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サンマルクホールディングスのニュース
*12:41JST サンマルクHD Research Memo(1):2024年3月期は大幅増収増益。2025年3月期は2ケタ営業増益予想
■要約
サンマルクホールディングス<3395>はレストラン業態やカフェ業態を中心に複数業態を全国展開する大手外食チェーンである。創業以来の経営理念に「We Create the Prime Time for you」(私たちはお客様にとって最高のひとときを創造します。)を掲げ、人々のより豊かな心と生活の形成に「食」を通じて貢献することを目指している。セントラルキッチンを持たずに店内で調理を行うことにこだわりがあり、洋食レストラン「ベーカリーレストラン・サンマルク」、スパゲティ専門店「生麺専門鎌倉パスタ」、コーヒーショップ「サンマルクカフェ」などを展開し、それぞれの業態で独自の強みを持って展開している。
1. 2024年3月期は修正予想を上回る大幅増収増益
2024年3月期の連結業績は売上高が前期比11.6%増の64,556百万円、営業利益が同993.7%増の2,620百万円、経常利益が同72.4%増の2,753百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同132.8%増の969百万円と、2023年11月の上方修正値を上回る大幅増収増益で着地した。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)からの経済活動再開や人流回復によってレストラン事業、喫茶事業とも売上回復基調が鮮明になった。不採算店整理によって店舗数が減少しているため連結売上高はコロナ禍以前の水準に回復していないが、店舗ベースの売上高はコロナ禍以前の水準を約3%上回った。各業態における既存店売上回復に向けた各種施策も奏功した。利益面では増収効果や適切なコストコントロール効果などで既存店の収益性が向上し、不採算店整理に伴う固定費負担軽減効果も寄与した。なお営業外収益では2023年3月期に計上した感染拡大防止協力金1,081百万円が剥落した。特別損失では不採算店整理に伴う減損損失が641百万円減少(2023年3月期は1,429百万円、2024年3月期は788百万円)したほか、関係会社株式評価損133百万円を計上した。
2. 2025年3月期は2ケタ営業増益を予想、さらに上振れの可能性
2025年3月期の連結業績予想は売上高が前期比0.9%減の64,000百万円、営業利益が同14.5%増の3,000百万円、経常利益が同9.0%増の3,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同116.6%増の2,100百万円としている。売上高は前期までの不採算店整理の影響が残るため小幅減収となるが、営業利益は適切なコストコントロールなどにより2ケタ増益予想としている。親会社株主に帰属する当期純利益については2024年3月期に比べて減損損失が減少する見込みだ。業績予想の前提としては、店舗展開については新規出店が25〜35店舗で退店が25〜30店舗、既存店売上については100.0%をやや上回る水準、原価率については同0.1ポイント程度悪化する見込みとしている。店舗展開は「生麺専門鎌倉パスタ」や派生業態を中心に新規出店を進める方針としている。会社予想は既存店売上や原価率の想定を中心に全体として保守的な印象が強く、既存店売上が会社想定を上回る水準(2024年6月は113.9%)で推移していること、コストアップに対応した価格改定の進展や「プレミアムチョコクロ」シリーズのヒットなどにより想定以上に客単価上昇効果が見られること、不採算店整理の進展によって固定費負担の軽減により利益が出やすい収益体質になっていること、さらに売上拡大や収益性向上に向けて継続的に取り組んでいるそのほかの各種施策の効果が一段と積み上がることなども勘案すれば、弊社では上振れの可能性が高いだろうと考えている。
3. 中期経営計画を更新、第3のブランド確立に向けた投資も推進
同社は、コロナ禍にあった2021年5月に2022年3月期~2026年3月期を対象年度とする中期経営計画を策定したが、その後の外部環境の変化を受けて2024年5月に2025年3月期~2029年3月期を対象とする新中期経営計画に更新した。新たな目標値として、2026年3月期に売上高66,000百万円、営業利益3,800百万円、最終年度の2029年3月期に売上高80,000百万円、営業利益6,500百万円を掲げた。最終年度の目標を達成するために2026年3月期までを体制構築の期間と位置付けて、1) 「生麺専門鎌倉パスタ」業態及び派生業態の継続出店によるパスタ業態のポテンシャル最大化、2) 「サンマルクカフェ」業態を中心とする運営効率の改善、3) 既存の有望業態の強化やM&Aによる新ブランドの獲得など2027年3月期以降の成長の軸となる第3のブランド確立に向けた投資、を重点施策としている。長期的なブランド・ポートフォリオのイメージとしては、売上規模は大きいが収益性の低い「サンマルクカフェ」は主力ブランドに向けた収益性の改善、売上規模は小さいが収益性の高い「神戸元町ドリア」は主力ブランドに向けた売上規模の拡大などを推進する方針だ。
■Key Points
・2024年3月期は修正予想を上回る大幅増収増益
・2025年3月期は2ケタ営業増益を予想、さらに上振れの可能性
・中期経営計画を更新、第3のブランド確立に向けた投資も推進
・新たなブランド・ポートフォリオ構築の進捗状況に注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<SO>
サンマルクホールディングス<3395>はレストラン業態やカフェ業態を中心に複数業態を全国展開する大手外食チェーンである。創業以来の経営理念に「We Create the Prime Time for you」(私たちはお客様にとって最高のひとときを創造します。)を掲げ、人々のより豊かな心と生活の形成に「食」を通じて貢献することを目指している。セントラルキッチンを持たずに店内で調理を行うことにこだわりがあり、洋食レストラン「ベーカリーレストラン・サンマルク」、スパゲティ専門店「生麺専門鎌倉パスタ」、コーヒーショップ「サンマルクカフェ」などを展開し、それぞれの業態で独自の強みを持って展開している。
1. 2024年3月期は修正予想を上回る大幅増収増益
2024年3月期の連結業績は売上高が前期比11.6%増の64,556百万円、営業利益が同993.7%増の2,620百万円、経常利益が同72.4%増の2,753百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同132.8%増の969百万円と、2023年11月の上方修正値を上回る大幅増収増益で着地した。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)からの経済活動再開や人流回復によってレストラン事業、喫茶事業とも売上回復基調が鮮明になった。不採算店整理によって店舗数が減少しているため連結売上高はコロナ禍以前の水準に回復していないが、店舗ベースの売上高はコロナ禍以前の水準を約3%上回った。各業態における既存店売上回復に向けた各種施策も奏功した。利益面では増収効果や適切なコストコントロール効果などで既存店の収益性が向上し、不採算店整理に伴う固定費負担軽減効果も寄与した。なお営業外収益では2023年3月期に計上した感染拡大防止協力金1,081百万円が剥落した。特別損失では不採算店整理に伴う減損損失が641百万円減少(2023年3月期は1,429百万円、2024年3月期は788百万円)したほか、関係会社株式評価損133百万円を計上した。
2. 2025年3月期は2ケタ営業増益を予想、さらに上振れの可能性
2025年3月期の連結業績予想は売上高が前期比0.9%減の64,000百万円、営業利益が同14.5%増の3,000百万円、経常利益が同9.0%増の3,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同116.6%増の2,100百万円としている。売上高は前期までの不採算店整理の影響が残るため小幅減収となるが、営業利益は適切なコストコントロールなどにより2ケタ増益予想としている。親会社株主に帰属する当期純利益については2024年3月期に比べて減損損失が減少する見込みだ。業績予想の前提としては、店舗展開については新規出店が25〜35店舗で退店が25〜30店舗、既存店売上については100.0%をやや上回る水準、原価率については同0.1ポイント程度悪化する見込みとしている。店舗展開は「生麺専門鎌倉パスタ」や派生業態を中心に新規出店を進める方針としている。会社予想は既存店売上や原価率の想定を中心に全体として保守的な印象が強く、既存店売上が会社想定を上回る水準(2024年6月は113.9%)で推移していること、コストアップに対応した価格改定の進展や「プレミアムチョコクロ」シリーズのヒットなどにより想定以上に客単価上昇効果が見られること、不採算店整理の進展によって固定費負担の軽減により利益が出やすい収益体質になっていること、さらに売上拡大や収益性向上に向けて継続的に取り組んでいるそのほかの各種施策の効果が一段と積み上がることなども勘案すれば、弊社では上振れの可能性が高いだろうと考えている。
3. 中期経営計画を更新、第3のブランド確立に向けた投資も推進
同社は、コロナ禍にあった2021年5月に2022年3月期~2026年3月期を対象年度とする中期経営計画を策定したが、その後の外部環境の変化を受けて2024年5月に2025年3月期~2029年3月期を対象とする新中期経営計画に更新した。新たな目標値として、2026年3月期に売上高66,000百万円、営業利益3,800百万円、最終年度の2029年3月期に売上高80,000百万円、営業利益6,500百万円を掲げた。最終年度の目標を達成するために2026年3月期までを体制構築の期間と位置付けて、1) 「生麺専門鎌倉パスタ」業態及び派生業態の継続出店によるパスタ業態のポテンシャル最大化、2) 「サンマルクカフェ」業態を中心とする運営効率の改善、3) 既存の有望業態の強化やM&Aによる新ブランドの獲得など2027年3月期以降の成長の軸となる第3のブランド確立に向けた投資、を重点施策としている。長期的なブランド・ポートフォリオのイメージとしては、売上規模は大きいが収益性の低い「サンマルクカフェ」は主力ブランドに向けた収益性の改善、売上規模は小さいが収益性の高い「神戸元町ドリア」は主力ブランドに向けた売上規模の拡大などを推進する方針だ。
■Key Points
・2024年3月期は修正予想を上回る大幅増収増益
・2025年3月期は2ケタ営業増益を予想、さらに上振れの可能性
・中期経営計画を更新、第3のブランド確立に向けた投資も推進
・新たなブランド・ポートフォリオ構築の進捗状況に注目
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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