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DDグループ Research Memo(1):コロナ禍からの段階的な回復により大幅な増収となり各段階利益で黒字化を達成

配信元:フィスコ
投稿:2023/06/23 14:31
*14:31JST DDグループ Research Memo(1):コロナ禍からの段階的な回復により大幅な増収となり各段階利益で黒字化を達成 ■要約

1. 事業概要
DDグループ<3073>※は、レストラン・カフェ・専門料理業態、ダーツやビリヤード、カラオケ等の店舗を、首都圏をはじめ全国主要都市に多ブランド展開する「飲食・アミューズメント事業」、ホテル、貸コンテナ、不動産販売などの「ホテル・不動産事業」を手掛けている。保有ブランドの多様性を生かしたブランドマネジメント制とドミナント展開に特徴がある。特に、「VAMPIRE CAFE(ヴァンパイアカフェ)」「アリスのファンタジーレストラン」「ベルサイユの豚」など個性的な人気ブランドを創出してきたことや積極的なM&A による事業規模拡大、「わらやき屋」「今井屋」「BAGUS(バグース)」などの高収益ブランドがこれまでの同社の成長を支えてきた。

※2023年6月1日よりDDホールディングスからDDグループへ商号変更した。


2020 年以降、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ渦)の影響により厳しい経営環境が続いてきたが、2023年4月にはコロナ禍からの回復に目処が立ってきたことや、ニューノーマルを見据えた戦略構築が必要になってきたことから、新中期経営計画を公表した。また、経営ビジョンを「創造的であり革新的であるブランドを創造する『ブランドカンパニー』へ」と変更するとともに、2023年6月1日からはDDグループへ商号変更している。

2. 2023年2月期の業績概要
2023年2月期の連結業績は、売上高が前期比66.6%増の32,235百万円、営業利益が467百万円(前期は7,332百万円の損失)、経常利益が838百万円(同97百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が875百万円(同354百万円の損失)と、コロナ禍からの段階的な回復により大幅な増収となり、各段階利益で黒字化を実現した。売上高は、経済活動の正常化が進むにつれ、コロナ第7波による中だるみはあったものの、「飲食・アミューズメント事業」が総じて回復基調をたどり、前期を大きく上回る水準を確保することができた。既存店売上高(通期平均)もコロナ禍前の2020年2月期比72.3%(前期は同39.2%)にまで回復してきた。また、「ホテル・不動産事業」についても、新型コロナウイルス感染症の軽症者の受け入れ施設として「PARK IN HOTEL ATSUGI」を引き続き提供(一棟有償借上げ)や、貸コンテナ事業が安定推移するとともに、既存ホテルのリブランドや国による旅行支援の開始等も追い風となり大幅な増収となった。損益面では、増収による収益の押し上げに加え、原価削減策やコスト構造改革の継続により大幅な増益となり各段階利益で黒字化を実現した。活動面においても、不採算店舗の業態変更や「ホテル・不動産事業」における新サービスの開始など、アフターコロナを見据えたブランドポートフォリオの再構築に向けて動き始めた。

3. 2024年2月期の業績見通し
2024年2月期の連結業績予想について同社は、売上高を前期比5.8%増の34,092百万円、営業利益を同225.9%増の1,524百万円、経常利益を同78.3%増の1,495百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同28.7%増の1,126百万円と、引き続き増収及び大幅な増益を見込んでいる。売上高は、引き続きコロナ禍からの本格的な回復が増収に寄与する。既存店売上高(通期平均)はコロナ禍前の2020年2月期比80%水準(前期は同72.3%)を想定している。なお、新型コロナウイルス感染症の軽症者受け入れ施設としての提供(ホテル1棟貸し)は2023年5月末に終了したため、「ホテル・不動産事業」はその分がマイナス要因(第2四半期以降)となることに注意が必要である。損益面でも、売上高の回復に加え、これまで取り組んできた原価高騰対策や損益分岐点の引き下げ効果により大幅な増益を見込んでおり、営業利益率も4.5%(2023年2月期は1.4%)に大きく改善する見通しである。

4. 新たな中期経営計画の公表
同社は、アフターコロナや中長期的なパラダイムシフトを見据え、新たに3ヶ年の中期経営計画を公表した。経営ビジョンを「創造的であり革新的であるブランドを創造する『ブランドカンパニー』へ」と変更し、ブランド強化や事業領域の拡充などを通じて、「グループ経営力の強化」並びに「LTV※の最大化」を目指す方向性である。特に、選択と集中による財務体質の強化を図りつつ、顧客接点を生かした外食領域以外での事業セグメント創出やストックビジネスの拡充など収益構造の変革にも取り組み、最終年度(2026年2月期)の目標として、連結売上高400億円、連結営業利益28億円(営業利益率7.0%)、ROE20%を目指す。

※Life Time Valueの略で、顧客生涯価値のこと。様々なブランドやサービスを通じて、顧客との取引の開始から終了までの期間(顧客ライフサイクル)において収益の最大化を目指す考え方。


■Key Points
・2023年2月期はコロナ禍からの段階的な回復により大幅な増収となり、各段階利益で黒字化を実現
・原価高騰対策を含むコスト構造改革や、不採算店舗の業態変更(新業態)などでも今後に向けて一定の成果
・2024年2月期もコロナ禍からの本格回復により増収及び大幅な増益を見込む
・ニューノーマルを見据えた新中期経営計画を公表。ブランド強化や事業領域の拡充などを通じて、「グループ経営力の強化」ならびに「LTVの最大化」を目指す方向性

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

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配信元: フィスコ
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