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【QAあり】ククレブ・アドバイザーズ、業績予想を上方修正 CREソリューションビジネス新規案件受注増等で、計画を上回る進捗

投稿:2025/01/22 08:00

2025年8月期第1四半期決算説明

宮寺之裕氏(以下、宮寺):ククレブ・アドバイザーズ株式会社代表取締役の宮寺です。

本日はお忙しい中、説明会にご参加いただきまして誠にありがとうございます。昨年11月28日に上場して約2ヶ月が経っていますが、この間に機関投資家のみなさまや個人株主のみなさまからいろいろなご質問・お問い合わせ等をいただいています。

これらはすべて当社への期待と理解していますので、みなさまの期待にしっかり応えていけるよう、引き続き精進してまいります。それでは、説明会を始めます。

2025年8月期 第1四半期 決算説明ハイライト

第1四半期の業績ハイライトです。今回は通期業績予想を修正しました。こちらは当初計画していなかったCREソリューションビジネスの新規案件の受注増加などにより、もともとの通期計画よりも想定以上の進捗で進んでいるためです。

第1四半期における連結ベースでの売上高は6億8,100万円、営業利益は3億700万円となりました。当初計画に対する進捗率は、売上高が38パーセント、営業利益が59.5パーセントとなっています。

これを受けて、通期業績予想を上方修正することとしました。修正後の業績予想は、売上高が22億円、営業利益が6億5,000万円、当期純利益が4億2,800万円となります。それぞれ、当初計画に対して22.7パーセント、26.1パーセント、25.9パーセントのアップとなります。

また、配当金は1株あたり20円と公表し、前期実績と比較すると3円の増配です。投資家のみなさまには上場時に配当方針をご説明してきたものの、配当金の予想が未定となっていました。そちらをしっかりとお見せしながらご評価いただけるよう、20円と公表しています。

事業の進捗状況です。こちらも上場時にいろいろとご説明しましたが、KPIとして設定しているマッチングシステム「CCReB CREMa」の登録数とユーザー数については、引き続き増加しています。

CREソリューションビジネスも、上場による認知度向上を非常に実感しています。そのような中で、CRE戦略の支援案件などの新規案件パイプラインが増加しています。パイプラインについては後ほどお話しします。

不動産テックビジネスのシステム開発については、外部のシステム会社とタッグを組むことは変わらないものの、今第1四半期中にエンジニアを採用しています。それによって利便性向上のためのサービス機能拡充が迅速にできることになりましたので、引き続き開発を加速しながら進めていきます。

ご質問が多かった人員採用についてです。当社の社員数が少ないというご意見等がありましたが、今期の採用計画はすでに達成している状況です。今後は採用計画以上の追加採用を進めていきたいと考えており、しっかりと採用を進めながらビジネスを拡大していく所存です。

2025年8月期 第1四半期実績 エグゼクティブ・サマリー

第1四半期の実績についてご説明します。まずはエグゼクティブ・サマリーです。

売上高は6億8,100万円となりました。前年同期比でプラス202.7パーセントの成長です。営業利益は前年同期比320.5パーセント増の3億700万円、当期純利益は2億円と、比較的順調に進んでいます。

マッチングシステムのユーザー数は、2024年8月期の325ユーザーに対して370ユーザーとなりました。当社のビジネスの源泉となる物件情報登録数も前期末の5,474件から6,063件となり、第1四半期においても順調に推移しています。

スライド中央に「当初通期計画に対する進捗率」と記載していますが、実際には先ほどお伝えした修正後計画との比較が正しい数字になります。そちらに対する進捗率では、売上高が31パーセント、営業利益は47.2パーセント、当期純利益は46.7パーセントとなります。いずれにしても、第1四半期の進捗率という意味では比較的順調に進んでいる認識です。

2025年8月期 第1四半期実績 決算概要 -業績推移(連結)-

2025年8月期第1四半期の決算概要です。実績と前期比については、先ほどお話ししたとおりです。

全体の進捗として、CREソリューションビジネスは大幅に増加しています。引き続き、企業の資本効率改善のご相談や不動産プレイヤーの取得意欲旺盛に対する不動産売却等が順調に進んでいます。

不動産テックビジネスの計画進捗率は20パーセントとなります。こちらは第2四半期から第4四半期にかけて計画しているものがあるためで、特段進捗が劣っているわけではなく、順調に推移していると考えています。

なお、一部において不動産テックビジネスからCREソリューションビジネスへの科目変更がありましたが、全体的には順調に推移しています。

営業利益率は45パーセントとなりました。当社の営業利益率は平均30パーセント前後になりますが、本第1四半期に粗利率の高い案件が多く計上されたため、このような数値で着地しています。引き続き、高い利益率を図っていけるよう進めてまいります。

2025年8月期 業績予想の上方修正

業績予想の上方修正についてです。売上高の予想は前期比73.3パーセント増の22億円に修正しました。修正前の数値に対し、「今までの成長率に対してやや保守的ではないか」という意見もありましたが、しっかりと案件を積み上げながら計画数値を設定してきており、当初計画以上に案件が進捗していることを踏まえて今回の上方修正を行った次第です。

また、営業利益は前期比54.5パーセント増の6億5,000万円、当期純利益は前期比48.5パーセント増の4億2,800万円へと上方修正しています。

これを受け、1株あたり純利益(EPS)も変更しております。前期実績の84.29円に対し、今回修正後では106.24円となります。期中はIPOによって発行株数が増えていますが、その発行株数を踏まえても、EPSは21.95円増加しています。

今後も営業利益率をしっかりと保ちながら事業を推進していきますので、引き続きご期待いただければ幸いです。

パイプラインの進捗(CREソリューションビジネス)①

事業の進捗状況についてご説明します。上場以来、投資家のみなさまからは「『不動産を取得した』『このような仕事を受注した』」というリリースがなかなかない」という声もありました。

当社のビジネスはBtoBである上に事業法人との取引が多いことから、当社から積極的に取引先の企業名を開示して「この取引をおこなった」とお伝えするのは、守秘義務の関係からも難しいところがあります。

今後もこのような事業成約等があった場合にはオブラートに包んでしまうかもしれませんが、パイプラインをお示しできる、ないしは事業実績をお示しできるような開示方針で臨みたいと思っていますので、ご理解いただければ幸いです。

パイプラインの進捗についてです。スライド左側に番号を記載していますが、1から6は契約がすでに終わって成約済みのものとなります。CREソリューションビジネスにおける成約済・契約済案件は、当初計画比で92.8パーセントまで進捗しており、この状況を踏まえての上方修正でもあります。

「契約済」とは、当然ながら取引先と契約をしたことを意味します。「成約済」とは、その契約の決済が完了し、当社がなにかしらのフィーを受け取る、ないしは売上が実現している状況を意味します。スライドでは「ステータス」という箇所に記載しています。

第2四半期に入り、すでに成約しているものもあります。昨年12月10日に開示した5番の「B/S活用投資」である、大分県の産業用地売却もすでに成約済みです。併せて、新規でAM業務受託等も行っていますので、足元の新規案件は増えている状況です。

ビジネスモデルについてはあらためてお話ししますが、いずれもテックを活用したソーシングを行っています。スライド右から2列目に「活用テック」と記載しているとおり、マッチングシステムやAI、企業分析、企業のニーズに対するマッチング等の仕事を組成しています。

パイプラインの進捗(CREソリューションビジネス)②

こちらのスライドには契約予定のパイプラインを記載しています。一部は仕掛けもありますが、かなりの確度で物件が進捗している状況です。1番はすでにコンパクトファンドの組成準備に入っていますので、このような案件を積み上げていきます。

加えて、第1四半期ではまだ実現していませんが、8番、9番、10番の案件はプロジェクトマネジメントとなっています。昨今、企業の土地の有効活用案件が非常に増えており、そちらについても現在提案を続けているところです。

当社は「産業用不動産」を対象にしたビジネスを行っています。「所在」の列を見てもわかるように、全国の産業集積地を中心にいろいろなところで仕事の幅を広げており、記載のない物件も継続的にパイプラインを積み上げています。

マッチングシステム ユーザー数の推移と潜在案件数の拡大

「CCReB CREMa」についてご説明します。第1四半期末時点のユーザー数は370ユーザー、情報登録数は6,063件まで増えています。当社はこれを「いけす」と呼んでおり、スライド左側の円グラフには「いけす」の中身を示しています。当社が展開しているサービスに関し、サービスの源泉となる案件に関する潜在的な情報がどのようなかたちで構成されているかというところです。

6,063件のうち、約56パーセントが将来的に仲介・アドバイザリーのビジネスにつながるであろう案件情報です。約41パーセントはB/S投資ないしはコンパクトファンド組成の案件情報です。残る2.4パーセントは、プロジェクトマネジメントにつなげられる案件情報となります。

いずれにしても、「いけす」を大きくしていくことが当社のビジネスの源泉となります。今後も、マッチングシステムを拡大させながら「いけす」を大きくしていく戦略を進めてまいります。

不動産テックビジネスの進捗

マッチングシステムの営業および「CCReB AI」のテックの進捗です。マッチングシステムについては、いろいろなマスメディア等で「地方銀行に力を入れていく」とお伝えしました。特に上場に伴う信用力を非常に感じる場所として、地方銀行への営業を一気に仕掛けています。

この3ヶ月で17行にアプローチを行い、うち7行が商談中です。今後もフラグを立てながら地方銀行へ営業していきます。こちらを広げることで、テック収入や「いけす」が大きくなり、当社のビジネスの幅が広がる可能性があるため、今後も力を入れていきます。

併せて「CCReB AI」も、サブスクリプションサービスとして事業法人や不動産会社などで使っていただいています。特に非上場企業のデータをさらに増やしたり、非上場企業が保有する不動産拠点情報を追加したりしながら、データを拡充しているところです。

これまでは有価証券報告書と中期経営計画書の分析が中心でしたが、今後は分析の対象資料にサステナビリティレポートやIR資料、コーポレートガバナンス報告書なども取り込み、サービスの幅を広げていきます。

こちらは先般ホームページでも開示しましたが、新たなサブスクリプションサービス収入の源泉として、不動産業以外の業種へのアプローチにより収益を拡大していきたいと考えています。

企業理念

事業概要です。当社はBtoBビジネスということもあり、上場後には「会社のビジネスモデルが若干わかりづらい」というお声をみなさまから頂戴しました。ここであらためて、当社のビジネスモデルについてご説明します。

企業理念は、「全ての企業不動産へのソリューションを通じて、日本の経済・産業に貢献する」です。当社は上場前から企業不動産を扱ってきていますが、昨今は、日本企業を取り巻く環境は激変しています。その中で、企業が持っている不動産の保有方針などを企業側が見直す流れが起きています。

当社はまさにその流れを商材として、企業理念の実現のために邁進していることが大前提となっています。

ビジネスモデル

ビジネスモデルです。当社は「不動産テックを使って案件を掘り起こしている」とご説明してきました。スライドに示すとおり、企業はサプライチェーンの改革や、最近では資本効率の向上、一番多い相談としては遊休資産の活用など、多種多様な経営課題を持っています。当社は、それらを不動産テックを活用して効率的にキャッチアップしています。

このような企業のニーズをマッチングシステムでマッチングさせながら、CREソリューションビジネスの5つのカテゴリの中から、お客さまに最適なご提案を行います。これがビジネスモデルです。先ほどご説明したパイプライン等を含めて、この取引が成就してフィーをいただく、ないしは売上の実現につながっています。

従前お話ししたとおり、不動産業で私自身が課題と感じていた、営業先のピックアップや企業のニーズへのキャッチアップという部分にテックを使って、時間を短縮しています。それにより生産性を上げ、営業利益率を確保していくというところが当社のビジネスモデルとなります。

サービス提供フロー

サービス提供フローです。先ほどのパイプラインをはじめ、情報については「CCReB AI」や「CCReB CREMa」を使って入手します。例えば「CCReB AI」であれば、「この企業についてはこのような経営課題を持っている」というものを可視化し、その経営課題に沿った提案を行います。

またマッチングシステムについては、ニーズを登録することによって自動的にマッチングを発生させ、効率的なアプローチをします。そして、トランザクションのどのカードを切るかを選択します。

このような長年のノウハウを全部システム化することにより、難易度が高い法人不動産のマーケットを開拓していくことが当社のサービス提供フローとなっています。

CREソリューションビジネスの概要

それぞれのビジネスカテゴリについて、具体的にご説明します。当社は主に、同業である不動産プレイヤー、顧客となる事業法人と取引を行い売上計上しています。

「CREアドバイザリー」では、当社と同じく法人営業を行う企業に対するアドバイスや、ソリューションやテックシステムをご利用いただいている顧客に対するコンサルティングなどを行っています。

事業法人に対しては、「資本効率の面から企業の保有不動産を見直したい」という企業へのコンサルティングや、「不動産を売却したい」という企業への助言や仲介などを行っています。こちらは主にコンサルティングとして、アドバイザリーフィーをいただくビジネスとなります。

「CREファンド組成」は、企業にご提案し、結果的に不動産を動かすという結論に至った際に行う受け皿としてのファンド組成です。SPC(特別目的会社)を作って資金調達をし、当社がアセットマネージャーになって最終的な出口を考えながらファンド組成をしていくビジネスです。

「プロジェクトマネジメント」は、ご提案した結果、企業のほうで土地や不動産を保有し続けたいというお話になった場合、その土地の有効活用を当社と一緒に考えるというものです。

例えば、この有効活用を考える際に当社のマッチングシステム等を使い、当該土地に関心がある方をテナントとして紹介し、建物を建てて収益不動産として運用いただくというようなコンサルティングを行います。

「B/Sを活用した不動産投資・賃貸」は、CREファンド組成と似ています。企業に提案した結果「不動産を動かしたい」という際に、ファンド組成するには金額が少額すぎる場合に当社のB/Sを使って不動産を取得し、最終的にリノベーションやバリューアップをして売却するというビジネスです。また、保有中は賃貸収入が入ってくるため、それを賃貸収入として売上計上しています。

「不動産仲介」は、先ほどご説明したマッチングシステムを使い、マッチングしたものを売買・賃貸仲介するビジネスです。こちらは仲介フィーをいただくビジネスです。

これらが当社の売上の源泉となっているビジネスであるとご認識いただければと思います。

不動産テックビジネスの概要

不動産テックビジネスの概要です。CRE営業支援システムの「CCReB AI」とマッチングシステムの「CCReB CREMa」が主力のサブスクリプションサービスであり、当社も活用しています。

「CCReB AI」は、企業が開示する資料を自動的に取得・分析し、企業ごとの不動産ニーズを探る仕組みです。これにより、資料を収集し記載内容を一生懸命確認するという作業がすべて割愛され、業務効率を上げることができます。

「CCReB CREMa」は、「売りたい」「買いたい」「貸したい」「借りたい」というニーズを登録しながら、自動的なマッチングを行うシステムです。こちらも、これまでは担当者の経験や勘といった属人的な能力に頼っていたものをシステムで自動的にマッチさせることによって、当社の営業担当者が同じ水準で業務を進められるようになります。

このように、CRE営業の効率的な実行を可能とするテックをサブスクリプションサービスでも提供しているというのが、当社のもう1つのビジネスです。

高い参入障壁と独自のポジショニング

当社のポジショニングについても、まだご説明が足りておらず、ご理解いただけていないと思っています。不動産にはいろいろな種類があり、その中でも大手不動産会社、中堅不動産会社、中小不動産会社がひしめき合っています。その中での当社のポジションを示しているのが、スライドの図です。

主に企業が事業で使う工場や研究開発施設・物流施設の中でも、特に20億円以下の価格帯で、大手不動産会社が積極的に取り扱わず、また中堅・中小の不動産会社では扱うためのノウハウがまだない部分を当社が埋めながら、プレイヤーのみなさまと協業しています。

こちらについては、情報がなかなか出てこなかったり誰に相談していいかわからない部分に、当社が参入して事業運営を進めていることが特徴となります。

高い収益性と財務健全性の両立

高い収益性と財務健全性の両立についてご説明します。第1四半期の営業利益率は45パーセントとかなり高く出ています。しかし、通期でも30パーセント台を確保していく方針で取り組んでいきたいと思っています。

スライドには、同業プレイヤーの営業利益率の分布を示しています。当社はそれらと一線を画した営業利益率を実現しながら、上場による資金調達の実施しています。上場による信用力の付与に伴い外部から資金を調達できる環境になったこともあり、今後はレバレッジをかけながら、高い収益性と財務健全性を両立したビジネスをしていきたいと考えています。

質疑応答:第1四半期に業績予想を修正した理由について

司会者:「今回、通期の業績予想を上方修正されていますが、なぜ第1四半期での業績予想の修正となったのでしょうか?」というご質問です。

宮寺:先ほどお話ししたとおり、もともと2025年8月期の売上計画が17億9,200万円としておりました。当社が上場したのは昨年11月28日ですので、いわゆる期越えの上場をしておりますが、上場時に公表した売上計画を確実に達成することを前提として計画を策定しています。

契約見込みが堅いものや売上計上が可能なものを積み上げて計画を策定している中で、当初計画を順調に成約しつつ、新規案件の相談も期中で数多く出てきています。このように、今回計画していなかった数字の積み上げが出てきていることもあり、第1四半期での修正となりました。

第1四半期でいきなりの上方修正となりましたが、この積み上げはまだ続くとも思われます。今のタイミングで十分予測できる新規の案件も出てきたこともあり、上方修正に至りました。

質疑応答:配当予想の発表タイミングについて

司会者:「なぜ、第1四半期決算発表のタイミングで配当予想を設定することとしたのでしょうか?」というご質問です。

宮寺:もともと上場時に、株主さまへの還元施策の方針をお伝えしています。当社はまだ成長段階の企業ですが、おかげさまで創業以来ずっと黒字を実現しています。そのため、今後も成長投資にお金を使うというスタンスは変わらないものの、配当についてもバランスを図り、株主のみなさまに長期で保有していただきたいという思いもあります。

また、配当予想が未定ということに対するご質問が非常に多く、「配当するのであれば、配当の方針ないし金額を示してほしい」というお声もありました。そのため、今回は十分に利益計画が見えてきたこともあり、20円という配当を出すこととしました。

質疑応答:売上予想へのパイプラインの取り込み方について

司会者:「期初に業績予想を立てる時、パイプライン内の案件をどのように売上予想に取り込むのでしょうか? スライド10ページのリスト内の案件は、期初においてどのような状態だったのか教えてください。また、期初予想に比べて数が急に増えましたか? 単価もずっと高かったのでしょうか?」というご質問です。

宮寺:期初が始まると、オンゴーイングで案件が続いている中から成約確度が高いものを売上に組み込んでいきます。その中でも、急にご相談が来ることもあります。特に上場に際する予算計画については、かなり堅い数字を求められたというところもあり、その進捗が堅いものを中心に集めました。

「パイプラインが急に増えたのか?」というご質問については、もともと足元のパイプラインは豊富にあったと認識しています。ただし、今回上場したことによってさらに相談案件が増えていることも事実です。

増えた案件の中で、当社のほうで提案を続けて「これは確実に刈り取れる」という確度がついたものを新規案件として汲み上げた結果、上方修正に至ったという経緯です。

質疑応答:第1四半期の実績が大幅に上振れた要因について

司会者:「第1四半期が大幅に上振れた要因として、大型案件などがあったのでしょうか? 第1四半期に成約が集中しやすいなど、四半期ごとの季節性はあるのでしょうか?」というご質問です。

宮寺:スライドのステータスに「既存」と書いてある案件はもともと計画していたもので、予定どおり第1四半期に実績計上しています。第1四半期の大型案件のB/S活用投資も、計画どおりです。

季節性については、よくご質問いただきます。当社は法人ビジネスを行っており、特に企業のCREを扱うため、どうしても企業側のほうが決算を気にして不動産を売却する傾向が従来あります。

したがって、まず一番多いのは「3月に決済してほしい」という案件で、「できれば3月より前、2月ぐらいに安全サイドで決済してほしい」というお話があります。その時期は当社の第2四半期頃にあたるため、CREの案件は第2四半期に出やすいと思っています。

次に多いのが12月決算に向けた案件で、10月から11月ぐらい、当社にとっては第1四半期にあたります。今回もそのような前倒しの決算で出てきた新規案件を、この第1四半期に売上計上しています。これは、企業側にとっての決算がそのタイミングだったということです。

このように、一般的にはお客さまのほうで3月と12月に売上計上する案件が多いという肌感覚です。ただし最近は、企業側も資本効率を上げていく目標を旗印に、時期は別として確実に実行できるタイミングを優先しています。決して3月や12月に拘らず、3月決算の会社でも「別に3月をまたいでもよいので、とにかく実行したい」と進めるケースもあります。

とはいえ季節性がまったくないわけではなく、当社においては従来どおり季節性はありつつ、今後の第3四半期および第4四半期においても、企業側のニーズにより実績化できる案件も出てくると思っています。

質疑応答:第1四半期の営業利益率が特に高くなった背景について

司会者:「第1四半期の営業利益率が特に高くなった背景を教えてください。スライド10ページの第1四半期に実績化した案件は、利益率の面で11ページの今後の案件と異なりますか? 異なる場合、それはどのような点で、どのような背景によるものでしょうか?」というご質問です。

宮寺:先ほど一部回答した内容もありますが、まずサービスごとの粗利に特徴があります。その中で、CREアドバイザリーと不動産仲介についてはフィービジネスとなるため、非常に粗利率が高い案件です。

B/S活用投資は仕入があっての売却となるため、仕入部分が原価になり、その売却金額によって粗利率が上下します。今回はこのB/S活用投資も含め、総じて粗利率が当社の標準よりも上回る案件が実績化されたため、結果的に第1四半期の営業利益率が高くなりました。

今後の案件との利益率の差については、特にB/S活用投資の物件売却に伴う売上を第2四半期に実績計上する予定の部分が大きいです。第1四半期に実績化した案件と今後実績化するものとの間で、一番利益率の違いを生む要素という意味では、そこが大きいと思っています。

第2四半期に計上する案件は、一般的な不動産業の利益率よりは高いと認識していますが、一定の原価率が計上されることにより、当社の他のビジネスとの比較では、粗利率がやや低くなる想定です。そのため、そこは第1四半期と大きく違ってくる要素だと思っています。

その他のフィービジネスについては、当社が単体で手掛けているものは当社が100パーセント計上しています。一方で、例えば、取引の形態によって「全体のフィーを折半で負担する」ないしは「当社のパートナーなどに対して業務発注することで費用を支払う」となった時には原価が発生するため、そのような要因により変動しますが、一番大きな変動要因になるのはB/S活用投資だと思っています。

質疑応答:競合他社の参入可能性について

司会者:「今後、競合他社が参入してくる可能性はどのように想定していますか?」というご質問です。

宮寺:当社とまったく同じように、不動産テックビジネスを手掛けて企業の経営課題を可視化し、提案を行うようなビジネスを進めている会社は他にはないと認識しています。

ただし、事業法人の不動産売買という部分だけで言えば、当然ながら大手不動産の流通会社なども仲介として入ってきます。大手不動産会社についても物流施設等で小さい開発等を行っているため、そのような意味ではまったく競合がないわけではありません。

市場全体で見ると、企業が持っている不動産のストック数に対して、当社だけでビジネスを行っているわけでは決してないですし、いろいろな競合他社が入ってきても十分な大きなマーケットがあると思っています。したがって、競合他社とは共存共栄ができると考えています。

競合に対する差別化については、当社が今まで積み重ねてきているノウハウのデジタル化により、他社に負けないスピード感があるという自負を持っています。そのようなかたちで、競合他社と共存しながら、当社の差別化もしっかり図っていけると考えています。

質疑応答:剰余金を成長投資だけでなく配当に回している意図について

司会者:「御社は高成長企業だと思いますが、剰余金を成長投資だけでなく配当に回されている意図を教えてください」というご質問です。

宮寺:当社は引き続き、高成長企業でありたいと思っていますし、成長と株主還元が両立できると思っています。

一方で、上場したため、当然ながら株式と株主の構成等も考える必要があります。当社としては、長期で持っていただきたいという思いがあり、そこに対してはしっかりと配当しながらも、まだ成長を遂げられると考えています。

当然ながら剰余金等の活用も重要であるため、配当だけを中心にしていくというステージではないと思っています。成長投資があれば成長に振り向けますが、そこで利益がしっかり出れば、株主還元を続けたいという考えです。

質疑応答:従業員稼働率の現状と今後の見通しについて

司会者:「今期の新しい計画に対し、従業員の稼働率はどの程度の余裕があるのでしょうか? このペースの成長を続けられますか?」というご質問です。

宮寺:このたび売上計画を上方修正しましたが、計画を達成した現時点では、社員がまだ増えてはいない中でもしっかり回せるレベルの稼働率でした。

その上で、今期は営業社員を増やしていく計画で、すでにもう入社が決まっている方もいます。営業社員を増やすことによって、1人当たりの生産性を乗じて売上を作っていく計画を早期に示したいと思っています。

そのような意味では、営業社員が増えることによって売上高が伸びていく体制がようやく出来上がったと思っており、着実に実績化していきたいと考えています。

稼動状況については、現在の従業員数でもしっかり回せるレベルだと認識しています。しかし、当社としてはさらに拡大しなければいけないという方針で、営業社員を含めて社員を新たに採用していく考えです。

質疑応答:コンパクトCREマーケットポジション確立後のビジョンについて

司会者:「コンパクトCREマーケットでのポジションを確立した後のビジョンを教えてください」というご質問です。

宮寺:いろいろなかたちがあると思っています。コンパクトファンドは1件当たりの金額が小さいですが、これを集めながらマザーファンドを組成していく考えも当然あります。また、当社の組成後に他の方へエグジットすることもあると思っています。

当社としては、成長を遂げられる手段がどちらにあるかを見つつ、エグジットの値段も踏まえて経済合理性を見るというかたちで、一つひとつの物件について2つの手段を想定しています。エグジットだけではなく、もう少しポーションを大きくしてプレイヤーに買ってもらうという手段も将来的にはあると考えています。

質疑応答:今後の資本構成と財務レバレッジについて

司会者:「今後、御社が想定している最適な資本構成についてご教示いただきたいです。財務レバレッジはどこまでかける方針でしょうか?」というご質問です。

宮寺:当社の資本構成については、スライドの4象限というかたちで考えています。これは上場されている不動産会社の営業利益率とネットD/Eレシオを反映したものです。

当社は左上に位置していますが、このプロットの中でも特徴的だと思っています。営業利益率を取りながら、現時点では財務レバレッジは低いものの、当然ながらスピード感もあるので、上場により資金調達の関係もよくなっています。

一時的にはレバレッジをかけて不動産を取得し、出口の売却までの期間が短いものについては資金を借りいれて売却後に返済していきます。いったんネットD/Eレシオを上げても、また元の位置に戻ってくるようなかたちをイメージしています。

質疑応答:CREアドバイザリーと不動産仲介の違いについて

司会者:「CREアドバイザリーと不動産仲介はどのような違いがあるのでしょうか?」というご質問です。

宮寺:わかりやすく簡単にお伝えすると、いわゆる宅地建物取引業に基づく物件の媒介を「不動産仲介」と呼んでいます。「アドバイザリー」は、売却の補助やコンサルティング、売却先を見つけてくるというケースになります。

その際に媒介業務を行う不動産会社がいる時には、その不動産会社が仲介を行いますが、当社は売却に関するコンサルティングを行っているのでそのフィーをもらうケースなどがあります。当社でいう不動産仲介の業務は、「法律上の宅建業に該当するかどうか」という基準で決まってくるものです。

他にも、コンサルティングから入り、結果的にコンサルティング業の一環として不動産の売却支援を行った際はアドバイザリー事業としています。このようなところが違いだと思っています。

質疑応答:売上計上後の収入について

司会者:「10ページで成約となった案件で第1四半期に計上した売上は、その後の四半期でもストック収入のように売上が計上されるのでしょうか? あるいは、こちらは一時のフロー収入が中心の案件でしょうか?」というご質問です。

宮寺:10ページで成約となっている案件は、主にはストック収入ではなく、一時的な売上収入(フロー収入)での物件です。反対に、当社がB/S活用して購入した際には賃料収入が入ってくるため、以後はストック収入になります。10ページで記載のB/S活用案件は逆で、もともと賃料収入(ストック収入)があった物件をこのタイミングで売却していますので、その意味での賃料収入はここで止まっています。ただし、こちらも組み合わせですので、第1四半期についてはそのようなかたちになったということです。アドバイザリーはフロー収入ですので、一時的に収入をいただいて第1四半期で終わっています。

残りはこちらに書いていませんが、もともと持っている不動産の賃貸収入と、CREアドバイザリーの中でも固定のコンサルティングは1年契約で行っている物件があり、それは毎月フィーをいただくストック収入となります。

不動産テック収入については月額のサブスクですので、こちらもストックでいただいています。

質疑応答:マッチングシステムにおける情報登録数の定義について

司会者:「マッチングシステムの情報登録数は、ユーザーが登録した案件の数でしょうか?」というご質問です。

宮寺:ほとんどがユーザーが登録した案件の数です。一方で、当社も日頃から企業と接点を持っており、企業から「このエリアでこのような物件探している」などの情報を聞きます。それはそれで当社としても情報登録を行っていますが、当然ながら当社の規模の中での登録数です。現状では、ユーザーの方が登録している物件が中心となっています。

宮寺氏からのご挨拶

宮寺:あらためまして、本日は当社の決算説明会にご参加いただきありがとうございました。

上場後初の決算説明会ということで私自身も若干緊張し、至らぬ部分もあったかと思いますが、今後も株主のみなさまとしっかりコミュニケーションを取りながら、必要な施策を打っていきたいと思っています。

今は非常に期待いただいていると認識していますので、その期待にしっかり応えられるように、社員一同で精進していきたいと考えています。本日はお忙しい中、どうもありがとうございました。

配信元: ログミーファイナンス

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