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シュッピンのニュース
■要約
シュッピン<3179>はカメラや高級腕時計など「価値あるもの」に特化したEC(eコマース)企業。中古品と新品のそれぞれのニーズの違いや商品特性の違いを生かし、中古品と新品が相互に作用し合いながら会員基盤の拡大や業績の伸びを実現してきた。最近では、独自のEC買取やOne-to-Oneマーケティング、CGMの活用などにも取り組み、プラットフォーム型事業モデルとして進化を続けている。
1. 2020年3月期の業績
2020年3月期の業績は、売上高が前期比0.1%増の34,658百万円、営業利益が同21.5%増の1,754百万円と微増収ながら大幅な増益となった。「時計事業」「筆記具事業」「自転車事業」が伸長した一方、主力の「カメラ事業」が落ち込んだことにより、売上高全体では微増にとどまった。特に、カメラ、時計ともに中古品の売上は好調であったものの、消費増税に伴う消費の冷え込みやポイント還元対象となっていないこと(詳細は後述)などの要因により新品が低調に推移。とりわけカメラの新品については、新製品の発売延期や新型コロナウイルス感染拡大の影響(インバウンド需要の減少)など外部要因もあり下振れた。一方、利益面では、One to Oneマーケティングの活用強化、仕入れ機能強化によって、中古カメラの粗利益率が改善し、全体の粗利益率は前期から1.8ポイント向上した。加えて中古品の構成比が高まったこともあり、大幅な営業増益を実現した。
2.主な活動実績
これまで取り組んできたOne-to-Oneマーケティングが軌道に乗ってきたことに加え、CGM※の活用等によるプラットフォーム型事業モデルが稼働を開始し、Web会員数は約45.6万名(前期末比12.2%増)と順調に拡大。アクティブ率も高い水準を維持している。また、「カメラ事業」とともに成長ドライバーとして位置付けている「時計事業」についても、レディース腕時計専用サイトの立ち上げやグローバル展開など今後の成長に向けて体制を整えることができた。
※Consumer Generated Mediaの略。掲示板や口コミサイトなど一般ユーザーが参加してコンテンツができるメディアのこと。
3. 2021年3月期の業績予想
2021年3月期の業績予想について同社は、売上高を前期比9.1%減の31,509百万円、営業利益を同29.6%減の1,228百万円と減収減益を見込んでいる。売上高は、引き続きカメラ及び時計のEC中古品売上高が順調に推移する見通しである。ただ、減収予想となっているのは、新型コロナウイルス感染拡大に伴う「緊急事態宣言」発令により実店舗が一時休業(4月11日~5月25日)したこと、実店舗再開以降の店舗売上についても緩やかな立ち上がりを見込んでいることなどが理由であり、とりわけ店舗売上が大きく落ち込む想定となっている。利益面でも、減収により減益となるものの、中長期的な成長持続のための投資は継続していく考えだ。特に、ECの成長を加速させるため、「AIMD×One-to-One」「1カテゴリ=1オフィス」「EC+CGM」の3つの仕組みを導入していく計画である。
4. 成長戦略
同社は、毎年向こう3ヶ年の中期経営計画を更新(ローリング)しているが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により先行きに不透明感があることから、新たな3ヶ年の中期経営計画については現時点で非公表としている。ただ、今後の方向性に大きな修正はない。引き続き、「カメラ事業」「時計事業」におけるECを軸として、成長を加速していく戦略である。特に、プラットフォーム化によるシェア拡大のほか、レディース時計事業の強化、グローバル展開にも取り組んでいく。
■Key Points
・2020年3月期は消費増税の影響等を受けたものの、中古カメラの粗利益率の改善と中古品が好調に推移したことで、大幅な営業増益を実現。特に、中古カメラの粗利益率の改善により、売上高成長以上に利益成長が可能となるビジネスモデル体制をより強固にすることができた
・One-to-Oneマーケティングの本格稼働やCGMを活用したプラットフォーム化にも一定の成果
・2021年3月期は新型コロナウイルス感染拡大の影響(とりわけ店舗売上高の落ち込み)により減収減益となる見通し
・ECの成長加速に向けて、「AIMD×One-to-One」「1カテゴリ=1オフィス」「EC+CGM」の3つの仕組みを導入する計画
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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シュッピン<3179>はカメラや高級腕時計など「価値あるもの」に特化したEC(eコマース)企業。中古品と新品のそれぞれのニーズの違いや商品特性の違いを生かし、中古品と新品が相互に作用し合いながら会員基盤の拡大や業績の伸びを実現してきた。最近では、独自のEC買取やOne-to-Oneマーケティング、CGMの活用などにも取り組み、プラットフォーム型事業モデルとして進化を続けている。
1. 2020年3月期の業績
2020年3月期の業績は、売上高が前期比0.1%増の34,658百万円、営業利益が同21.5%増の1,754百万円と微増収ながら大幅な増益となった。「時計事業」「筆記具事業」「自転車事業」が伸長した一方、主力の「カメラ事業」が落ち込んだことにより、売上高全体では微増にとどまった。特に、カメラ、時計ともに中古品の売上は好調であったものの、消費増税に伴う消費の冷え込みやポイント還元対象となっていないこと(詳細は後述)などの要因により新品が低調に推移。とりわけカメラの新品については、新製品の発売延期や新型コロナウイルス感染拡大の影響(インバウンド需要の減少)など外部要因もあり下振れた。一方、利益面では、One to Oneマーケティングの活用強化、仕入れ機能強化によって、中古カメラの粗利益率が改善し、全体の粗利益率は前期から1.8ポイント向上した。加えて中古品の構成比が高まったこともあり、大幅な営業増益を実現した。
2.主な活動実績
これまで取り組んできたOne-to-Oneマーケティングが軌道に乗ってきたことに加え、CGM※の活用等によるプラットフォーム型事業モデルが稼働を開始し、Web会員数は約45.6万名(前期末比12.2%増)と順調に拡大。アクティブ率も高い水準を維持している。また、「カメラ事業」とともに成長ドライバーとして位置付けている「時計事業」についても、レディース腕時計専用サイトの立ち上げやグローバル展開など今後の成長に向けて体制を整えることができた。
※Consumer Generated Mediaの略。掲示板や口コミサイトなど一般ユーザーが参加してコンテンツができるメディアのこと。
3. 2021年3月期の業績予想
2021年3月期の業績予想について同社は、売上高を前期比9.1%減の31,509百万円、営業利益を同29.6%減の1,228百万円と減収減益を見込んでいる。売上高は、引き続きカメラ及び時計のEC中古品売上高が順調に推移する見通しである。ただ、減収予想となっているのは、新型コロナウイルス感染拡大に伴う「緊急事態宣言」発令により実店舗が一時休業(4月11日~5月25日)したこと、実店舗再開以降の店舗売上についても緩やかな立ち上がりを見込んでいることなどが理由であり、とりわけ店舗売上が大きく落ち込む想定となっている。利益面でも、減収により減益となるものの、中長期的な成長持続のための投資は継続していく考えだ。特に、ECの成長を加速させるため、「AIMD×One-to-One」「1カテゴリ=1オフィス」「EC+CGM」の3つの仕組みを導入していく計画である。
4. 成長戦略
同社は、毎年向こう3ヶ年の中期経営計画を更新(ローリング)しているが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により先行きに不透明感があることから、新たな3ヶ年の中期経営計画については現時点で非公表としている。ただ、今後の方向性に大きな修正はない。引き続き、「カメラ事業」「時計事業」におけるECを軸として、成長を加速していく戦略である。特に、プラットフォーム化によるシェア拡大のほか、レディース時計事業の強化、グローバル展開にも取り組んでいく。
■Key Points
・2020年3月期は消費増税の影響等を受けたものの、中古カメラの粗利益率の改善と中古品が好調に推移したことで、大幅な営業増益を実現。特に、中古カメラの粗利益率の改善により、売上高成長以上に利益成長が可能となるビジネスモデル体制をより強固にすることができた
・One-to-Oneマーケティングの本格稼働やCGMを活用したプラットフォーム化にも一定の成果
・2021年3月期は新型コロナウイルス感染拡大の影響(とりわけ店舗売上高の落ち込み)により減収減益となる見通し
・ECの成長加速に向けて、「AIMD×One-to-One」「1カテゴリ=1オフィス」「EC+CGM」の3つの仕組みを導入する計画
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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