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昭栄薬品のニュース
■会社概要
3. 昭栄薬品<3537>の強み
(1) 情報力に基づく付加価値の創造と提供
同社の強みとしてまず挙げられるのは、オレオケミカルを中心に事業を展開していることからくる、高度な専門性と、圧倒的な情報力だ。業界リーダーの地位にある花王の主要代理店であると同時に、仕入先で400社超、販売先で700社超という多数の取引先の存在がその裏付けとなっている。
かつては商社不要論が唱えられた時期もあったが、今では風向きが大きく変化してきている。その大きな理由は商社の有する情報提供力が評価されていることがまず挙げられる。逆に言えば情報や技術を持たない商社はやはり厳しい事業環境が続いていると言えるが、特化型化学品専門商社である同社はそれがある。それに加え、メーカー側も業務の効率化の結果、調達などの分野の人員が極限まで縮小され、業務をアウトソーシングせざるを得なくなってきているという事情がある。同社のように情報などの実を伴った商社に対するニーズは以前よりも高まっていると言える。
同社のもう1つの強みは海外子会社2社(中国、タイ)と連携した海外化学品のグローバル調達力だ。ここでもまた、得意領域のオレオケミカル及び界面活性剤にフォーカスして事業を展開し、海外から調達・輸入して国内工場に供給することはもちろん、現地で調達して日本企業の現地企業に供給することも行っている。海外に拠点を有してアジア・中国地域のフレッシュな(企業や製品に関する)ローカル情報を有している点は顧客からの信用獲得にも大きく寄与しているとみられる。
(2)環境への高い意識
同社は環境に対して高い意識を持って経営を行っている。社会的にはSDGsが、投資にあってはESGが、ますます存在感と重要性を増している現在の社会環境にあっては、経営における環境意識の高さもまた“強み”に成り得ると考えられる。
同社の主力事業であるオレオケミカルは、主として植物由来の天然油脂を原料とした化学プロセス・化学製品である点で、安心・安全への期待から、ペトロケミカル(石油化学)を一部代替して成長・発展を遂げてきた。
そうしたなか同社は、2017年3月にRSPOへの正会員として加盟登録を果たした。RSPOとはRoundtable on Sustainable Palm Oil、“持続可能なパーム油の生産と利用を促進するための円卓会議”の略だ。パーム油は最も消費量が多い植物油で、主産地のインドネシアやマレーシアではパーム油の農園開発に絡んで環境破壊や人権問題などが問題視されている。安心・安全をアピールポイントにペトロケミカルを代替してきたオレオケミカルが、他方では自然破壊や人権侵害をしているようなことは可能な限り回避しなければならないことは言うまでもない。これへの対処の目的で2004年にRSPOによる認証制度がスタートした。同社はRSPOに加盟登録を果たしたことで、RSPO認証品の取扱いが可能となり、環境意識、環境規制の高まりの中、事業の実態面でも少なからずメリットが得られると期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
<SF>
3. 昭栄薬品<3537>の強み
(1) 情報力に基づく付加価値の創造と提供
同社の強みとしてまず挙げられるのは、オレオケミカルを中心に事業を展開していることからくる、高度な専門性と、圧倒的な情報力だ。業界リーダーの地位にある花王の主要代理店であると同時に、仕入先で400社超、販売先で700社超という多数の取引先の存在がその裏付けとなっている。
かつては商社不要論が唱えられた時期もあったが、今では風向きが大きく変化してきている。その大きな理由は商社の有する情報提供力が評価されていることがまず挙げられる。逆に言えば情報や技術を持たない商社はやはり厳しい事業環境が続いていると言えるが、特化型化学品専門商社である同社はそれがある。それに加え、メーカー側も業務の効率化の結果、調達などの分野の人員が極限まで縮小され、業務をアウトソーシングせざるを得なくなってきているという事情がある。同社のように情報などの実を伴った商社に対するニーズは以前よりも高まっていると言える。
同社のもう1つの強みは海外子会社2社(中国、タイ)と連携した海外化学品のグローバル調達力だ。ここでもまた、得意領域のオレオケミカル及び界面活性剤にフォーカスして事業を展開し、海外から調達・輸入して国内工場に供給することはもちろん、現地で調達して日本企業の現地企業に供給することも行っている。海外に拠点を有してアジア・中国地域のフレッシュな(企業や製品に関する)ローカル情報を有している点は顧客からの信用獲得にも大きく寄与しているとみられる。
(2)環境への高い意識
同社は環境に対して高い意識を持って経営を行っている。社会的にはSDGsが、投資にあってはESGが、ますます存在感と重要性を増している現在の社会環境にあっては、経営における環境意識の高さもまた“強み”に成り得ると考えられる。
同社の主力事業であるオレオケミカルは、主として植物由来の天然油脂を原料とした化学プロセス・化学製品である点で、安心・安全への期待から、ペトロケミカル(石油化学)を一部代替して成長・発展を遂げてきた。
そうしたなか同社は、2017年3月にRSPOへの正会員として加盟登録を果たした。RSPOとはRoundtable on Sustainable Palm Oil、“持続可能なパーム油の生産と利用を促進するための円卓会議”の略だ。パーム油は最も消費量が多い植物油で、主産地のインドネシアやマレーシアではパーム油の農園開発に絡んで環境破壊や人権問題などが問題視されている。安心・安全をアピールポイントにペトロケミカルを代替してきたオレオケミカルが、他方では自然破壊や人権侵害をしているようなことは可能な限り回避しなければならないことは言うまでもない。これへの対処の目的で2004年にRSPOによる認証制度がスタートした。同社はRSPOに加盟登録を果たしたことで、RSPO認証品の取扱いが可能となり、環境意識、環境規制の高まりの中、事業の実態面でも少なからずメリットが得られると期待される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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