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日経平均は4日続伸。262.07円高の24367.35円(出来高概算5億8000万株)で前場の取引を終えている。
5日の米株式市場でNYダウは4日続伸し、542ドル高となった。大統領選で民主党候補のバイデン前副大統領が獲得選挙人数を拡大したため、想定より早く結果が判明するとの期待が高まった。また、連邦公開市場委員会(FOMC)では予想どおり金融緩和策の維持が決まった。パウエル連邦準備理事会(FRB)議長が一段とハト派姿勢を強めたこともあり、長期にわたり大規模緩和が維持されるとの見方が強まった。本日の日経平均は円高を嫌気して29円安からスタートしたものの、米株高を支援材料としてプラス転換。引けにかけて一時24375.44円(270.16円高)まで上昇し、終値ベースのバブル崩壊後高値(24270.62円、2018年10月2日)を上回る場面があった。
個別では、前日にストップ高比例配分となったエーザイ<4523>が7%を超える上昇。
前日の決算発表銘柄では任天堂<7974>やダイキン<6367>が買われており、本日後場の取引時間中に決算発表が控えているトヨタ自<7203>も堅調ぶりが目立つ。その他売買代金上位ではファーストリテ<9983>などがしっかり。また、BEENOS<3328>などが東証1部上昇率上位に顔を出し、日本アG<3751>やアルペン<3028>はストップ高水準での買い気配が続いている。一方、ソフトバンクG<9984>は出資する中国アリババ集団の決算を受けて軟調。ソニー<6758>やキーエンス<6861>は利益確定売り優勢となっている。SUMCO<3436>は決算が嫌気されて3%超の下落。また、古河電工<5801>などが東証1部下落率上位に顔を出している。
セクターでは、鉄鋼、機械、海運業などが上昇率上位で、その他も全般堅調。不動産業、医薬品の2業種のみ下落した。東証1部の値上がり銘柄は全体の63%、対して値下がり銘柄は33%となっている。
米大統領選を巡っては、なお開票が続く接戦のネバダ州をバイデン氏が制すことができれば当選へ大きく近づくことから、「バイデン大統領、ねじれ議会誕生」の線が一段と強まってきたと受け止められているようだ。共和党のトランプ陣営が法廷闘争に持ち込む構えを見せており、なお情勢は流動的な印象も受けるが、「バスに乗り遅れてはいけない」とのムードが醸成されているのだろう。なにせコロナショック後の戻り相場でファンド勢は売り向かい、6月ごろには多くの運用者が敗北を認めざるを得ない状況になってしまった。もちろん主要中央銀行による大規模な金融緩和で空前のカネあまりとなっていることも大きく影響しているだろう。
前日の当欄で今回のFOMCの重要性を述べたが、パウエル氏は会見で量的緩和を拡充する可能性をも示唆した。メディアでの取り扱いは大統領選の影に隠れがちとなってしまっているが、新型コロナウイルス再拡大や政治の停滞が懸念されるなか、追加緩和への期待が市場心理を支える役割を果たしていると考えられる。
ただ、個別株の物色動向としては前日と異なる動きも見られ、週末を前にグロース
(成長)株に利益確定の売りが出る一方、景気敏感株に買いが入っている。共和党上院のマコネル院内総務が年内にも追加経済対策を承認する必要があるなどと述べたことが手掛かりだろう。日経平均がバブル崩壊後の戻り高値水準まで上昇し、出遅れ銘柄に投資資金が向かいやすい面もあると考えられる。
こうしたなか、本日は後場の取引が始まってすぐの12時45分にトヨタ自が2021年3月期上期(20年4-9月)決算を発表、同50分から説明会を開催する予定となっている。第1四半期決算では大方の予想に反し黒字を確保し、収益力の強さを印象付けた。ただ、株価はPBR(株価純資産倍率)1倍レベルまで上昇するともみ合いで推移してきた。なお、上期営業利益の市場予想コンセンサスは3000~4000億円程度、通期では1兆2000億円程度(現在の会社計画は5000億円)とみられる。景気敏感株の先行きを占ううえで今回の決算と株価反応にも注目しておきたい。
(小林大純)
<AK>
5日の米株式市場でNYダウは4日続伸し、542ドル高となった。大統領選で民主党候補のバイデン前副大統領が獲得選挙人数を拡大したため、想定より早く結果が判明するとの期待が高まった。また、連邦公開市場委員会(FOMC)では予想どおり金融緩和策の維持が決まった。パウエル連邦準備理事会(FRB)議長が一段とハト派姿勢を強めたこともあり、長期にわたり大規模緩和が維持されるとの見方が強まった。本日の日経平均は円高を嫌気して29円安からスタートしたものの、米株高を支援材料としてプラス転換。引けにかけて一時24375.44円(270.16円高)まで上昇し、終値ベースのバブル崩壊後高値(24270.62円、2018年10月2日)を上回る場面があった。
個別では、前日にストップ高比例配分となったエーザイ<4523>が7%を超える上昇。
前日の決算発表銘柄では任天堂<7974>やダイキン<6367>が買われており、本日後場の取引時間中に決算発表が控えているトヨタ自<7203>も堅調ぶりが目立つ。その他売買代金上位ではファーストリテ<9983>などがしっかり。また、BEENOS<3328>などが東証1部上昇率上位に顔を出し、日本アG<3751>やアルペン<3028>はストップ高水準での買い気配が続いている。一方、ソフトバンクG<9984>は出資する中国アリババ集団の決算を受けて軟調。ソニー<6758>やキーエンス<6861>は利益確定売り優勢となっている。SUMCO<3436>は決算が嫌気されて3%超の下落。また、古河電工<5801>などが東証1部下落率上位に顔を出している。
セクターでは、鉄鋼、機械、海運業などが上昇率上位で、その他も全般堅調。不動産業、医薬品の2業種のみ下落した。東証1部の値上がり銘柄は全体の63%、対して値下がり銘柄は33%となっている。
米大統領選を巡っては、なお開票が続く接戦のネバダ州をバイデン氏が制すことができれば当選へ大きく近づくことから、「バイデン大統領、ねじれ議会誕生」の線が一段と強まってきたと受け止められているようだ。共和党のトランプ陣営が法廷闘争に持ち込む構えを見せており、なお情勢は流動的な印象も受けるが、「バスに乗り遅れてはいけない」とのムードが醸成されているのだろう。なにせコロナショック後の戻り相場でファンド勢は売り向かい、6月ごろには多くの運用者が敗北を認めざるを得ない状況になってしまった。もちろん主要中央銀行による大規模な金融緩和で空前のカネあまりとなっていることも大きく影響しているだろう。
前日の当欄で今回のFOMCの重要性を述べたが、パウエル氏は会見で量的緩和を拡充する可能性をも示唆した。メディアでの取り扱いは大統領選の影に隠れがちとなってしまっているが、新型コロナウイルス再拡大や政治の停滞が懸念されるなか、追加緩和への期待が市場心理を支える役割を果たしていると考えられる。
ただ、個別株の物色動向としては前日と異なる動きも見られ、週末を前にグロース
(成長)株に利益確定の売りが出る一方、景気敏感株に買いが入っている。共和党上院のマコネル院内総務が年内にも追加経済対策を承認する必要があるなどと述べたことが手掛かりだろう。日経平均がバブル崩壊後の戻り高値水準まで上昇し、出遅れ銘柄に投資資金が向かいやすい面もあると考えられる。
こうしたなか、本日は後場の取引が始まってすぐの12時45分にトヨタ自が2021年3月期上期(20年4-9月)決算を発表、同50分から説明会を開催する予定となっている。第1四半期決算では大方の予想に反し黒字を確保し、収益力の強さを印象付けた。ただ、株価はPBR(株価純資産倍率)1倍レベルまで上昇するともみ合いで推移してきた。なお、上期営業利益の市場予想コンセンサスは3000~4000億円程度、通期では1兆2000億円程度(現在の会社計画は5000億円)とみられる。景気敏感株の先行きを占ううえで今回の決算と株価反応にも注目しておきたい。
(小林大純)
<AK>
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