む。「AISI∀-AD」の製造現場での実用化案件が下期に見込まれており、売上高も上期の11百万円から下期は69百万円に拡大する計画となっている。前期まで複数社と実証試験に取り組んできたが、このうち2社の製造現場に導入される予定だ。そのうちの1社となるフィルムメーカー向けでは、高速ライン上でのフィルムの傷や汚れ等をカメラとAI、エッジコンピュータなどを使って高精度に自動検査するシステムとなる。同案件を成功事例として、フィルム業界での横展開を進めていくほか、その他の製造業界向けでの実証実験なども並行して進め、開発実績を積み重ねていく方針だ。このため、当面は先行投資段階と位置付けている。
(4) その他
「TOPSIC」の売上高は前期比63.0%増の60百万円、営業損失は92百万円(前期は50百万円の損失)を見込む。損失が拡大するのは、新製品の開発費用34百万円を織り込んでいるためだ。現在、CRM支援ツールなど2つの製品を開発中で、まずは社内で活用したうえで2022年2月期中の完成を目指している。
「TOPSIC」については、サービスメニューの拡充により顧客の開拓を進めていく計画となっている。2021年2月に、業務系でよく使われているデータベース関連の言語であるSQLを対象とした「TOPSIC-SQL」をリリースしており、IT企業向けでの顧客開拓を進めていく。従来はプログラミングの基礎となるアルゴリズム能力をチェックする「TOPSIC-PG」だけだったが、サービスメニューを拡充したことで契約件数の増加を見込んでいる。なお、プログラミングコンテスト「PG Battle」は2021年も開催する予定で、同イベントを通じた認知度のさらなる向上も図っていく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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