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ラクト・ジャパンのニュース
*13:07JST ラクトJPN Research Memo(7):2024年11月期は下期の事業環境回復を想定し、増収増益を見込む(1)
■今後の見通し
1. 2024年11月期の業績見通し
ラクト・ジャパン<3139>の2024年11月期の業績は、売上高16,000百万円(前期比1.1%増)、経常利益3,400百万円(同19.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,400百万円(同17.2%増)と、増収増益の見通しだ。国内の乳原料・チーズ部門は、円安による輸入原料価格の高値継続等の懸念材料は残るものの、国産脱脂粉乳の在庫水準が適正化に向かい、下期以降輸入粉乳調製品の需要回復を想定している。しかし、販売単価低下により前期比5.9%の減収を見込む。同時に、アジアの乳原料販売部門においても日本向け粉乳調製品原料の需要が回復すると予想し、販売数量が大きく落ち込む前の2022年11月期を上回る水準を想定し、前期比32.1%の増収を見込む。また、チーズ製造販売部門もアジアでの日系や現地の外食チェーンなどでのチーズの需要が拡大すると見込んでおり、シュレッドチーズの製造販売を強化し前期比20.1%の増収を確保していく方針だ。食肉食材部門においては、外食産業等における人手不足を背景に、加工食品とその原料に対する需要が堅調なことから、取扱商品の拡大による拡販を図っていくが、相場は落ち着き前期比9.1%の減収を見込む。機能性食品原料販売を含むその他事業は、アジア市場への展開も視野に入れた積極的な営業を推進し、前期比65.8%増とさらなる成長を計画している。経常利益は、主にアジアでのチーズ製造販売部門において原料価格の低下により利益が回復することを想定し、前期比19.4%の増益を見込んでいる。
2. 事業部門別の業績見通し
(1) 乳原料・チーズ部門
国産脱脂粉乳の在庫水準は、対策事業によって国産品への置き換えが進んだことから徐々に低下している。在庫量は2022年5月の104千トンをピークに減少が続き、2023年11月には50千トンまで低下した。高齢化や後継者不足に加え円安による飼料価格高騰など酪農業の生産コストの上昇により酪農家数の減少が懸念されていることや、乳牛の飼養頭数の減少などにより、今後生乳生産量が急回復することは難しく、脱脂粉乳の過剰在庫は解消すると見込まれる。また、海外では、欧州等主要な酪農産地における生乳生産量が増加する一方で、乳製品の最大の輸入国である中国の需要が景気回復の遅れにより低迷しており、乳製品の国際価格が軟調に推移している。これに対して、国産の乳製品価格は乳価の値上げを背景に上昇しているため、円安傾向が続くという不確定要素はあるものの、足元では輸入乳原料の価格競争力が戻りつつあり、輸入原料の引き合いが増加している。同社では、下期には粉乳調製品を中心とした輸入乳製品の需要が本格的に回復すると予想している。また、チーズも国際市況が落ち着き、足元では引き合いや受注が回復してきており、下期には単価の低下とともに業務用で需要が回復すると予想している。そのため、同部門の販売数量は172,900トンと前期比3.3%増を計画するが、売上高は105,200百万円と前期比5.9%減を見込んでいる。
(2) 食肉食材部門
国内の外食産業等における人手不足を背景に、加工食品とその原料に対する需要が堅調だ。同社では、生ハム、サラミ、牛肉、鶏肉及び鶏肉加工品など加工食品を中心とした取扱商品の拡大による拡販を図っていく計画だ。また、豚肉のメインサプライヤーである米国Seaboard Foods社の生産体制も回復傾向にあり、販売数量は30,000トンと前期比6.7%増を計画するが、相場が落ち着き売上高は16,600百万円と前期比9.1%減を見込む。
(3) アジア事業(乳原料販売部門)
日本における国産脱脂粉乳の在庫が適正化され、下期に日本向けの粉乳調製品原料の需要が回復すると予想している。また、東南アジアに展開する各拠点の営業体制の強化により、現地企業向けの乳原料販売拡大を目指す。2024年2月の春節(旧正月)に向けて中国とシンガポールが短期滞在ビザの相互免除措置を実施し、タイ、マレーシアとともに中国と相互に訪問する観光客が増加することも期待されており、追い風となろう。販売数量は54,300トン(前期比45.8%増)と伸長する計画で、売上高も25,000百万円(前期比32.1%増)と大幅な増収を見込む。
(4) アジア事業(チーズ製造販売部門)
原料チーズの相場が落ち着いてきたこともあり、価格改定で落ち込んでいたプロセスチーズの需要が回復すると予想している。また、中国の景気低迷の影響はあるものの、アジアでの人流は改善し、日系や現地の外食チェーンでのチーズの需要が拡大すると予想しており、シュレッドチーズの製造販売を強化していく方針だ。また、2025年のシンガポールでの新工場稼働に向けて新規顧客の開拓にも注力していく計画である。販売数量は6,200トン(前期比28.4%増)、売上高も5,800百万円(前期比20.1%増)を見込む。さらに、原料チーズ価格の低下により利益率は改善する見通しだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
<SI>
1. 2024年11月期の業績見通し
ラクト・ジャパン<3139>の2024年11月期の業績は、売上高16,000百万円(前期比1.1%増)、経常利益3,400百万円(同19.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,400百万円(同17.2%増)と、増収増益の見通しだ。国内の乳原料・チーズ部門は、円安による輸入原料価格の高値継続等の懸念材料は残るものの、国産脱脂粉乳の在庫水準が適正化に向かい、下期以降輸入粉乳調製品の需要回復を想定している。しかし、販売単価低下により前期比5.9%の減収を見込む。同時に、アジアの乳原料販売部門においても日本向け粉乳調製品原料の需要が回復すると予想し、販売数量が大きく落ち込む前の2022年11月期を上回る水準を想定し、前期比32.1%の増収を見込む。また、チーズ製造販売部門もアジアでの日系や現地の外食チェーンなどでのチーズの需要が拡大すると見込んでおり、シュレッドチーズの製造販売を強化し前期比20.1%の増収を確保していく方針だ。食肉食材部門においては、外食産業等における人手不足を背景に、加工食品とその原料に対する需要が堅調なことから、取扱商品の拡大による拡販を図っていくが、相場は落ち着き前期比9.1%の減収を見込む。機能性食品原料販売を含むその他事業は、アジア市場への展開も視野に入れた積極的な営業を推進し、前期比65.8%増とさらなる成長を計画している。経常利益は、主にアジアでのチーズ製造販売部門において原料価格の低下により利益が回復することを想定し、前期比19.4%の増益を見込んでいる。
2. 事業部門別の業績見通し
(1) 乳原料・チーズ部門
国産脱脂粉乳の在庫水準は、対策事業によって国産品への置き換えが進んだことから徐々に低下している。在庫量は2022年5月の104千トンをピークに減少が続き、2023年11月には50千トンまで低下した。高齢化や後継者不足に加え円安による飼料価格高騰など酪農業の生産コストの上昇により酪農家数の減少が懸念されていることや、乳牛の飼養頭数の減少などにより、今後生乳生産量が急回復することは難しく、脱脂粉乳の過剰在庫は解消すると見込まれる。また、海外では、欧州等主要な酪農産地における生乳生産量が増加する一方で、乳製品の最大の輸入国である中国の需要が景気回復の遅れにより低迷しており、乳製品の国際価格が軟調に推移している。これに対して、国産の乳製品価格は乳価の値上げを背景に上昇しているため、円安傾向が続くという不確定要素はあるものの、足元では輸入乳原料の価格競争力が戻りつつあり、輸入原料の引き合いが増加している。同社では、下期には粉乳調製品を中心とした輸入乳製品の需要が本格的に回復すると予想している。また、チーズも国際市況が落ち着き、足元では引き合いや受注が回復してきており、下期には単価の低下とともに業務用で需要が回復すると予想している。そのため、同部門の販売数量は172,900トンと前期比3.3%増を計画するが、売上高は105,200百万円と前期比5.9%減を見込んでいる。
(2) 食肉食材部門
国内の外食産業等における人手不足を背景に、加工食品とその原料に対する需要が堅調だ。同社では、生ハム、サラミ、牛肉、鶏肉及び鶏肉加工品など加工食品を中心とした取扱商品の拡大による拡販を図っていく計画だ。また、豚肉のメインサプライヤーである米国Seaboard Foods社の生産体制も回復傾向にあり、販売数量は30,000トンと前期比6.7%増を計画するが、相場が落ち着き売上高は16,600百万円と前期比9.1%減を見込む。
(3) アジア事業(乳原料販売部門)
日本における国産脱脂粉乳の在庫が適正化され、下期に日本向けの粉乳調製品原料の需要が回復すると予想している。また、東南アジアに展開する各拠点の営業体制の強化により、現地企業向けの乳原料販売拡大を目指す。2024年2月の春節(旧正月)に向けて中国とシンガポールが短期滞在ビザの相互免除措置を実施し、タイ、マレーシアとともに中国と相互に訪問する観光客が増加することも期待されており、追い風となろう。販売数量は54,300トン(前期比45.8%増)と伸長する計画で、売上高も25,000百万円(前期比32.1%増)と大幅な増収を見込む。
(4) アジア事業(チーズ製造販売部門)
原料チーズの相場が落ち着いてきたこともあり、価格改定で落ち込んでいたプロセスチーズの需要が回復すると予想している。また、中国の景気低迷の影響はあるものの、アジアでの人流は改善し、日系や現地の外食チェーンでのチーズの需要が拡大すると予想しており、シュレッドチーズの製造販売を強化していく方針だ。また、2025年のシンガポールでの新工場稼働に向けて新規顧客の開拓にも注力していく計画である。販売数量は6,200トン(前期比28.4%増)、売上高も5,800百万円(前期比20.1%増)を見込む。さらに、原料チーズ価格の低下により利益率は改善する見通しだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)
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